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読んだ本3冊 2023/10/11

前回からそんなに間は空いていませんが、読んだので書きます。

怪物

読んだのに存在を忘れていました。存在を忘れたのは内容が薄いからというわけではないです。自分でもよくわかっていません。

今年、映画をやっていて是枝裕和監督と坂元裕二脚本、そして怪物というタイトルから見たいなぁ~と思ってました。図書館でノベルがあることを発見し、予約を。気づけば読めるようになるまで3ヶ月かかりました。

映画は見てないので構成が同じかどうかは分かりませんが、最初は親の視点から語られます。途中でこれじゃあ、よく全貌がわからないなと思いつつ読んでました。初めにこの本が3章立てになっていることを思い出し、視点がおそらく変わるのだろうと思って読みました。

ネタバレになるかは分かりませんが、書きます。この物語の話って全然あり得るのでは?と思いました。それぞれの立場から得られる情報とその噛み砕き方、そして伝え方、嘘、先入観が相まってこういう結末になるのかなと。


思考の方法学

新聞広告で見て気になってました。

色々な方法論が書かれていて把握しきれていません。ですが、目的を達成するために出来事を構成している要素を分解し、その要点ごとを繋げる関係性を結びつけて考えるということが大切と知りました。

また、理系と文系の垣根を越えることが大切だと言っています。出来事を要素分けしたあとに要素ごとをグラフ化し、数値的にどうかを考えて結論を出すことが必要だと感じました。文系の人はグラフ化する能力を、理系の人は社会的な背景や人の情緒的な部分を読み取ることが大切で、それらを結びつけることで問題を解決していく。仕事のできる人というのはこの2つが揃っている人なのではないかと。

小さなことですが、たまに聞くナッシュ均衡についてざっくり分かったような気がします。

競争を行う人が互いに優位な位置を探り探りやっていると、いずれ動いたら逆に損という状態に全員が陥ること。

と、理解しました。このナッシュ均衡に至るかは競争相手の人数によっても違い、ナッシュ均衡にならないイタチごっこになる場合もあると知りました。

後はパレート最適という概念についてもわかったような気がしています。

私の理解としては優先順位の付け方のようなものです。

本書ではスマートフォンの買い替えを例に書かれていました。スマートフォンを買い替える時には、値段、バッテリー、RAM、ROM、画素数など色々と考える事があります。どれを優先するべきかは人それぞれです。この中から2つの要素(自分が優先して考えたいこと)を取り出してグラフにすることで、どのスマホを選ぶのが最適かを考えています。

例えば、値段(x軸)とROM(y軸)を優先した場合だと安いほど良くて容量が多ければいいと考えます。そう考えた場合にグラフ上に打った点(それぞれのスマホ)からx軸に対して水平な左向きの線(より安い方へ)と、y軸に対して水平な上向きの線(より容量が多い方へ)を引きます。

すると、ある点よりも左上の区画(線で結ばれた区画)にある点はそのスマホよりも価格が安く、容量が多いスマホになります。全ての点に対してこれを考えると取り除けない点が出てきます。1つとは限らないので、これらの点はどっちつかずの状態のものです。値段を取れば他のスマホより容量が少なく、容量を取れば値段が高くなる状態です。こうなった場合は値段と容量で考えていましたが、結局決め手は何?ということになります。

私自身もこの前スマホを買い替えましたが、買い替えを検討しているスマホでこういうことを考えると客観的な選択が見えるのかなって思いました。結局はこの例のような値段と容量で考えて容量が同じなら安い方を選びました。RAMも捨てがたかったですが、それよりも容量を取りました。

優先順位をつけることが苦手ですが、これを利用すれば優先順位をつけやすくなるのかなと思いました。


ファスト教養

去年も読んだことがあって、再読です。調べたら12月でした。図書館でまた借りて読んだのですが、この本は買ったほうがいいかなと思いました。

前回も思ったことですが、トピックが身近に感じられて読みやすいなと。そう感じるってことはつまり自分もファスト教養を仕入れていることになるかなと。小見出しで、ファスト教養をのぞく時、ファスト教養もまたこちらをのぞいているのだ、とあってゾワッとしました。

この本を読んでいて、久しぶりに色々考えが巡りました。たくさんメモを取りたくなって、やっぱり読書はこういうものだよなって再認識しました。調べてみたら、前回読んだ時は読書感想を書いてなかったみたいです。個人的に読書感想を書いていない本は書きたいことがありすぎて書いてないか、ちんぷんかんぷん過ぎて書いていないのどちらかがですが、この本は前者です。小説は何回も楽しみたいので感想を書いていないものが多いですが(書くと何かしらが記憶に残るので)。

別記事として読んで思ったことを書こうと思っていますが、自分で理解を深めるためにサラッと書いておくと、教養がビジネスの手段になっていて、大雑把な理解を進めるコンテンツが増えてきている。ということでしょうか。教養がビジネスに結果論として活きたとして語る池上彰さんや出口治明さんの図書は多いですが、この本の著者としてはそれが教養がビジネスに役立つことを暗に売り出すメッセージとして捉えている。

従属関係をつけるのも変な話ですが、私としてはあくまでも教養が上であって応用例の具体の1つとしてビジネスがあると考えています。

著者が危機感を感じているのは、公的な制度に対して教養を使って成功している人たちがビジネス的な観点からナンセンスな施策だとダメ出しをして、それに賛同している人たちが増えていることなのではないと感じました。主張としては、セーフティネットすらも資本主義になっていって頑張っていないやつは救う価値がないと結びつくことが危険ということだと思います。

ファスト教養と立ち向かう防衛策として、

あなたは繰りかえして読む本を何冊ぐらい持っているだろうか。それはどんな本だろうか。それがわかれば、あなたがどんな人かよくわかる。しかしあなたの古典がないならば、あなたはいくら本を広く、多く読んでも私は読書家とは考えたくない。

p200

と、『知的生活の方法』渡辺昇一著を引用した箇所がある。私も次から次へと新しい本を読みたいと思っては読みを繰り返しているが、新しい本を手に取るのは一度止めて、読んだことのある本をもう一度読もうと思ったりしていた。100%再読ではなくてもいいのだけれども、再読する本も増やしていきたい。


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