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ACCOの東京男子図鑑:GAFA男子

GAFA ーGoogle、Apple、Facebook、Amazonー

現在、世界で最も影響力のあるIT企業4社。

今をときめくこれらの企業で働く男性は、いったいどんな経歴・価値観を持ち、どんなデートを繰り広げるのだろうか?

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私が離婚してから、31-32歳で出会った男性たちを赤裸々に紹介するシリーズ「ACCOの【東京男子図鑑】」。

今宵も全て完全ノンフィクションでお送りする。

港区ハイスペ男子ユウトさん(39)、愛人探しの丸の内おじさん、松嶋さん(47)に続き、今回ご紹介するのは、、GAFA勤めのハヤトくん(29)だ。

ハヤトくんと出会ったのは、マッチングアプリDineである。

このアプリは、「100回のメールよりも1回のデートを」をコンセプトに、デートにコミットした出会い系アプリだ。

レストランと共にオファー(いいね!)がくる。

メッセージのやりとりなく、まず、会う日程を決める仕組みになっている。

結局会って話してみなければ何もわからないので、私はこのアプリのコンセプトをとても魅力的に感じている。

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ある日、私に一通のオファーが届いた。

外資系IT企業に勤めるハヤトくん(29・東大大学院卒・身長未記入・年収1200万円以上)から、ミシュラン2つ星フレンチの店でのディナーのお誘いだ。

一瞬驚く。

このクラスのお店を提示されたのは初めてだ。

初対面の女性と、こんなお店でディナーって、、彼は大丈夫なのだろうか?

正直、顔写真を見る限り、あまりタイプではなかった。(どことなくフェミニンな印象を受けた)

その上、身長を最重視する私にとって、身長未記入というのは”リスク”であった。書かないということは、おそらく高くはないのだろう。

その点が引っかかってはいたものの、彼の生態(初対面の女性をミシュランの店に誘っちゃう、東大院卒のちょいフェミ男くん)への好奇心が勝った。

そして、やはり良いお店を提示された時の丁寧に扱われている感覚というものは、何にも替え難い心地よさがある。

そんなゲスい自分が全開になる。


彼と食事に行ったところで、男女の関係に発展する可能性は限りなくゼロに近いだろう。

いいのかな、、このオファーを受けて、、


ほんの少しの罪悪感と、それを上回ってしまった好奇心。


日程調整をしたところ、早速翌日会うことになった。

そう、この「デート」こそが、私のアプリ出会い体験史上最も苦い思い出となるのだった。

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ミシュラン2つ星のフレンチでディナー、、

何を着ていこう?

この時感じていたものは、ハヤトくんに対するドキドキではなく、慣れない高級レストランに行くことに対するソワソワ感だった。


直接お店で待ち合わせにしていたが、そこに現れたのは、予想通り、少しフェミニンな感じのする男性だった。

スーツではなく私服。

かなりカジュアルだ、、大手日系企業ではあまり見かけない、アメリカの大学生のような印象を受けた。

身長は想定通り、高くはなかったが、驚くほど低くもなかった。(ホッ♡)


今日は正直、デートという気持ちでは来ていない。

ハヤトくんがこれまでどんな人生を生き、どんな仕事をしているのか、、

ある種、取材のような気分であった。

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よく考えたら、フレンチの高級店に来るのは初めてだった。

客数に対して圧倒的に多いスタッフの数。

ある意味サービスが行き届きすぎ、まるで監視されているかのようで居心地が良くない。


初対面の年下男性とミシュランのフレンチ

店員に監視されながらの”取材”


何この構図(笑)

いや、でもそれを選んだのは、紛れもなく私自身だ。

謎の葛藤を感じながらハヤトくんと会話をする。


ハヤトくん、相当な高学歴だったと記憶している。

開成高校か灘高校の出身で(◀︎東西真逆にもかかわらず、その記憶さえぶっ飛んでいる。この時点でもう、私らしくない)、東大理Ⅰ→大学院(博士課程)→アメリカの大学へ留学(シリコンバレー方面)→GAFA(の一つ)


