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減価償却とは

こんにちは、公認会計士の三上光徳です。

ここ数回は『設備投資』がテーマとなっています。この『設備投資』の話をする際に必ず出てくるのが“減価償却”という言葉です。

本日は、この“減価償却”について説明します。



減価償却とは特殊な会計処理である


まず、大前提として、以下の内容を頭に入れておいてください。

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・減価償却とは会計の話である
・減価償却とは特殊な会計処理である
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減価償却とは、会計における特殊な費用計上のやり方のことです。つまり、通常の費用処理方法ではないということであり、基本的な仕組みを知らないとそもそも理解できない内容なのです。

とはいえ、大枠の仕組みは比較的単純です。まずはその大枠の仕組みについてイメージを持てるようにしておきましょう。


減価償却という仕組み


減価償却については、具体的な例をイメージしないとよく分からないと思います。
なので、例を出しながら説明します。


まずは、減価償却ではない通常の費用計上についてみてみます。


通常の費用計上


例えば、オフィスで使う椅子を1万円で購入したとします。
その場合の会計処理としては、購入した日に1万円の消耗品費が計上されることになります。

もうひとつ別の例を考えてみます。今月1日からフルタイムの正社員を雇用したとします。給料は月額30万円で、支払条件は当月分を翌月25日に支払うこととなっています。この場合の会計処理としては、今月月末に30万円という人件費が計上され、同時に30万円の未払金が計上されることになります。(ここでは社会保険料などは無視します)


上述した2つの例に関しては、特に違和感は感じないかなと思います。


減価償却という仕組みによる費用計上


例えば、店舗の内装工事を540万円かけて行ったとします。その場合の会計処理としては、内装工事が完了した日に540万円の内装工事費という費用が計上される・・・・・・そうではありません。


工事内容によって処理方法は若干変わってきますが、この540万円は、例えば15年間かけて費用計上されることになります。(年数は工事内容によって異なります)
ちなみこの15年間は、法定耐用年数といいます。

そして、この計算の仕組みを“減価償却”といいます。


15年間=180か月です。
540万円を15年間かけて費用計上するということは、1ヵ月あたり3万円(=540万円÷180ヵ月)の費用、すなわち減価償却費を計上するのです。

理解のために時系列で考えてみます。

まず内装工事が完了した瞬間は、内装工事という固定資産540万円が計上されます。

その1ヵ月後には、減価償却費という費用が3万円計上され、内装工事という固定資産は537万円(=540万円-3万円)となります。

そのさらに1ヵ月後には、減価償却費という費用が同様に3万円計上され、内装工事という固定資産は534万円(=537万円-3万円)となります。


以上の処理を180か月間繰り返すことにより、180か月後の最終月は、減価償却費という費用が3万円計上され、内装工事という固定資産は0万円となるのです。


次回も引き続き“減価償却”をテーマにお伝えします。




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