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語学に勤しむ道産子| 大学院生enスペイン| 留学体験記:『雪隠と留学(日本語版)』『The Sun also Shines (英語版)』『Studie ist kein Ponyhof (ドイツ語版)』『Concierto de Sidra (スペイン語版)』

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    日本語で執筆されている記事たち。 雪隠と留学[第1部 インドネシア] 雪隠と留学[第2部 ドイツ] 雪隠と留学[第3部 スペイン] 雪隠と留学[第4部 シウダデラ・デ・パンプローナ]

  • 広くて近くて今にも落ちてきそうな空

    大学院の課題で必要に迫られて書いた小説。 御覧の通りジョジョの奇妙な冒険からかなりアイディアを盗んでおります。怒らないでほしい。

  • シウダデラ・デ・パンプローナ

    雪隠と留学[第4部 シウダデラ・デ・パンプローナ] スペイン ナバーラ州 パンプローナ 23歳の道産子薩摩隼人はどう生きるのか。

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2022.1.13. | [随時更新中/Updating/Aktualisieren/Actualizando] はじめに/Before Start/Bevor Beginnung/Antes de Empezar 1. 概要| Abstract 2. 自己紹介 | 2. Presentación 4. 自己紹介 part.2 | 4. Introduction pt.2 ―――日本語版――― 雪隠と留学[第1部 インドネシア] (日本語版) 6. 2016年春、大

    • #63|広くて近くて今にも落ちてきそうな空④

      1935年の同じ日 6時43分  目を覚ましたシュレディンガーはカーテンを開けてから万年筆を手に取った。 おわり あとがき 普段は小説なんて書かないんですが、今回は大学院の授業の一環で書かなければいけなかったので無理矢理書きました。 お察しの通り、ジョジョの奇妙な冒険第5部と第6部からかなりアイディアを頂いております。 作品全体のモチーフとして有名な思考実験の「シュレディンガーの猫」を使いました。説明する必要もないとは思いますが、相反する2つの事象が同時に起こりうる事を

      • #62|広くて近くて今にも落ちてきそうな空③

        1935年の同じ日 6時22分  体はすっかり元に戻った。たぶん。この目の前の緑の光は点滅もしなければ消えることもない。外から話し声が聞こえてくる。遠くて何を言っているかは良く聞こえない。ドイツ語だ。つまりそれほど遠くまでは来ていないのだろうか。  よく見るとこのフラスコ、マークが付いているぞ。色は分からない。この部屋は緑の世界だ。夏のアルプスのような気持ちのいいものではなくて父さんが好きそうな科学的な色だ。そういえば一度父さんにこのマークを見せられた気がする。このサイレン

        • #61|広くて近くて今にも落ちてきそうな空②

          1933年のある日 17時20分  俺は犬が嫌いだ。あいつらはいつもへらへらして人間に首を繋がれている。ああいう自分の意思を持たないような奴らは嫌いなんだ。たまには警察犬とか番犬みたいな格好つけた犬もいるが、所詮はいいように使われているだけだ。自分たちが何をしたいかなんて考えたこともないのだろう。それに比べて俺は自由だ。やりたいことはなんだってやれる。もちろん全知全能の神ってわけじゃないから出来ないこともあるが、少なくとも他の誰かの指示に従う必要なんて全くないし、そんなこと

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        記事

          #60|広くて近くて今にも落ちてきそうな空①

          1935年のある日 6時15分  頭痛がする。瞼は重い。何をしていたのか思い出せない。いや、そうじゃない、自分の意思でここに来たわけではない。ここがどこなのか全くわからない。まったく、頭が痛い。体はだるいのに熱はないみたいだ。どうにも変な気分だ。薬でも飲まされたのか。この小さな部屋は一体何なんだ。とにかく喉も乾いたし水を飲みたい。部屋は真っ暗で電気はついていないけど隙間から外の光が漏れている。とりあえず怪我はしていないようだ。良かった。こういう時は悪いことだけじゃなくて良い

