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スイート・ホーム

「鯖街道」

若狭国、現在の福井県小浜市から、京都府京都市左京区の出町柳商店街に至る道「若狭街道」の事を指すそうだ。

更に言えば、現在の福井県嶺南地方から京都を結んだ街道全てを「鯖街道」という。

自動車や鉄道が普及する以前の話。

この街道で日々、色々なモノが京の都に運ばれていた。

若狭で取れた魚介類もこの街道で運搬されて京都に運ばれてたそうで。

その中で鯖も含まれており、主として運ばれていた魚介類の中で、割合が多かったのが鯖であったことから「鯖街道」の名がついたそうだ。

鯖は傷みやすい魚。

放っておくとすぐに傷んでくるのでどうしたものか…。

冷凍技術のなかった昔、行商人は日本海で採れた生鯖を塩で〆て陸送していたそうで。

京都に到着するのは大体丸一日。

到着する頃には良い塩梅の塩加減となっていたそうだ。(Wikipedia参照)

京の都は内陸にあり、周りが山に囲まれた盆地地帯。

なので若狭から日々運送される海鮮の幸達や、サバは大変重宝されたでしょうね。

現在でも京都市内では「鯖寿司」を名物として取り扱っているお店がある。

検索すると色々と出てくるもんで、いかに文化としてその昔から馴染んでいたのかが伺えるような気がしてならない。

うん、こんなこと書いていると鯖寿司食べたくなりますね。

そうでもないですね。

ちなみにサバは秋から冬が脂がノッて美味しいと言われる。

なので鯖寿司の美味しい季節はその頃だそうだ。

先人の知恵が詰まった最高の御馳走ともいえるのではなかろうか。

さて…

鯖街道の若狭側の終点小浜市。

ずっと以前に釣り好きの知り合い達と朝早くに落ち合い、その周辺まで釣りに出掛けたことがある。

釣りに関して全くのド素人だった自分。

友人達に誘われるがまま、何となく楽しそうなんでついていった。

朝早くの開放的な雰囲気と海が見たい…。

そんなことも考えてたな。

行ったのは2008年のこと。

アメリカ大統領選のあった年だ。

勝ったのはオバマ大統領。

小浜市とオバマ氏。

一時話題になりましたよね。

「Yes We Can!」

一時話題になりましたよね。

全く釣りをやったことがなかった自分。

友人達はどうにかなるよ!

