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#シロクマ文芸部
りんご箱の妖精 #シロクマ文芸部
「りんご箱の妖精がもうすぐきてくれるわ」
「ハイハイ、そうですねー」
部屋の中から声が聞こえてくる。
「こんにちは」
ドアを半分開けて挨拶すると、看護師がテキパキと仕事をしていた。
「もう終わりますから待っててくださいねー」
そう言われしばらく部屋の外で待っていると、看護師が出てきて声をかけてくれた。
「お待たせしました。春子さんのお孫さん?」
はいと答えるとニコッと笑って話し始めた。
「おばあ
【短編小説】凛とした秋の空
「秋が好き‥‥」
後ろの席で机に突っ伏して寝ている秋に向かって、聞こえるか聞こえないか位の小さな声で空がささやいた。
「2人とも、まだいたの?」空が驚いてドアの方を見ると、隣のクラスの凛がのぞいていた。
「あ、うん、秋が寝ちゃって‥秋、凛が来たよ」そう言って肩を揺すると、秋は体を起こし眠そうにあくびをした。
「もう部活始まってるよ」凛がそういうと秋は伸びをしながら立ち上がった。
「今日は外走る