【BizDevレポート】社会の変化に柔軟に対応できる会社でありたい。Guardian・Gtax事業開発担当の「新しい流れ」に対する向き合い方
エアリアルパートナーズを紐解く記事コンテンツ「エアリアルトーク」。今回は事業開発部の植村に、事業開発をする上で大事にしている考え方や姿勢についてインタビューをさせていただきました。「PdM」ポジションに限らず、暗号資産業界やエアリアルパートナーズに興味を持っていただいた方のご参考になれば幸いです。
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植村 太郎(Taro Uemura)
大学卒業後、専門商社で営業を経験。その後株式会社Aerial Partnersに入社し、初期は暗号資産の確定申告サービス「Guardian」の運営・CSを担当。現在は事業開発担当として「Guardian」と暗号資産の損益計算ツール「Gtax」双方の運営全般を担当。
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世の中の動きに対応できる基礎を社内に築きたい。「新しいモノ」に対する事業開発担当の向き合い方
ー まずは植村さんの現在の業務について教えてください!
植村さん(Guardian・Gtax事業開発):現在は暗号資産の確定申告サポートサービス「Guardian」と、損益計算ツール「Gtax」の運営全般を担当しています。「Guardian」は関連手続きをお客様から丸投げていただいて、暗号資産税務に精通した税理士とエアリアルが協力してサポートを行っていくサービスなのですが、その根幹となる税理士との連携部分を始め、お申し込み前後のCS業務など、広く担当をしています。「Gtax」は「Guardian」とは異なり、Web上で使用するツールの提供になりますので、お客様対応に加え、改修や新機能の追加などをエンジニアやマーケティングチームと連携してアップデートを計っていく役割も担っています。
どちらも確定申告前の繁忙期を筆頭に非常に多くのお問合せをいただくサービスなのですが、エアリアルにはCS専任メンバーも在籍しているので、彼らとも連携しながら一人でも多くの方のサポートができるよう尽力しています。
・暗号資産の損益計算ツール「Gtax(個人版)」:https://crypto-city.net/
・暗号資産の確定申告サポート「Guardian」:https://www.aerial-p.com/guardian
ー AIの活用についても事業開発チームで検討してみる動きがあると伺っていますが、動き始めるまでにはどのような流れがありましたか?
世の中でもAI、特にGenerative AIについて盛り上がっていた中で、社内でも話が上がったのは4月くらいでしょうか。活用を検討、と言っても無茶を言われた訳ではなく、「世の中の変化に対応できるよう社内でもナレッジを溜めていこう」「いざ本格導入するとなった時に何も分からない状態だと厳しいよね」という意識がベースにありました。AIに限らないですが、お客様に利便性を還元できるのであれば多様な可能性を視野に入れていこう、新しいことにもチャレンジしていこう、というのはエアリアルのカルチャーでもあります。
僕自身、話が上がった時は何となく「こういうことができるんだろうな」というイメージを持っていたくらいで、実際に使ったことはなかったので、具体的にどんな活用ができるかは未知の世界でした。一方で、新しいものに触れることに関しては、不安や抵抗感より「面白そう」というポジティブな気持ちの方が強かったです。自分が出来ることの幅も広げていけるのではないかなという期待がありました。
そんな背景もあり、ファーストステップとしては世の中でも広く触られている「ChatGPT」を個人で使ってみることから始めたのですが、実際に触ってみることで「こういうことだったのか」と理解できたことも多いですし、当然ですが情報を追うだけでは分からないことが多いのだなと改めて実感しました。
ー AIの活用という面では既存のサービスを検討・導入していく、という選択肢もあったと思うのですが、まずは社内で手を動かしてみようとなった背景も教えてください。
大きく2点あります。1点目は先ほども少し触れたように、今回はスモールスタートしながら活用に向けた解像度を上げること、世の中の動きを追っていく礎を社内に作っていくことに重きを置いており、既存サービスを導入するにしてもその手前の段階であるということです。それこそ「ChatGPT」など世の中にあるツールやサービスを試しながら自分達の手を動かして、ナレッジを溜めたり社内の興味関心を高めつつ、どのような部分に何がフィットするか見極めていこうというねらいがありました。
2点目は走りながら明確に見えてきたところなのですが、僕たちがイメージしていた活用ポイントにはまりそうなサービスはまだ無いであろうということです。例えば真っ先に思いつくのはCS周りの対応を自動化していくということなのですが、日本の税理士法では税理士又は税理士法人以外が税務相談を受けることはできませんし(同法2条第1項3号)、サービスとして提供していくことを想定する場合、お客様の資産状況や取引状況について正確にヒアリングし、正確に回答ができる非常に高い精度が求められます。
CSの効率化はAIに限らずとも思考・試行が続けられてきた領域ですし、一問一答であったり、キーワードから推測して回答を並べていくようなものであればサービスも色々と出ていると思います。一方で、弊社が提供しているようなサービスに当て嵌めようと思った場合、お客様の資産状況や取引状況は文字通り十人十色で、こちらから能動的に質問しなければキャッチアップできないことであったり、お客様ご自身が把握されていないようなことも多くあります。税理士という職業が成立している所以でもありますが、お客様が聞きたいことに対して、いわゆる「よくある質問」で対応できる範囲以上にフォーマット対応できない範囲が大きいのです。今後もっと複雑なアプローチも正確に扱える仕組みやサービスが出てくるかもしれませんが、現時点ではまだ厳しそうだな、と感じています。
変化が激しいからこそ「ゴールをシンプルにしておくこと」「振り回されすぎないこと」の重みが大きい
ー 今日に至るまで、他にトライしたこと、検討したことはありますか?
