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VUCA時代のキャリア理論

 前回はVUCAの時代について記載しました。今回は、このVUCAの時代を生き抜く個人のキャリアという視点で考え方のヒントとなるキャリア理論をご紹介しますね。

まずは、前回の文章を改めて・・・。

VUCAの時代
 現在の私たちを取り巻く環境を表現する言葉として近年よく使われるのが「VUCA(ブーカ)の時代」と呼ばれるもので、既に聞いたことがあるという方もいらっしゃるかと思います。

VUCAとは「Volatility:変動性」「Uncertainty:不確実性」「Complexity:複雑性」「Ambiguity:曖昧性」のそれぞれの頭文字をとった言葉です。
もとは1990年代後半に軍事用語として発生していた言葉ですが、2010年代に入ると急激な環境の変化に伴い日本のビジネス界でも広く使われるようになりました。では、もう少し具体的にしてみますね。

変動性
 1990年代後半にはIT革命によりインターネットが商業化され企業や消費者は誰でも低コストで簡単に情報を手に入れることができるようになりました。これにより購買行動にも変化が生まれビジネスの仕方や新しいビジネスが続々と誕生しては消えていくこととなっています。Uber EatsやYouTubeなどは利用している方も多く既に身近な存在となっています。

不確実性
 以前より懸念されていた地球温暖化や、気候変動、そして世界中の人々を悩ませたコロナウイルス感染症や「かつてないほどの〇〇」と言われるような自然災害などが至る場所で頻繁に起きています。こうした自然災害などは私たちの命に大きくかかわり突然の人口変動は私たちの雇用情勢にも影響を与えています。かつて日本のスタンダードだった終身雇用は崩れつつ、評価システム変化など私たちの働き方を大きく変えてきています。

不確実性
 ウクライナとロシアの戦争といった世界各国の政治などは単純化しづらく、先行きが不透明と言えます。したがい、これまでの慣行などの常識と言われていたものが非常識になるなど、より複雑性を増しています。

曖昧性
 これまでのように30代女性独身などといっても それぞれの背景や価値観は異なり、カテゴライズしてもバラツキは大きく価値観の多様化により消費行動も多様です。つまりはこれまでのデーターや経験が通用しなく これといったパターンが見つかりづらくなりました。

 このように ブーカの時代とも言われる現在の私たちを取り巻く環境とは 
「変化が激しく将来の予測が難しい時代」と言えます。ではこの変化が激しく将来の予測が難しい環境の中に存在する私たちは、これからの時代をどのようにして歩んで行けば良いのでしょうか。
 
と言うことで、今回のテーマ「VUCAの時代を生き抜く個人のキャリア」という視点で考え方のヒントとなるキャリア理論をご紹介します。

計画的偶発性理論(Planned happenstance 1999年)5つのスキル

1、好奇心:新しいことに興味を持ち模索すること。
 
様々なことにアンテナを高くしておくことはもちろんですが、多くの方が興味を持つところまでで終わってしまうことが多いのではないでしょうか。
今から新しいものを探そうとするのも良いのですが、実はこれまで既に発見していることも多く、これまでを振り返ってみることの方が比較的簡単です。これまでやってみたいと思ったけれどやらずにいることはありませんか?どこかに書き留めておくといいですよ。

2、持続性:失敗してもあきらめずに努力し続けること。
 長期的な目標は様々な阻害要因にさいなまれ挫けてしまうことが多い。そのためちょっとうまくいかないとやめる結論を急いでしまうことにもありませんか?ざっくりとした長期的な目標はあった方が良いのですが、そこまでの目標を小さく区切って、一つひとつ目標をクリアにしていきながらも、結果的にこれと思ったものには粘り強くめげずに取り組んで続けていきたいですね。本当にもうやれることはないのかを振り返ってみましょう。

3、楽観性:予期していたことと違う事もポジティブに捉え楽しむこと。
 現在は様々な情報が簡単に手に入れられるため、かえって私たちを悩ませ行動をセーブしてしまうということが増えています。これは私たちがリスクを強く感じる傾向にあるという心理的な影響も大きいため、ポジティブとネガティブな情報を同じ量比較してもネガティブ要素を強く反映してしまい、さらに行動をセーブしようとする思いを強くさせます。状況にもよりますが、ポジティブはネガティブの3倍くらいと思って比較するくらいがちょうどいいのかもしれませんね。

4、柔軟性:これまでの態度や考え方にこだわらず状況に合わせて柔軟に変えていくこと。
 
これまでの私たちは目標を決めたら、計画を非常に丁寧に考えることこそ望ましいと考えることが多く、そうすることは目標達成の近道でもありました。しかしこれからは先にもお伝えしたように計画したとおりに進むことは少なく、計画に時間を費やすことは有効ではなくなりました。これまでも人によっては考え抜いた挙句やりきった気になってしまうタイプの方も多いのではないでしょうか。また、丁寧に時間をかけて計画すればするほど、変更に迫られたときに、やり方にこだわってしまい当初の計画を無理やり押し通そうとしてしまうことも少なくありません。これからは、修正変更が入ることは当たり前との認識のもと、これまでのやり方に固執せず、新しいやり方を取り入れていけるようになるといいですね。イメージとして計画はざっくりで良く、むしろ行動にパワーをかけるようにするといいですね。そのためにも修正をダメージ少なくこまめにできるように、小さなマイルストーンを置いて行動できるといいですね。

5、冒険心:結果がわからなくても挑戦し行動を起こすこと。
 成功というのは、非常に多くの要素が組み合わさってできており一度成功したからといっても再現性が難しいと言えます。しかしながら失敗というのは学ぶことが多く、成功への確立を上げていけるのです。まずは、失敗は学ぶ機会だと捉え方を変えてみましょう。完璧を期待すると間違うことが恐怖になります。そもそも新しいことをやろうとすると間違えるのが当然です。前提が間違えるし致命傷ではない失敗は成功に近づいたと考え方に余裕を持てるといいですね。

なんだか、背中を押してくれるようなそんな理論で、個人的には大好きです。

では、また。

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