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北米で注目の次世代セールステック(DSR)を使い倒してみた!!

皆さん、こんにちは!株式会社マツリカでセールスを担当しております、一場です。
久しぶりのnote更新になってしまいましたが、今回は最新のセールテック(DSR)に関する記事を書いていきます!

私はこれまで比較的レガシーな会社に在籍していたこともあり、最先端の技術やテックに触れる機会があまりありませんでした。
しかし、今私が在籍しているマツリカは日本のセールステックのスタートアップ企業です。
この会社で働いているからには、最先端のセールステックを学び、それを使い倒して発信をしていく必要があると考え、筆を走らせている次第です。

また、今回の記事ではただ最先端のセールステックのことをお伝えするだけではなく、セールステックを用いることによって向上するセールスの質の部分に関しても考え直すきっかけとして頂けたらと思います。

例えば、セールス活動の中で「ご検討状況いかがでしょうか」というご連絡をしてしまっている方、もしくはそのようなアプローチをセールスから受けたことのある方も多いのではないでしょうか。

度々、SNSで目にすることのある、この「ご検討状況いかがでしょうか」問題はお客様の検討情報を把握出来ていないことの現れとして象徴的な行動のように思います。
セールスパーソンからすると、この行動は、”失注確率が高そうだな。けど、追客しなければいけない”という背景が多いように思います。(そうではないパターンにおいてもこの言葉が出てきた際には、失注確率が高いです。)

一方、お客様側からしてもしつこく求めていない連絡が来て、迷惑だと感じている方が多いのではないでしょうか。(セールスにサポートを求めていたら担当者に情報共有がされるでしょう)

このような連絡は顧客にとって都合の良いタイミングで、かつ適した内容であれば、良いものだと思いますが、場合によっては非効率且つ顧客に迷惑をかけてセールスの地位を落とす行為にすらなり得るのではないでしょうか。

このようなテクノロジーによる”効率化”のみならず、”質”の向上を目指して記事を書いていきたいと思います。

なお、本記事はこちらの記事を参考にしながら書いておりますので、ぜひご覧ください。

ここに描かれている世界観が最近欧米でユーザーを増やしているデジタルセールスルームというカテゴリのセールステックであるようです。
なので、これからこのカテゴリにフォーカスして、本記事を書いていきたいと思います。

1、DSRとは?

いきなりデジタルセールスルームという言葉が出てきましたが、ご存じない方も多いのではないでしょうか。
まずデジタルセールスルーム(DSR)が何なのかを簡単に紹介したいと思います。

デジタルセールスルーム(DSR)とは、BtoB企業が見込み顧客と情報や営業コンテンツを共同し、効率的な営業活動を行うことを目的としたオンラインスペースのことです。

Senses Lab

デジタルセールスルーム(DSR)はGartner(※1)が2020年にカテゴリを定義し、2022年にG2.com(※2)がカテゴリを新設した、新興カテゴリです。

このカテゴリのプレイヤーは、米国や北欧を中心にしたカテゴリの中核企業もまだSeries Aラウンド周辺の若い企業が多く、これらの情報を鑑みても最先端のセールステックカテゴリであると言えるでしょう。

※1 アメリカの本拠地を置く、業界最大規模のリサーチ・アドバイザリー企業
※2 IT製品のレビュープラットフォーム。140万件以上のユーザーによる信頼性の高いレビューが掲載されている。

2、DSRが注目されている背景

ではなぜ、DSRは最先端のセールステックカテゴリとして注目されているのでしょうか。
Gartnerの記事によると今後のセールス活動において以下の変化が起きると記載してます。

・2025年には80%の営業–購買活動のやり取りがデジタルチャネルで行われるようになる
・2026年にはB2Bの営業の30%がデジタルセールスルームで管理される

https://www.pitcher.com/blog/gartner-digital-sales-rooms

上記の背景は以下の理由が牽引していると考えています。

a、セールス活動と購買活動のフローの違い

日々のセールス活動をされている中で、皆さんは気づいていらっしゃると思いますが、セールス活動のフローと購買活動のフローは全く違います。

セールス活動がフロー通りに綺麗に進んでいるからといって、購買活動がフロー通りに進んでいるかと言われているとそうではありません。
むしろ、購買行動のフローを全く無視したような、非効率なセールス活動になってしまっていることが多いように思います。
以下の図にセールス活動と購買行動のフローの違いについてはまとめていますので、ご参照ください。(資料はこちらからダウンロード出来ます)


