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ベランダカフェバーの夜 #呑みながら書きました

先日、彼と呑みながら話したことを呑みながら書こうと思う。ちなみに呑みながら話したと言っても居酒屋ではなく家のベランダ呑みで、だ。

話の流れをわたしがどう持って行ったのかは全く覚えていないが、友だちの話や仕事つながりの友人の話、元配偶者の話、名前の話、なんだかいろんなことを話した気がする。

仕事以外の関係性の場合、彼は仕事の話を一切相手にしない。わたしと知り合ったときもそうだった。自分が何の仕事をしているか、仕事で関係ない人間に話したとて、仕事に何も影響がないからだ。わたしは一応マッチングアプリで知り合った手前、怪しい者ではないことを伝えたかったので、こっそり名刺を彼のハンカチに忍ばせて伝えたが、彼が今の職場で何をやってるのかを詳細に知ったのはかなり後のことだ。

彼は、人に対する興味がとても薄い。人事や労務をやっているせいかもしれないが、自分自身を含めた「人」に対する興味が極度に薄い。その理由はただ一つ、考えたとて何も変えられないし、何かを矯正できるものでもないからだ。彼が興味があるのは、その場で感じていることのみ。

彼の名前はとても珍しい苗字だ。名前の方の漢字も珍しいほうだ。名前自体はありがちだけど。彼は、なんで自分の苗字がこれなんだ、と遡れば幼い頃から思っていたそうだ。そのせいで揶揄われることもあった、と。今だとそれもいじめとかになるんだろうけど、それに屈しない子どもだったから、と彼は軽やかに話していた。苗字はずっと嫌いだったけど、仕事のクライアントに「キレイな苗字ですね」と言われた時、そんな捉え方があるのかと初めて嫌いから解放された、みたいなことも言っていた。

人について追求し始めると、自分のことですらこうなる、と。なぜこの親から生まれてきたのか、と言うところにまで考えが及ぶ。そんなこと考えたって何も変わらないのに。

だから、自分がその時々で何を感じどう選択するかが大事で、その内容についても振り返って後悔はしない、と。後悔したってその日に戻れるわけでもないし、やり直せるわけでもないから。

人から相談されることは、やはり彼の人柄的に多いようだけど、残念ながら彼はほぼその話を聞いていない(笑) 最近は話される前に「俺にどうして欲しいの?」と先に聞くらしい。でも正しいと思う。
悩みなんて、人に話す時はほぼ結論が出ていて、背中を押して欲しいだけだったり、引き止めて欲しいだったり、なんかそういうものなのだ。あとはただ聞いてくれればいいだけの時だってある。人は自分の出した結論に対していつも自信があるわけではないからだ。

わたしもそのあたりは非常に同感で、だからあまり悩みも人には話さない。悩みではなく愚痴を聞いて欲しいときは、愚痴りたいから聞いて、と言う。
さすがに彼のように人から相談されてるのに話聞いてないなんてことはないが、相談されたとて、必ず最後に「決めるのはあなただから」と、選択肢を思いつく限り言うことぐらいまではする。でも正直、心の中で「答え出てますよね?」と聞いているときもある。

「彼は人に対して興味がない」と書くと、人としてどうなの、ってなってしまうが、彼は人のとる行動や選択に興味があるわけで、実はそれこそが「その人とナリ」が凝縮されているポイントでもあると思う。それが合うか合わないか、合うと感じてかつ心地いい相手と時を過ごず、そんな日々を繰り返しているのが彼なのだ。どれだけこの人は自分に対するコスパがいいのだろう、と呑みながらも感心してしまった。

この流れで、彼に少しだけ昔の話をした。そうしたら彼は言い放った。

人殺したことありますとか、クスリやってました、みたいな犯罪系なら、さすがに大丈夫か?となるけど、そうじゃないレベルの話なら「で?だから何?」って感じやな。今が大事やから。

この人となら、このままでずっと毎日楽しく過ごせる。そう確信できた夜だった。

#呑みながら書きました

#あの会話をきっかけに

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