          #60|広くて近くて今にも落ちてきそうな空①

          #59|20 2020年9月11日 金曜日

           窓から覗くと相も変わらず深い青が空には広がっている。着替えてマスクしてからサングラスを掛けて部屋を出る。立ち止まっているとサングラスはマスクから漏れた息で曇るのが少し煩わしいが、歩いていれば大丈夫だ。カスティーヨ広場の日陰にあるベンチでサングラスを膝の上に置いてMを待つ。気持ちのいい風が吹いてくる。  パンプローナ市庁舎の近くにあるカフェ・ペレグリーノのテラス席に座ってテーブルに貼ってあるQRコードを読み取ってメニューを見る。カフェ・コン・レチェを飲みたい気持ちも山々だが、

          #59|20 2020年9月11日 金曜日

          #58|19 2020年9月10日 鯖と嘘と噂

           Caballo Blancoで待ち合わせをして同じクラスの人たち何人かとビールを飲んだ。旧市街の一番端にあり、フランスとの国境がある山脈が遠くに見える見晴らしのいい場所にある。ビールと言ってもスペインではよくあるビールにレモン味のソーダなどを足しているのも飲んだ。そこで初めて会ったRは痩せた男で吃音症が入っているのかどもりながら話していた。もう1人時間通りに来ていたのはメキシコ出身のAだ。背の高い縮れた長い髪の女で、絵に描いたようなラテン系の明るさを振る舞いている。2人はこ

          #58|19 2020年9月10日 鯖と嘘と噂

          #57|18 2020年9月9日 同じ道

           日本食レストランにMと来た。メニューを開くと握りが2貫で約4~5ユーロでカリフォルニアロールと同じ数だけあった。寿司と言えばやっぱり握りを食べたいが、満足するほど注文すればかなりの額になってしまうので握り10貫盛り合わせで16ユーロが比較的お得だと思い、頼もうと思ったが、Mが「え、ひとりで一皿食べるの?わけないの?」と聞いてきた。日本では家で家族で食べるとき以外はお店では基本的には自分で食べたいものを自分の分だけ注文するものだと、教えたが、一緒に分けることにした。マグロとサ

          #57|18 2020年9月9日 同じ道

          #56|17 2020年9月8日 情

           たまに本当に自分のことが嫌になることがある。3年前のあの日も今日と同じだった。昼飯を作ろうと思って野菜を刻んでいたら包丁でうっかり指を切ってしまった。たいして大きい傷ではなかったけど血が出てきてホストマザーに絆創膏をもらった後もパニック状態のようになって脈が速くなって貧血を起こしてベットに倒れこんで数分は動けなくなった。前はこんなことがなかったのに怪我をすること自体がだんだん非日常になってきているからかもしれない。毎日野球をしていたあの頃の方がよっぽど血を流していたはずだが

          #56|17 2020年9月8日 情

          #55|16 2020年9月7日 ある視点

           MとMの友達と映画を見に行く約束をしていたのでそれに合わせて身支度をしていた。トイレに行って用を足して流そうとするといつもよりも水量が確実に少なく、流れ切らなかった。そういえばトイレに入った時からタンクに水を供給している音が聞こえていた。直前に同居人が使ったのだろう。このトイレはタンクに水が溜まるまでかなり時間がかかるようで、2分ほど待ってもう一度流してみたが水面が少し揺れるだけだった。同居人は使ったばかりだと思われるのでとりあえず何も言わずにまず先に着替えることにした。部

          #55|16 2020年9月7日 ある視点

          #54|15 2020年9月6日 下手な歌と意外な歌

           しし唐を3つに輪切りにする。この国のしし唐はなぜか大きい。詳しくは調べてないけどもしかしたらピーマンなのかもしれない。そもそもピーマンとしし唐の違いって何だろう。フライパンに油をひいてしし唐を乗せる。皿に既に切られたサニーレタスやオオバコのような味のする葉を袋から取り出して乗せる。トマトは残してもサランラップにくるんだりしないといけなくて面倒だから8等分に切って1個分を全部皿に乗せる。しし唐の片面に焼き色が着いたら裏返してベーコンを3枚同じフライパンに乗せる。脂が跳ねるので