もう、何も言えないパーフェクトな経歴。

このレベルまでいくと、女性には一体何を求めるのだろうか。

今振り返れば、お得意の直球で聞けば良かったのだが、店の雰囲気と彼の経歴に圧倒され、普段ならサラッと聞くであろうことも聞けなくなっていた自分。

これほどの経歴であるにもかかわらず、決して威圧感や他人を見下した様子などはなく、物腰は柔らかで、育ちの良さを感じさせた。

そして、相当の美食家だということも、話していてよくわかった。

食を芸術と同じ感覚で捉えているように感じた。



この日、何よりも私を混乱させたことは、彼がこのようなアプリを利用する目的(本心)が見えなかったことである。

①彼女・結婚相手を探しているのか?

②遊び相手を探しているのか?

③美食仲間を求めているのか?

中性的な雰囲気を醸し出す彼からは、①まして②とは思えなかった。

会話上は、「恋愛に発展するもよし、別にそうならなくても食事友達ができるのも嬉しい」と言っていた。

つまり、①もしくは③だが、ハヤトくんは今までアプリで出会った男性と全くタイプが異なるのだ。①って本当?仮に③だとしても、初対面の女性とこのクラスの店に来るだろうか?彼に何のメリットがあるのだろうか?

ー ACCOはこんらんしている! ー


その後も私は、こんらんしたままだった。

そんな私の頭の中は、だんだんお会計のことでいっぱいになってきた。

これはさすがにお支払いした方が良いだろうか。

アプリ上の表記は「おごります」になっていた。

でも、オーダーしたコースは食事だけで一人2万円を超えていたし、ワイン等でおそらく二人の会計は6万円程度であったと思う。

かと言って、支払うにも少々勇気がいるお値段。


好奇心から来てしまったものの、彼にとって何のメリットがあったかもわからないこの場で、おそらく6万円を超えたであろうお会計、、

脳裏に搾取という言葉がよぎる。

あーーーーーこれ、この間反省したやつと似ている。。(愛人探しの丸の内おじさん、松嶋さんとの2回目のデート)


人は、自分にメリットがなければ行動しない。

そう、これは心理学上証明されている事実。


メリットを感じて動くのは人間の本能。

時にそれはwin-winの関係をもたらす。

一方、ほんの少しでも、メリットの背後に搾取の概念がチラついた時、一気にうまくいかなくなる。

そもそも私、ハヤトくんが提示した店がミシュランの店でなければ、彼と会うことはなかっただろう。

後に残ったのは罪悪感のみ。


あーーーーーーーーーーー

記憶≒お会計でしかなかったデート(いや、取材?)なんて、さすがに初めてだ。

お会計後、ハヤトくんとは”爽やかに”お別れしたが、もちろん以後連絡は取っていない。

いや、怖くて取れない、というのが本音だ。

どんどん罪悪感自己嫌悪が大きくなっていく。

切り替えが早くて楽観的な私が、未だこの記憶を少々引きずっている。

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GAFA男子というタイトルにしたが、決して4社で働く男性が皆こう(不思議な美食家・謎の目的でアプリ利用、、)と言いたいわけではない。

いや、むしろ私の体験(本心がわからない男性とミシュラン・ご馳走になって罪悪感と自己嫌悪)は、極めて珍しい一例だと思う。


ということで、新たなGAFA男子図鑑を増やしたいな〜♡


・・・というのは嘘。


あの日以来、誓ったことはただ一つ。

”純粋な気持ちではない何か”があるなら、デートはしない。

好奇心が昂じるのはかまわない。

それが私だから。

けど、純粋な好奇心とは違う、”メリット”を通り越した何か(搾取)”の予感があるなら、それは赤信号。


自分の気持ちに素直に生きることは、いつだって大切にしたい。

でも、それをこじらせるとイタい思いをする。


他人を通して、結局また、自分と向き合うことになるなんて。

苦い体験は一度きりでいい。


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(この一件が理由ではないが)出会い系マッチングアプリを手放して早一年。

至極平和だ。

純粋な気持ちで「デートしてみたいな」と思う人がいたら、そろそろまた行動しても良いかもね。

もう、失敗は繰り返さない。


<完>

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