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幼児の友達を注意する、告げ口する理由と解決策

「Oちゃん!そこで遊んだらダメだよ!」
「それ、触っちゃいけないんだよー!」
「先生ー、O君が『バカ』って言ったー」

子供の「ルールを守りたい」という気持ちや正義感はとても大切な気持ちですが、あまり多すぎても、困りものです。

このブログでは、子供が仲間を注意し合ったり、すぐに先生に報告する理由と、それがどのように成長と学習の機会になるかを紹介します。そして、子どもたちが効果的にコミュニケーションをとり、社会的な問題を解決できるようにするための実践的なアプローチについて掘り下げていきます。

このブログを読むと、以下のことが理解できます:

▶️ 幼い子供たちが友達を注意したり、すぐに大人に言いつける理由。
▶️ この行動を成長や学びのチャンスに変える実用的な方法。
▶️ 子供たちの気持ちを受け入れ、問題を解決する方法、そして親や先生の大切な役割。
▶️ 友達とうまく話す方法を子供たちに教える重要性。
▶️ 子供たちが問題解決のスキルを身につけ、友達関係を育む方法。
▶️ 幼児の行動を理解し、子供たちの気持ちに寄り添い、問題解決のスキルを大切にするポイント。


幼児の友達を注意する、告げ口する理由

問題解決スキル不足

幼児は、仲間との些細な口論や意見の相違を解決するために、常に大人の介入を求めることがあります。あなたが介入し、秩序を回復してくれることを期待して、大人に報告することがよくあります。

正義感・社会性の発達

幼児は、仲間の行動を必要以上に頻繁に報告する傾向があることに気づくでしょう。幼児は、他人が悪いことをしていることに注目し、それを権威ある人物に伝えなければならないと感じているのかもしれません。

または、先生や保護者のような権威のある大人に、不適切な行動をした仲間を「叱ってもらう」ために告げ口することがあります。これは、社会的相互作用の中で、優位性を主張したり、支配力を行使したり、決着をつけたりする方法です。

安心感の欲求

多くの幼児は、一貫したルールに従うことで、自分の行動が確立された規則や期待に沿ったものであるという安心感を求めます。幼児は自分の行動を認めてもらうために、「これでいい?」と大人に尋ね、自分が正しい道を歩んでいることを確認するために、常に安心感を求めているのかもしれません。

解決策は?

ここでは、保護者や保育者がこの行動に効果的に対処するための実践的な解決策をご紹介します。

まずは、幼児が友達を注意したり、あなたに心配して相談に来た時の状況を査定することから始めましょう。誰も傷ついていないことを確認してください。状況を把握し、①大人がすぐに介入するべき状況なのか、②子供たちが自分で解決できるように導いてあげるべき状況なのかを理解しましょう。

先生に報告してくる場合

「先生、O君が『バカ』って言ったー」

1. 子供の気持ちを受け入れる

幼児が心配事を口にする時は、積極的に耳を傾け、子供の気持ちをそのまま受け入れるようにしましょう。

▶️「気持ちを受け入れる」とは?
「気持ちを受け入れる」ことは、子供の行動を肯定しているわけではありません。子供が不適切な行動を取ったとしても、「あなたが嫌な気持ちになったことを、私は理解していますよ」ということを子供に伝えるのが大切です。

▶️ 気持ちを受け入れる方法
まずはその子の気持ちをそのまま代弁して返してあげる:例「それは嫌だったねー」、もしくは、「そう言われてどんな気持ち?」と尋ねてみましょう。

▶️ 軽くあしらったり、無視しない
たとえ幼児が頻繁に告げ口する傾向があったとしても、「そんなことくらいで、いちいち報告してこなくて良いから」と言いたくなるような内容でも、彼らの自分の考えや気持ちはとても大切であることを忘れないでください。大人から見ると些細な出来事も、幼児はまだ自分で日常的な些細な問題を解決することができずに、困って、あなたに助けを求めているのです。

子供が不安な時に、軽くあしらったり、無視したりすると、子供はもっと不安になり「もっと先生にアピールして、わかってもらわないと!」と言う気持ちになって、もっと告げ口がひどくなってしまうかもしれません。

▶️ 子供の気持ちを代弁し、安心させる
先生が不安な気持ちを理解してくれたと言うことがわかると、子供は少し安心します。安心すると、冷静になり、考えることができるようになります。

2. 問題解決型学習

幼児を解決に導くような質問をすることで、問題解決型学習を促しましょう。役に立つ質問には、次のようなものがあります:

どうしたら良いと思う?
このことについて、その子とお話ししましたか?

どうしたらその問題を解決できるかな?
あなたが(問題解決型の提案を)すれば、解決すると思う?
どうやって助けてほしいの?
次に何をしたら良いと思う?

他の子を注意する場合

「Oちゃん!そこで遊んだらダメだよ!」
「それ、触っちゃいけないんだよー!」

1. 「言い方」を教える

「いけないことしてる!言ってあげなきゃ!」という正義感で注意してしまうので、意地悪で言っているわけではないのです。でも大声で、厳しい口調で注意するのは、マナー違反ですね。意地悪に聞こえてしまうこともあるでしょう。

注意してあげるのはいいことだけど、強く言ったら嫌なお友達もいるから、優しく言ってあげようね。
なんて言ってあげればいいかな?

2.  必ず練習させる

「なんて言ってあげればいいかな?」という問いに、良い答えが出たら、それを必ず練習させましょう。

お部屋の声で優しく言ってみましょう。

となりの子供同士で、ロールプレイのように交互に練習させるのも良い方法です。交互に練習することで、注意する側と注意される側の両方の立場を体験することができるからです。

3. 評価する

その後、みんなで評価し合っても良い学習になります。

どんな言い方だと、嫌な気持ちにならないかな?
どんな風に伝えると、わかりやすいかな?
どんな風に言われると嬉しかった?
どんな風に言われたら嫌な気持ちになった?

他人のことが気になって仕方がない場合

それはあなたにとって問題ですか?
それはあなたにとってどのような問題なの?
今あなたがやるべきことは何ですか?

その問題が自分自身にどのように影響するかを考えるよう幼児に促します。この質問は、自分の選択や行動を振り返るように促されます。
そしてまずは自分のやるべきことをしっかりやることの大切さを教えましょう。

勉強の機会に利用する

このようなことが起こったら、子供たちの勉強の機会として利用しましょう。この実践的な問題解決学習を幼児との日常の中に取り入れることで、幼児が本質的な問題解決型学習スキルを身につけ、健全な社会性の発達を促すことができます。

まとめ

幼児の友達を注意する、親や先生に告げ口する行動は、子供の発達の自然な一部です。その根本的な理由や動機を理解することで、より効果的にその問題に対処することができます。問題解決型学習を促進し、子供の関係を育み、子供を導いてください。子供が成長し発達するにつれて、自分で問題に対処できるようになります。子供たちが「自分の正しいと思う気持ちを言ってはいけない」と思わないように、親も保育士も子供の気持ちに共感し、友達同士のトラブルにならないような対応策を教えてあげたいですね。

注意
このブログの内容は未就学児を対象としています。小学生や中学生においても同様の問題が発生することはありますが、その際の状況や理由、動機は未就学児と異なることがあります。

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