東京男子図鑑:港区ハイスペ男子とバツイチ女③最終話(本気?それとも遊び?)
私が離婚してから、31-32歳で出会った男性たちを赤裸々に紹介するシリーズACCOの【東京男子図鑑】。
全て完全ノンフィクションである。
本連載の巻頭を飾っていただくのは、港区ハイスペ男子ユウトさん(39)
愛車のベンツと高級タワーマンションのご自宅訪問という”まさかの展開”から始まった私たち。(第一話)
乃木坂の素敵な和食店で、完璧な彼のトークと振舞いに、惹かれそうな反面、冷静な自分も、、(第二話)
第三夜(最終話)は、デート二軒目からその後、、だ。
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一軒目で会話はかなりはずんだ。
初対面のデートが盛り上がったことは、もちろんこれまでにもある。
それでも、このレベルの男性に、車・家まで見せてもらった挙句のこの展開だ。さすがに初めてで、正直なところ、少々浮き足立ち気味である。
和食店からタクシーで移動した先は、六本木の路地裏にあるバーだった。
薄暗い、少し狭めの店内。
先客は中年のビジネスパーソンが数組いる程度、ギラギラ感も浮ついた感じもない大人の店。
ユウトさんとはウイスキーを飲んだ。
「やっぱり食事の好みが合って、お酒飲める子がいいよね。」
「今度はどこ行きたい?(何食べたい?)」
「仕事は忙しいけど、付き合ったら週1は時間つくるよ!」
「海外、今度一緒に行く?(笑)ACCOちゃんはパスポートと水着だけ持ってきてくれれば、あと手ぶらでいいからね(笑)」
どこまで本気で、どこからセールストークなのだろうか。
ちなみに、この時点でボディタッチは一切ない。
よくある、一軒目を出た後から手をつなぎだしたり、やたら腰回りを触り出すあれね、、(キモくなければ無しではないが、やはり初対面だと少し、、)
会話でドキドキさせてくれるのは嬉しい。
23時も過ぎ、バーを後にした。
なんとなく想像はついていたが、バーから歩きながら向かった先は、やはりユウトさんのマンションだった。
ー そうだよね、やっぱりさっきのお店、家の近くだよね(笑)ー
「ウチ行こ〜♬」
ここで初めて、手を引かれた。
”行っちゃおっかな〜?♡”と、思った。
今日はすごく楽しかった、明日は休み、断る理由がない。
しかし、だいぶ酔いは回っていたが、冷静に反応した。
「もう少し仲良くなったらね♡」
「え〜!来ないの?」
「うん♡」
ここでしつこく誘わないあたり、ユウトさんは紳士だった。
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終電にほど近い日比谷線の中、”これで良かったのかな?”という想いがほんの少しよぎる。
初対面で誘う男性を、私は別にNGと思っていない。
お互い楽しかったなら、そのような展開が悪いとも思わない。
むしろ、誘われないのは悲しいくらいだ。(女って面倒だ、、誘ったら断るし、誘われなかったら残念がるって、、笑)
まぁでも、進展する可能性があるとしたら、今日は行かない方が良かったよね。
そんな結論だった。
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それから数日、少しユウトさんのことを考えていた。
これは恋…?それとも、港区男子という未知の生態への好奇心か…?
ユウトさんは、会った数日後から2週間海外に行くと聞いていたので、進展がないことはわかっていた。
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数週間後、帰国したユウトさんから連絡があり、また食事に行くことになった。
私が「お鮨食べたい!」と言ったのを覚えてくれていた。
自分では行けないようなお店で、また、”おまかせ”とともに日本酒をいただく。
会話は相変わらず楽しい。
でも、前回と違うのは、さらに冷静になった私がいたこと。
やっぱり私、この人が好きなのではなく、この人が見せてくれる世界に興味があるのだと。
付き合おうが、遊び相手になろうが、いずれにせよ”知らない世界が見られる”ということは魅力的だ。
私が知らない素敵なお店、高級マンション、ベンツ。
しかし、見慣れてしまえば、いずれその世界にも興味がなくなってしまうだろう。
ユウトさんが私をどう思っていたかはわからないが、本気なら、もう少し別のアプローチがあっただろう(笑)
自ら積極的に、遊び相手にならなくても良い。
完全に未知の世界で生きる彼を、私は憧れと好奇心を重ねたフィルターで見ていた。
一瞬、港区男子の世界を見せてくれたユウトさんには、今も感謝している。
<完>
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