ADHDママのリアル:双子イヤイヤ期にウツになる
私の子供たちは一卵性双子の男児です。とにかく育てにくい子どもたちで、あまりに泣き過ぎて鼠径ヘルニア(でべそ)になってしまったほどです。
今、私は行動分析士として、日々育児を頑張っているママたちをサポートする立場にあります。当時の自分の子育てを振り返りながら、日本の子育て環境としての問題点や、どのような支援が必要かを考えてみたいと思います。
虐待との綱渡り
寝不足状態でひとりぼっちの深夜の夜泣き対応は、まさに精神修行。まともな判断もできなくなってきます。子供の強烈な泣き声は、親としての自分の価値を責められているような、そんな被害妄想まで生まれてきます。
「もぉいい加減にしろーーー!」
と子供を放り投げたくなる衝動を、いつもギリギリのところでこらえている感じでした。
「虐待との綱渡りだ…」
「いつ、あっちに転んでもおかしくないな…」
そんな感覚がリアルにありました。
「魔がさして、子供を窓から放り投げちゃったらどうしよう…」
という怖さもあって、窓付近で子供をあやすのを避けたりしていました。
夜中に一人で泣く子をあやしていると頭がおかしくなりそうでした。
夜明け近くになると、彼らをベビーカーにのせて、なるべく外に出るようにしていました。ベビーカーで揺られると、彼らは寝るし、自分も少し冷静でいられるからです。
【2, 3 歳頃まで】成長の遅い双子たち
言葉が遅い。
学びが遅い。できるようにならない。
理由も泣く大泣きが始まり、止まらない。
なかなか寝ない。夜泣きが多すぎ。
内弁慶で、極度の怖がり。家では暴れ回るのに、外では私にくっついたまま離れない。せっかくお金払って子供用のプレイジムに連れて行っても、私にへばりついたまま、全く遊べない。無理に引き剥がそうとすると、泣く。
仕方なく家に帰ると、家で暴れ回る。
引っ込み思案。双子同士では遊ぶけど、他の子達と遊べない。おもちゃを取られても取られっぱなし。
体も弱めで、頻繁に熱性痙攣を起こす(ダイアップ必需品)。
彼らが1歳4ヶ月の頃、真夜中に双子が2人でキッチンまでハイ出し、戸棚を開け、米びつをひっくり返し、米の海にダイブして遊んでいた…。
その時私は何かがブチ切れ。
パン、パーーン!
彼らを思いっきり引っ叩いた記憶があります。
その後、手がジンジンして、
子供たちは大泣き。
私も大泣きでした…
今だったら、その様子をこっそりビデオに撮って、YOUTUBEかなんかに載せれば、結構ウケたかも。
自分も呆れて笑って過ごすことができたのかな?
でもその頃は、そんな精神的な余裕は全くありませんでした。
食事は手掴み、ねんど遊びのように食べ物で遊び始める。
「本当にこれで良いの?育児本には、『子供に手づかみ食べをさせましょう』って書いてあるけど。こんな汚くて良いの?」
偏食なので、苦労しました。横着な私は、簡単に栄養を取らせるために、毎日野菜スムージーを作って、そればかり飲ませていました。そのせいでカロチンを取りすぎ、黄疸のように皮膚が黄色くなってしまいました。
見知らぬ人からも、
「親が日本人なのに、なんで子供がベトナム人なんだ?」とか
「黄疸が出ている。早く病院に連れて行きなさい」
と言われることもありました。
CDラックからCDを引き抜きぶちまけること、床に敷いてあるABCパズルマットを剥がして、バラバラにする。
ガラスのコップを噛んで割る。
プールで泳がせると、水をぺろぺろ舐める。
何時間でも電車を見ている。
ミニカーを並べ、寝転んで車目線で遊びすぎて、側頭部にハゲができる。
しつけをしようにも、そのレベルではなかった気がします。
「子育ては面白い。子供は新しいことをどんどん吸収していくから」
と聞いていたけど、
「うちは全く吸収していかないな」
と感じていました。
【ついにダウン】鬱になる
ついに彼らが2歳を過ぎた頃、私の体に変調が起こりました。身体が鉛のように重い。とにかく重い。でも彼らの面倒を見なくてはならない。もう異常に重くてしんどいんです。
そのうち、「死んでしまいそうな行動」をとりがちになりました。
いわゆる自殺ですよ。でも「自殺したい」わけではないんです。
でもなぜか「自殺してしまうような行動」をとりそうになるのです。
例えば、
当時10階に住んでいたんですが、お布団を干す時に10階のベランダから下を見下ろすと、
「ぐわあーーーーぁ」
と地面に吸い込まれそうな感じになるんです。
「うぁあ〜やばい。何だ?今の?」
ハッと我に返ります。
双子をベビーカーに乗せてマンション前の交差点で信号待ちをしているときに、大型トラックが交差点に入ってくるのを見ました。
その瞬間
「ぐわあーーーーぁ」
とトラックの中に引き込まれるような感じになり
「うぁあ〜やばいやばい」とハッと我に返ります。
たまに「鬱で遺書もないまま飛び降り」ってケースを聞くことがありますが、きっとこんな感じで死ぬつもりもないのに、吸い込まれてしまったのでは?と思ったりします。
そのうち、食べ物を食べても全く味がしなくなりました。なんだか砂を食べてるみたいな。ある日、完全に「砂そのもの」に変わりました。
笑っちゃうほど「うゎ、砂だ!」って感じでしたね。
ここでやっと「こりゃウツだな」とわかりました。
鬱の薬を処方され、若干の改善が見られましたが、スッキリしませんでした。いろいろ検査をしたところ、元凶は「甲状腺機能低下症」だったとわかりました。今では妊婦さんの甲状腺検査は一般的になってきたようですが、私のときにはまだまだで、わかるまでずいぶん病院内をたらい回しになりました。
【育児相談】「みんなそう」と言われるだけ
たまに児童館に行った時、育児相談を受けたり、上記の病院内たらい回しの時も「身体がだるすぎる」と訴えていました。
でも医師や看護師、保健師から返ってくる回答は同じ。
「双子育てているんだから疲れるのは当然です。」
「一人を育てるのも大変なんだから。」
「まぁね。そうなんだけど…」
何の解決にもならないことを言われて…。
どこに行ってもこんな同じようなことを言われたので、
なんて、自分のせいにせざるを得なくなります。
【日本的な間違った理屈】みんながそうなら、心身を壊していいのか?
今ならわかります。おかしいですよね。この考え方!日本的というか…。
全く問題解決になっていません
でも育児真っ只中の時は、「おかしい」って思える心の余裕はありませんでした。
そんな中でも唯一有益だったアドバイスは、児童館で「双子の会」を紹介してもらったこと。区内の双子のママたちが子供たちと一緒に児童館で集まったりしていました。ほんの5組くらいの小さな会でしたが、楽しかった。
そこで知った事実は…?
双子のママ5人とも、みんな身体を壊していました。
「私は産後うつ」「私はメニエール」「私は自律神経失調症」「私は偏頭痛」などなどなど…。
本当に「みんなそう」だったのです。
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