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『汝、星のごとく』凪良ゆう/著【生産的読書ノート記録5冊目】モヤモヤも書き出せばスッキリ!

こんにちは、ブックランドフレンズさんのオリジナル読書ノート「生産的読書ノート」 の普及隊長、accoです。

▼生産的読書ノートとは?

読書の記録だけではなく、自分から湧き出てくるものを書き出し、行動に移すための読書ノート。あなたの読書が劇的に変わります!詳しくはこちら↓

順番が前後しますが、先に5冊目の読書ノートを公開!それはこちら……、

表紙が息をのむような美しさ!

凪良ゆうさん著『汝、星のごとく』

ブックランドフレンズさんの本の注文ページで見かけて気になり図書館に予約していたもので、だいぶかかって回ってきました。
前情報なく、「2023年本屋大賞受賞作」ということだけで読みましたが………、

しんどい!

このしんどさ、重さ、モヤモヤを抱えきれなくて、思わず夜中にペンをとり読書ノートにぶちまけました。
書き出すことで、くっきりと見えてきたものが。それはいったい……!?


1. まずこの本のご紹介

瀬戸内のとある島で育った暁海と、京都から転校してきた櫂の、17才から始まる物語。
どちらも問題ありの親を抱えた、いわゆる「ヤングケアラー」。
その過酷な運命ゆえ、強くならざるを得ない、非力で逃げ場のない子どもの状況や心情が丁寧に描かれています。

というわけで、終始、重たーーい荷物(親)を背負わされ、弱く身勝手な親に振り回されている気分を、これでもか!というほど味わわせてくれる小説です。

………そりゃ、しんどいですわ!

また、想い合っている二人が、いろんな状況が重なってすれ違っていく様がなんともリアルで、歯がゆく切ない。
同じシーンをそれぞれの目線で描いたりもしているので、この発言はこういう背景があったのね、など知れて、より「すれ違い感」が増します。
どっちの気持ちも、わかる、わかるよおばちゃんは…、でもね…!、という感じ。

そんな、なかなか辛い気持ちになる小説ではありますが、全体的に表現が繊細で美しく、オートクチュール刺繍の煌めきや瀬戸内の穏やかな海、大空に輝く星や花火の美しさに、心が救われる思いがします。

2. 私の読書ノートを公開

今回は、気になるところに付箋を貼りながら読み、あとでまとめるという形式にしました。このやり方だとこれまでよりだいぶスピーディーにまとめ終わりました!
「なんやねん、このしんどい小説は!」と思いながら読んだにしては、すごい付箋の量に。

ノートはこんな感じになりました。(一応ネタバレしないように白を入れてますが、未読で気になる方は薄目でご覧ください)

小説の紹介はどこまで白を入れたらいいかが難しい
引用は「青」で。ネタバレしたくない人は読まずにスルーしてね

左ページと無地ページのメモ欄は、ざっくりと感想メモと、いいなと思った言葉を青字で引用。
こうしておくと、あとあと「あの本どんな内容やったっけ」とか「あの本にいい言葉あったよな」と思った時に、このノートさえ開けばすぐに思い出せそうです。

読みながら感じていたモヤモヤは、書けば書くほどにどんどんスッキリしていきました。
書き出すこと、言語化することって、すごい作用があるんですね…!

私はやっぱり、精神的にも経済的にも自立していない、だらしない親のために子どもが犠牲になっている姿を見て強く怒りを感じたし、こんなことを「ヤングケアラー」なんていう軽い横文字ですませてはいけない、これは「虐待(少なくともマルトリートメント)」ではないのか、もっと大きくフォーカスされるべき大問題だ、と憤っていたのでした。
(※もちろん実際には様々なケースはあるかと思いますが、あくまでこの本に描かれていたケースを見て、の感想です)

一方でこの物語には、そんな非力な二人を救い、導く、自立した大人たちも出てきます。
彼らがとても、格好いい!凛と背筋が伸びている様が目に浮かぶようです。
私は彼らのように強く大きな大人になりたいと思ったし、同時に、まだまだここまで凛と自立した大人にはなりきれていないなぁとも思ったのでした。

3. 「8マス」に書いたものは……

……とこのように、内側からいろんな気持ちが湧き出て止まらなかったので、思いつくままに「8マス」のアウトプットエリアに書きなぐっていきました。

モヤモヤを書きなぐってスッキリ!