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          #54|15 2020年9月6日 下手な歌と意外な歌

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          #53|14 2020年9月5日 野菜生活

           口内炎ができるといつも母親が「野菜不足だ」と言っているのが思い浮かぶ。左上に1個と右下に1個ある。明日はまた日曜だから今日のうちに買い物に行くことにして、重い体をなんとか重力に逆らわさせた。最近始めて行ったスーパーに行って生野菜をいくつかとドレッシング代わりのバルサミコ酢などを買った。ドイツのホームステイ先でサラダにオリーブオイル、バルサミコ酢と塩だけをかけて食べているのを見てから真似することが多い。簡単だし、なによりも飽きない。健康的な気もして気に入っている。  Mが映画

          #53|14 2020年9月5日 野菜生活

          #52|13 2020年9月4日 政治的食事法

           最近野菜を全然食べていないな、と思いながら朝食代わりのピスタチオの殻を剥く。たまに臆病なやつがいるが、無理やり引きずり出しても大抵は塩味がついていないしあまりいい味がしないことが多いのでそのまま逃がすことにしている。3日程かけていた袋を空けてから銀行へ行くことにした。N大学と提携している窓口は1ヵ所しかないので口座を開設したのと同じ所へ向かう。入り口の外に2、3人並んでいた。かなり小さい事務所なのでそういうこともあるか、と待っていたが20分ほど待っても全く列が動かない。後ろ

          #52|13 2020年9月4日 政治的食事法

          #51|12 2020年9月3日 ぬるま湯

           そろそろ食料の買い出しに行かないといけないな。そう思いながら戸棚を開ける。目分量で1食分だけ残しておいたフェットチーネがあったのでなんの芸もないが、またジェノベーゼを作ることにした。小さめの鍋に水を入れて火にかける。火にかけると言ってもIHなので電源を入れる、と言う方が正しいかもしれない。温まるまで時間がかかるのでいつも先にお湯を沸かし始める。にんにくを刻んでオリーブオイルで火を通す。お湯が沸いたので塩を入れる。この時、入れすぎたためにかなりしょっぱくなってしまうのをまだ知

          #51|12 2020年9月3日 ぬるま湯

          50|11 2020年9月2日 2700K

           1杯の水を飲んで、朝というか、昼から1日が始まった。久しぶりに酔ったな、と脱ぎ捨てた靴を見て起き上がった。帰ってきてから手を洗ってなかったことに気が付いたが、あんなに酔った状態ではあの暗い廊下をまともに歩けたとは到底考えにくい。寝癖もついているししばらくクローゼットで使われていなかった毛布を布団代わりに使っているので全身毛糸だらけだ。同居人たちに鉢合わせないことを祈りながら台所の冷蔵庫へ牛乳を取りに行く。机の上に置いているパンとチョリソーの軽食コンビをわしわし食べる。牛乳が

          50|11 2020年9月2日 2700K

          49|10 2020年9月1日 夜を泳ぐ

           靴下を履くのが面倒だったので下駄風のサンダルを引っかけて昼過ぎに電球を買いに出かけたが、あてにしていたデパートにはなぜか無く、他の店は夕方まで閉まっていたので旧市街を散歩するに留まった。いつもは音楽を聴きながら歩くことがほとんどだったが、すれ違う人や信号待ちの人たちの会話を少しでもスペイン語の聞き取りの練習代わりにするためにここ数日はイヤホンを使うことがめっきり減った。よさそうな電気屋は5時まで開かないので一度帰って昼飯を食べてから再戦することにした。相変わらず天気もいいし

          49|10 2020年9月1日 夜を泳ぐ