購買プロセスに関しては、どうしてもセールス側からは見えにくい部分があり、セールス活動を1次情報としてCRMに入力していることと思います。

そのセールス活動ですら、セールスパーソンの主観が入っていたり、役割が分かれていることから引継ぎのミスなどが生じ、正しい情報がCRMに入っていないこともあります。
ただでさえ、購買プロセスが見えていないのにセールスデータが誤っていては、質の高いセールス活動は出来ません。

CRMだけでは、購買プロセスまでは追えず、セールス活動においても不足な状態になってしまいます。

上記のAfterの図のように顧客とのコラボレーションプラットフォーム(DSR)を使うことにより、一次情報を正しくキャッチアップが出来ます。そちらによってBeforeで発生している問題が解決出来るような仕組みづくりをすることが出来ると言われているため、注目されています。

b、営業・購買活動の複雑化

営業と購買活動のフローが違うだけでなく、「複雑化」もしています。

デジタル化が進み、ネットに情報が溢れており、選択肢が幅広く購買活動自体が非常に複雑化しています。

また、一人が決めるトップダウン的な組織が少なくなり、検討自体に関与している人も企業規模が大きいほど、多くなっており、購買活動が複雑化しております。
購買活動が複雑化しているということは、セールス活動も必然的に複雑化しているということです。

以下が購買活動が複雑化しているかを表している画像になります。

購買活動に関する人や情報など複雑化しているため、セールスとしては、顧客がどの程度、どのタイミングでどのような内容で検討をしているのかが知れたらより良いセール活動が出来るのではないでしょうか。
そのような文脈からもDSRは注目されています。

3、実際にDSRを使ってみた

私は、今回特別にDSRを実際に使う機会を頂いたので、使う前の印象と使ってみての印象を2軸で書いていきます。

a、使う前の印象

まだ世に広まっているようなセールステックではないので、最初は「何これ?」「何のためにやるの?」「めんどくさい」「現状維持で良いのでは?」という考えでいました
何をするためのセールステックなのかが分からないため、ネガティブな印象を持ちました。
上記のような背景部分を深く理解している方であれば、感覚値として使う前から素晴らしいセールステックだと気付けたと思います。

最初はただの資料共有サービスくらいにしか思っておりませんでした。
なので、世にすでにあるファイル共有サービスやストレージサービスを使えば良いと考えていたのです。

ただ、上記の背景を理解したことによりセールス活動を効率的に行うことで日本の営業生産性を上げることが出来ると信じ、今回はファーストペンギンになるという強い気持ちで使うと決意をしました。

b、使ってみての印象

実際に使ってみた視点を売り手(私)側と買い手(顧客)視点で書いていきます。

売り手としての所感

DSRは顧客との情報を一元管理できるプラットフォームになっており、買い手のトラッキングも出来る様になっています。
なので、顧客の誰がどのタイミングでどういった内容を検討しているのか(顧客の購買活動)が売り手側で把握出来ます。
従って、上記で何度も申している通り、顧客へ不要なタイミングでの検討状況伺いの連絡をしなくても良くなります。

また、普段のセールス活動でも状況伺いのご連絡のタイミングが適切であったとしても買い手側がどのように何を検討しているのかが見えないため、どうしてもその場勝負になってしまうことが多いのではないでしょうか。

そのような状況もDSRを使えば、買い手側がきちんと検討しているタイミングでほしい情報を適切に提供出来るというセラー体験が出来ます。

もう1つの発見として、DSRを使うことによってセールスに対しての不都合な真実も見つかりました。それは「送付した資料は基本的にあまり見られない」ということです。

普段メールに添付やZipファイルおよびファイル共有サービスなどで資料を送っていると思います。
その後、ダウンロードしたかどうかは見れるものの、実際に顧客が見ているかどうかまでは分かりません。
DSRを使うと詳細に分かってしまうため、これ程までにも見られないものなのかとガッカリすると共に、さらに良く出来る部分があると考えました。