一番に出てきたのは「①私は絶対に自立した人間でありたい!」
この本のテーマは「自立」だと思うのですけど、経済的にも心理的にも自立した強い人間になりたい、と強く思いました。
自分が自立するのみならず、「⑦子どもや弱い立場の人が困っている時に、手を差し伸べられる強さや経済力やゆとりを持つ、大きな人間になりたい」とも。

そしてそれは、自分が親の立場として見てみると、「②私は子どもの荷物になる親にはなりたくない!」となります。
とはいえ、子どものために自分のやりたいことを犠牲にしたりするのは、違うと思うのです。私と彼らは別の人間なので、私は自分の人生を懸命に生きる。
例えばそのせいで、彼らに悲しい思いをさせてしまうことはあるかもしれない。でもそんな時も、「私が自分で自分を幸せにしている」その姿を子どもに見せることはできる。そうすれば少なくとも彼らの重荷になることはないだろう……、そんなことを思いました。

そして、想い合っているのにすれ違う二人を見てふつふつと沸き上がったのが、「④自分の気持ちは、大切な人にはちゃんと隠さず素直に伝えなければならない!」
奇しくもちょうどこのタイミングで、私自身、ある人に対して言いたいことを少し抑えてしまっている、ということがあったのですが、この本を読んだおかげで想いを正直に伝えることができ、すれ違いを防ぐことができました。
この本と、この読書ノートに、感謝!

あとは軽いもので言うと、「⑥刺繍は好き。自分を無にすること、日常に取り入れてみたい」
本書の中に「リュネビル刺繍」という、初めて耳にする刺繍が出てくるのですが、それをネット検索で見てみたところ、夢のように美しい……!
ビーズやスパンコールなどを使ったとても繊細な刺繍で、すっかり虜になりました。

私はもともと、刺繍は見るのも、するのも大好き。
もくもくと手を動かして何かを作り上げるということが、とても好きな性質なのですが、あまりに忙しすぎてそんな時間はずっと長いこと取れていません。
でも例えばハンカチの隅に少し刺繍してみるとか、そんな小さな手作りの時間でもいいから、日常に取り入れられたらいいかも……と思いました。

4. 私が「一番大切」に選んだもの

そして、私が「一番大事にしたいこと」に選んだものは、一番最後に出てきた「⑧自立した、凛とした女性になりたい」です。
まぁ、①と被ってはいるんですけれど、改めてそう感じましたということで。

そのために私に足りないものは、「覚悟」なのかな、と思いました。まだまだ甘えや依存心があるなと思います。
経済的な自立も、子どもがまだ小さいとはいえ、非常に心許ないレベル。

この本の中にこんな言葉がありました。

「いざってときに誰に罵られようが切り捨てる、もしくは誰に恨まれようが手に入れる。そういう覚悟がないと、人生はどんどん複雑になっていくわよ」

『汝、星のごとく』P.93

「自分で自分を養える、それは人が生きていく上での最低限の武器です。結婚や出産という環境の変化に伴って一時的にしまってもいい。でもいつでも取り出せるよう、メンテはしておくべきでしょうね」

『汝、星のごとく』P.292

このあたりが、ガツーン!と刺さり(著者がこの本で伝えたい大事なメッセージだとも思います)、しっかり自分の武器をメンテしなくては…!と襟を正された思いがしました。

というわけで、8マスの真ん中の「理想の未来のイメージ欄」には、「自分の足で、凛と立つ」として、背筋を伸ばしてピンと立っている姿を描いてみましたよ。
強く、優しく、自由で、他者をも助けられる力を持った、そんな女性になれたらいいな……!と願って。

5. まとめ

あまりに救われない登場人物がいて、「こんな話があっていいものか!」と憤りましたが、それだけ心を揺さぶられる小説だったのだと思います。
親に依存される重たさや絶望を疑似体験のように味わわされ、自分の幸せは自分で覚悟を持って選び(切り捨て)、つかみ取るものなのだ、ということを教えてくれました。

何より、「自立すること」「気持ちを正直に伝えること」など、今の自分へのメッセージが込められていたようで、今出会うべくして出会った小説、今読むべき小説だったのかなぁ、なんて感じました。

本との出会いも人と一緒で、何かに導かれているように感じる

というわけで今回は、小説を読んでモヤモヤが残って苦しい時にも、このように吐き出せばスッキリできるよ!そしてやはり「こうなりたい」という自分がくっきり見えてくるよ、という「生産的読書ノート」レポでした!
続編も出ているようなので、また機会があれば読んでみたいと思います。

6. 読書ノート最後の欄より

【この本をひとことで表現するなら?】
ろくでもない親という荷物を背負わされた二人の男女が、もがきながら自立していく物語。人生とは選ぶこと。すれちがいによる別離が切ない。

【紹介したい人】
自立したい人

7. ご注文・詳細はこちら

ご注文はぜひ、以下の「ブックランドフレンズ Online Store」から。
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全国からお客さんが来る書店。喜多川泰さんの小説「福に憑かれた男」のモデルとしても有名


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