新しいサービスを触ってみる、ということはずっと続けているのですが、それに加えて「AIとお客様の接点」についても考えています。サービスの中で活用できるとして、必ずしもお客様に意識して使ってもらう形(チャット形式等)が正解とは限らないですし、見えない部分での活用も含めて何がベストかを模索しています。「Guardian」や「Gtax」に関してはサービス領域も近いので、共通して使用できる部分もあるだろうなと思っています。開発部内では正社員・業務委託に限らず全てのエンジニアがGitHub Copilotを使える環境になっていたり、目の前で現場が変化していくのを感じられるのは面白いです。
ー 取り組みを進める中で難しかったことはありますか?
この数ヶ月だけを見ても進化が著しく、キャッチアップだけでも相当なスピード感を求められることです。日々やれることもどんどん増えて、しかも簡単になっています。数日前に「これができるからこうしよう」と思っていたことが古くなっていたり、更にその先が出来るようになっていたりするので、目指していくべき形を定めづらいとも思いました。社内で情報を共有し合っていると毎日のように新しい情報が入ってきますし、それらを全部試していると永久に何も仕上がらないので、ちゃんとゴールを決めて、振り回されすぎないことも意識しています。
ー 進化が早い領域だからこその悩みですね。業務内で検討を進めるにあたって大切にしていることはありますか?
色々な場面で言えることかもしれませんが、「ゴールをシンプルにすること」は大切にしています。変化が速い領域だからこそ、達成したい目的は定めつつ、実現方法は柔軟に受け入れられるような体制でありたいなと思っています。あとは業務として取り組んでいることでもあるので、必要工数を見積り、スケジュールを引いて、それを守っていくことも重要だと思っています。既存業務と並行して取り組んでいるという前提の中で、キャッチアップは無限に時間を費やせてしまえるので、どの程度の工数で何をするのか、算段をつけておくことは大切だと思います。
誰でも簡単、ばかりではなかった。実際に手を動かして分かった「作る人」の見ているもの
ー 今回の検討では1ヶ月ほど手を動かされていたと思うのですが、着手の前後でイメージの変化などはありましたか?
実は、触ってみる前は「使えば思考停止できるもの」のように思っていたのですが、触ってみると「思考が必須なもの」ということが良く分かりました。望んだアウトプットを得るためにインプットを調整したり、インプットとアウトプットで扱われるカテゴリーに関して知識が無ければそもそも調整が困難であったり、設計する側は考えることだらけだなと。
あと、序盤でもお話ししていたのですが、「非エンジニアでも簡単にやりたいことが実現できるのではないか」と期待しすぎてしまっていたところはありました。勿論非エンジニアでも扱えるものは多数あるのですが、自社のサービス内で使用していくことを考えると、機密情報の保護、個人情報の保護、APIを扱える知識、仕様の理解などエンジニアの方の協力なしでは越えることが難しい壁が多数ありました。
一方で、「何か作ってみる」ことに対して自分で手を動かしてみたことで、エンジニアの方へ依頼する際の意識は変化があったように感じます。以前は今よりも漠然とした段階で相談をしていたことが多かったのですが、「この部分はもう少し解像度を高めてから相談しよう」「予め選択肢を想像しておこう」と事前に推測しておく点では、見通せる範囲が少し広く、より具体的になったと思います。
ー 最後に、今後取り組んで行きたいことなど未来に向けて考えられていることを教えてください!
仮にサービスに組み込むとして、何が・どのようにフィットするかは正直まだ見えていない部分も多いです。一方で、自社が持っている・活用できるデータや、自社が持つ技術力により何が出来るか決まってくるという側面もあり、「今自分達が使えるもの」と「足りないもの・欲しいもの」を明確にしていくことはどの方法を取るにしても必要かなと思っています。理想としてはやはりお客様に利便性を還元できることですが、今回の取り組みで社内の情報共有はより活発になっていますし、今後も新しい情報も追いつつ、都度マイルストーンを決めて一歩ずつ進めていければと思っています。
ー ありがとうございました!
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