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雨雲出版、文学フリマ東京38へ。商業出版と小出版の混ざり合う狭間で

遅ればせながら、先週5月19日(日)に開催された「文学フリマ東京38」へ雨雲出版として参加した記録と所感について。

雨雲出版としては、昨年11月の「文学フリマ東京37」に次いで2回目の出店となった。
前回のラインナップに加え、新刊のエッセイ本2種類を並べての参加で、出店者数1800越えの巨大イベントの賑わいで、多くの方に手に取っていただける機会だった。

出店者の中には、出版社やプロの書き手の方も少なくない。
もともと、この手のイベントはアマチュアの書き手が集まって同人誌のような冊子を販売するお祭りだったかもしれないが、今ではプロがその舞台に次々と参入して混ざり合っている印象だ。

昔ながらの冊子づくりとは環境も違い、手頃で高品質な印刷オプションとネットの連携によって、文学フリマのようなイベントは爆発的に成長している。
そして、商業出版ではないからといって品質が劣るわけでは決してない。
商業出版と小出版の世界は、どんどん重なりつつあるのだろう。

入場料がかかっても、本が好きなお客さんの熱意であふれる会場では、雨雲出版の冊子も興味を持ってもらえる場面が多くとてもうれしかった。

その一方で、お客さんにもプロの編集者や翻訳者など、本づくり業界の方がとても多そうだ。
世の中に何かを出すというのは、プロの目にもさらすということだ。背筋が伸びる。

雨雲出版は、ベッシー・ヘッドの長編小説の翻訳を出すためにもともと始めたものだが、まだ準備中だ。
現在ではベッシー・ヘッドについて書いたわたしのエッセイなどが中心で、ベッシーの文章が書かれた本は『雨雲のタイプライター』のみだ。

文学フリマでは、さすがの文学好きが多いようで、ベッシーさんの小説はないのですかと何度も訊かれてしまった。まだなのです、ごめんなさい。

翻訳出版に向けて引き続き頑張らなくてはと思う。

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雨雲出版の本は以下の通り。
こちらを読んでいただければボツワナやベッシーさんのことを知ることができ、旅エッセイのようにエンジョイもしていただけるかなと思います。

そして、少しでも売り上げとなれば雨雲出版の今後の活動のためにとても助かります。
応援いただけましたらうれしいです。

『水面をすべるモコロのように:ベッシー・ヘッドと出会ってボツワナを旅したわたしはひとり出版社をはじめようと思った』

2023年ボツワナを再訪した旅エッセイですが、ベッシー・ヘッドアーカイブのこと、ボツワナで考えたこと、ベッシーの古い友人に会って知ったこと、アパルトヘイト闘争のことなど、多くのテーマを取り上げました。

『より良く生きるために決めました:わたしたちの子宮と卵巣の治療ストーリー』

婦人科(女性診療科)系の治療手術経験と32名へのアンケート回答をまとめた心に寄り添う体験談です。

*kindle 

*PDF版

*印刷版(B5) 

『雨風の村で手紙を読む:ベッシー・ヘッドと出会って開発コンサルになったわたしのアフリカ旅』
学生のころから今までのアフリカ人生を書いたエッセイです。

『雨雲のタイプライター』
南アフリカ出身でボツワナに亡命した作家ベッシー・アメリア・ヘッド(1937-1986)が綴った言葉たちを、その作品やエッセイ、書簡から一つずつ紹介していきます。

インスタライブや音声配信「雨雲ラジオ」(standfm, Apple Podcast, Spotify)でもこのテーマについて話しています。

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