ただ、初回商談でアトラクト出来たり、割と確度が高めの顧客に関しては、見て頂けます。

逆に言えば、初回商談の見極めにも使えるという形になります。

セールスは、セールス活動以外にも業務があり、初回商談の見極めができ、アプローチするべきところに適切にアプローチ出来るという点だけでも効率性が上がります。
売り手としての最適な営業活動が出来ると確信し、DSR含めた素晴らしいセールステックで世が溢れたらセールスという職種がさらに注目されるようになると確信しました。

買い手の反応

今回はDSRを実際の買い手の方にも入っていただき、体験して頂いたので、そちらの反応も書いていきます。

最初、メール添付ではない資料共有なので、買い手側も「とりあえずPDFで送ってくれ」と言われるのでは無いかと思っていましたが、あまりありませんでした。

PDFファイルが必要になるタイミングで多かったのは「社内上申をするための資料作成で資料を使いたいので、ダウンロードしたいくらいのものでした。」
つまり売り手側が使うようになれば必然的に買い手の方々も順応して使って頂ける可能性が高いということです。

また、買い手側も適切な検討タイミングでセールスが連絡をしてくれるので、ちょうど今◯◯で検討していてのようなお話を頂きました。
検討している◯◯が分かった上で買い手が欲しい状況を提供出来るので、「凄い便利なシステムですね」と高評価でした。

これからもDSRを使っていき、セールス活動の効率化と質を高めていく部分に貢献出来ればと思います。

実際に使ってみての成果

今回、実際のユースケースとして良いなと思う事例が1件あったので、紹介したいと思います。

ある会社様の現場担当者との初回商談時に個人としてもアトラクトが出来たという感覚があったので、DSRを試してみようと使ってみました。

まず、顧客専用のルームに現場担当者が入ってきたことを把握したので、「もしよろしければ現場の方々だけではなく、上長や経営層の方々にも入って頂くことが可能です」という形で伝えると複数の方をルームに招待して頂きました。

現場のご担当者様が少し検討に時間が掛かると言っていたのですが、1週間程度で複数の方が複数回、ルームに入っていることが分かりました。

私は誰が何を見ているのだろうとルームに入って分析してみるとある他社様との比較資料ページをルームに入っている全員が長く見ていることが分かりました。

そこで本来であれば検討時間が長いとの現場担当者の言葉を信じ、連絡をせずにいたのですが、上記のデータがあったので、ご連絡を差し上げました。

「もし貴社の方で他社様との比較をされているようでしたら、情報提供します」とお伝えすると「ちょうど、◯社と比較検討していたんです」との反応が返ってきました。

そのような状況は事前に知っていたので、口頭で比較ポイントを伝え、「決裁者の方々含めて資料使って詳細部分をお伝えさせてください」とその場でアポをとり、最終提案に臨みました。
結果、弊社を選んでもらい、受注に至るケースがありました。

ここで今回の件で、DSRを使って良かった点を改めて振り返ります。

・現場の担当者だけでなく、複数の方をルームに招待したことで巻き込めた
・どのタイミングでどんな内容を検討しているのかが分かったので、顧客の適切なタイミングや内容でアプローチが出来た

上記の点以外にもDSRは素晴らしい機能があるのですが、1つのユースケースとしてぜひご参考にしてください。

4、今後の営業活動の在り方に対する考察

上記でも様々記載させて頂いた通り、昨今の営業活動や購買活動は複雑化しており、CRMだけで管理しようと思っても中々出来ないのが現状で、将来的にも難しいと考えています。

「CRMに入力されていた情報をもとに顧客へアプローチしたら全然違う内容だった」や、「不適切なタイミングで逆に悪い心象を与えてしまった」などという経験がある方も多いのではないでしょうか。

複雑化しているプロセス自体を変えるということは難しいので、売り手と買い手が対立する構造を描くのではなく、共に購買体験を作り上げていくことにより、一次情報を正しくキャッチアップし、複雑化した検討プロセスを明確化し、適切なセールス活動をしていくことが出来ると信じています。

その1つの足掛かりとしてDSRが必要なのではないかと考えます。

5、最後に


今回は真面目にセールステックに関して書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。

ぜひDSRという存在を知って頂き、不用意な追客行動をやめたり、非効率な営業活動をするのではなく、顧客側の適切な購買体験に合わせたセールスプロセスを踏んでいくような仕組み作りをしたいと考えています。

上記の取り組みでこれからのセールテック業界を微力ながら盛り上げていきたいと思います。

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