謎の女と破壊衝動

家から少し広めの公園で出張脳内エクスチェンジャーをやっていたら、突然ある女性が何の躊躇もなしにおれらの道具とか入ってる袋からビニールシートを出して広げ、そこに置いてあったおれらの上着をその上におきだした。少し離れた場所から見てたおれらはその躊躇なさからどちらかの知り合いかなぁと思い様子をみていた。

おれはその女性に見覚えはなかったため樋口さんの知り合いかなぁと思い聞いてみるが、樋口さんもしらないとのこと…え、誰？

謎の女はおれらの袋の中の今回のチラシを見てスマホをいじり出す。そこからなぜかおれの上着の上に座り一息つき、コートを脱ぎ自分のバックから化粧ポーチをだし手鏡をみながら化粧バッチリし終わったらバックを持ち立ち上がり颯爽と歩きだした。コートは置いたままで…

樋口さんと「え、どういうこと？」と顔を見合わせながらとりあえずおれは謎の女の後を追うことに。なんだこれ？でもちょっとワクワクするなぁと思いながら謎の女を追っていくと脳内エクスチェンジャーに向かい吸い込まれるように入っていく…え？お客さんなの？

面白そうだから外で様子をみながら待っていること50分…長い…あ！謎の女が出てきた。ばれないように後を追っていく……え？探偵やってんのこれ？尾行するにはおれのキンパツアフロの格好は目立ち過ぎている。謎の女はコンビニに行き何かを買って出てくる。またバレないように後を追う。うん？また脳内エクスチェンジャー入るの？謎の女はなんの躊躇いもなしに階段を上がっていった。

え、なに？何しにコンビニへ？っいうかまるで自分の家のように堂々と階段を登っていく姿は清々しいね。

ひたすら待つ、待つ…待つ…全然出てこない。
コートは公園にあるからここに戻ってくるだろうと思い、一旦公園に戻り樋口さんと合流。
公園の荷物を片付けて脳内エクスチェンジャーに戻る。果たして謎の女は何者なんだろう。

階段登り中に入ると誰もいない…え、さっき入っていったじゃん。
「荷物置いてありますよ」と樋口さんが彼女のバックを発見。え、コートとバック置いて謎の女はどこへ消えたんだ。まぁでもいつかとりにくるだろうと思い、その日の脳内エクスチェンジャーの予約のお客さんを待つ。

久しぶりに会う樋口さんの知り合いらしく、二人で入っていく。思いっきり遊んでねぇ〜。

少ししたらガンガンと何かを叩く音が強烈に脳内エクスチェンジャーというおれの家から聞こえてきた。
何事だと近くにいき、聞き耳をたてていると…トンカチだ！トンカチで何かを思いっきり叩いている。
え〜なにが起こっているんだ〜！！

ま、まぁ樋口さんもいるし、大丈夫だろうと思いつつも心配しながら出てくるのを待つ。
一応賃貸アパートなんだけど、大丈夫かなぁとか頭をかすめる。ま、まぁ大丈夫、大丈夫。

あ、出てきた。どこかスッキリしているようにもみえる。話しを聞くのも半分にして中を見にいく…なんてこった…壁に小さな穴があいて隣の部屋が見えてる。その周りには無数にトンカチで殴った痕跡が…怖すぎる。

樋口さんに話しを聞くと彼女は真っ先にトンカチを持ち「壁もいいんだよね」みたいに聞いて叩き始めたらしい。「え、よかったんですよね」という樋口さん。

ま、まぁ、う〜ん‥いいっちゃいいけど〜いいっちゃいいんだけど〜脳内エクスチェンジャーの管理人から賃貸アパートの住人に戻ってしまった。いや〜やばいかなぁ～ま、まぁ大丈夫っしょ！

しかし壁に無数のトンカチの後、隣がみえる小さな穴、殴り過ぎて壊れたトンカチをみていて改めて、人の持ってる破壊衝動の怖さを感じた。
いや、だっていろいろある中でひたすらトンカチで壁殴りつけるって怖すぎでしょ（笑

「ここの壁の材質ってこういう感じなんですね」と冷静に言ってる樋口さんをみて、なんかもう面白くなってくるから不思議なもんだ。

二人で外に出て一息ついてると颯爽と階段に登っていく人影が‥うん？あ！さっきの謎の女だ。
自分のバックとコートを取りにきたんだ！

”あの〜忘れ物です”

「あ、やっと見つけた！ありがとうございます」

そのまま帰ろうとしたので、ちょいちょい待って、待って、あなたは何者なんですか？

「酔っ払っててあんまり覚えてないんですけど確か公園いってチラシのところいったような」

”酔っ払ってたんすね、いやいや〜いろいろ変な行動してましたよ（笑”

「そうなんですね（笑）まぁいいじゃないですか、バック見つかったし（笑）あ、ちなみにこれ名刺です。普段はちゃんとしたところで働いてるんですよ〜」

今も更に飲んでいるようだ。
名刺にはちゃんとした会社と役職が書いてあった。

しかしすげえな、全く知らない人のものを勝手に使い、脳内エクスチェンジャーという意味わからんものに何の躊躇いもなくいき、仕舞いには全部荷物忘れてまた飲みにいくという‥酔っぱらいは最強だなぁ〜

「あ、なんか面白いことしてますね（笑」

と捨て台詞のように去っていった謎の女、いや、最強の酔っぱらいはこの日を多いに盛り上げてくれたもんだわ。

謎の女の追跡やトンカチ乱打による恐怖という予想外過ぎる事が起こり、脳内エクスチェンジャーは更に異様になっていくんだろうなぁ〜

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