っと言っていたな。

ここはいっちょ…

「Yes We Can!」

ってな感じで釣りに挑んでみた。

「オー・マイ・ガッ!!」

甘くはなかった。

そんなことはどうでも良いですね。

確か小浜市内で鯖寿司を提供しているお店があって、釣りに行った際に昼ご飯を食べた記憶がある。

食した時のその美味しさたることよ。

これが一番思い出に残ってたり。

時は2024年。

前述したオバマ大統領時代に副大統領だったバイデン大統領と、トランプ氏との一騎打ちと言われる大統領選が行われようとしている。

政治的なことをあまり書くとアレなんで、書かないがあれからもう四年が経つんですね。

早い。

さらに言うならオバマ大統領が初めて就任してからもう一五年経つのか。

早い。

就任式には確かビヨンセとか出席してたっけ。

「カウボーイ・カーター」

グラミー賞取りそうですね。

そしてお笑い芸人さんのノッチがオバマ氏に扮してましたよね。

「イエス・ウィ・キャン!」

懐かしい。

オバマ氏はイリノイ州議会上院議員として活動してから、大統領となったわけだ。

それが2008年。

自分の中では小浜市とオバマ大統領の年だ。

イリノイ州といえば、シカゴ。

オバマ氏はシカゴに転居していたこともあったそうで。

シカゴの法律事務所で奥様、ミシェル氏と出会ったそうで。

何となくオバマ氏とイリノイ州、そしてシカゴの縁の深さが伺い知れる。

シカゴ。

何だっけ。

noteで募集している題材で「一度は行きたいあの場所」ってあったな。

まさしくシカゴがそれだ。

「ヘイ シカゴ!!」

「Go Cubs Go!」

そんな大胆な入団会見を行い、喝采を浴びた今永昇太投手。

チームがイマイチ波に乗れない中、圧巻のピッチングを見せている。

凄いですね。

防御率一点台って。

並みいる強打者相手に、チームを鼓舞するかの如くマウンドに立つ今永投手。

その快刀乱麻を現地で、自分の目で直に見たみたい。

他にも鈴木選手やベリンジャー選手、スワンソン選手などが所属するシカゴ・カブス。

現地で観戦してみたいものだ。

そしてシカゴといえば自分の中では「シカゴ・ブルース」。

多くのブルース・マンやジャズ・マンが各地からシカゴに移住し、シカゴの音楽シーンを盛り上げてきた。

今よりもマシな生活ができて、風向きも変わるさ。

ブルースのスタンダード・ナンバー「Sweet Home Chicago」

色々なミュージシャン達がカバーしているが、有名なのがやはりブルース・ブラザーズかな。

ゴージャスですね~。

聴いていると明るい気分になりますね。

そのブルース・ブラザーズがオマージュを示していたと言われるのが、マジック・サムがカバーしたバージョン。


冒頭の複音フレーズから、小刻みに聴こえる印象的なギター・フレーズ。

そして「カモ~ン!!」っとサムの歌い声が聴こえてくるわけで。

こちらもこちらで良いですよね。

自分は大好きです。

基本的に南部人にとっての北部都市への移住、それに伴う夢や希望が含まれた曲であり、ブルースでもある「Sweet Home Chicago」。

経緯を辿ると同時に、その歴史に対して敬意も持ちたい。

憧れや希望に「スイート・ホーム」と名付けられた思いみたいなものを感じてしまう。

古い場所に戻って…

あたかも故郷がシカゴのように歌われているような。

そんな思いをのせたブルースが、ブルース・ブラザーズ以降になって際立って知られる曲になったとも言えようか。

「Sweet Home Chicago」。

ロバート・ジョンソンが披露したことでも知られる。

こちらはギター一本でロバート・ジョンソンが弾き語りしているので、グッと雰囲気変わりますよね。

何だかもの悲しさを感じるというか…

このロバート・ジョンソンの件の曲はよく言われていることがあり、

簡単に言えばカリフォルニアにシカゴがあるかのように聴こえるという話だ。

どうやら歌詞がそのようになっているそうで…。

シカゴはイリノイ州ですよね。

歳月が経ち、色々な人々がカバーをするうちに歌詞の辻褄を合わせるようになり、今知られる「Sweet Home Chicago」になったそうだ。

ちなみにエリック・クラプトンは自らがロバート・ジョンソンをカバーする作品では、ロバートに対するリスペクトの意味も込めて、ロバートの歌詞を歌っている。

ロバート・ジョンソンはシカゴの位置をどう解釈していたのか…。

色々な説があるそうだが…

ロバート・ジョンソン以前には、このシカゴは別の町、インディアナ州ココモを指し示し歌われていた。スクラッパー・ブラックウェルが「ココモ・ブルース」を吹き込んだのが1928年、それより前にはマドリン・デイヴィスの「ココラ・ブルース」というのがあるが、ココモという名称は、これを自分の名刺代わりの曲としたココモ・アーノルドによって広まってゆく。ロバート・ジョンソンはココモ・アーノルドと接触もあったと考えられるので、これをシカゴに歌い変えて発表したが、シカゴがカリフォルニアにあると歌っているようにもみられ、かつてはそのことだけで大論争が起きたのだった。

ブルース百歌一望 149ページより抜粋
日暮 泰文氏著

なるほど、よく先達の曲をカバーし、自らの楽曲とするのがブルースの一つの特徴とも言われているが、ロバートは参考にしつつ、歌詞に「シカゴ」を組み込んだわけなんですね。

一つの曲の歴史と共に、色々な紆余曲折があるものだ。

そんな歴史を辿って来た「Sweet Home Chicago」はブルースのスタンダードとして定着している。

この記事で話題にあげているオバマ氏。

大統領時代、実は公の場で件のブルース・スタンダードを歌っていらっしゃるんです。

2012年2月21日。

ホワイト・ハウスで開かれた音楽イベントに出席したオバマ大統領。

ブルースが現代音楽に与えた功績をたたえるために行われたイベントで、B.B.キングやミック・ジャガー、ジェフ・ベックやバディ・ガイ、デレク・トラックスなどが出席していた。

そこで演奏された「Sweet Home Chicago」。

錚々たるメンツが歌う中、ミック・ジャガーにマイクを渡され照れくさそうに歌うオバマ大統領。

いや、上手いっすね~。

B.B.キングに合いの手を入れてもらい、歌い終わり去っていく大統領。

何だか微笑ましい瞬間でもありますよね。

イリノイ州の上院議員という経歴も持つオバマ氏。

その「Sweet Home Chicago」には短いながらも、様々な感情を込めて歌われたのではなかろうかとも思ってしまう。

一つの曲を追いかけてみると色々な背景があるわけで、面白いものだ。

一度は行きたいあの場所。

「スイート・ホーム」。

うん。
 
色々書いたが久しぶりに小浜の方にも出掛けてみたいな。

「越前」って今多分話題の地であるだろうし。(紫式部さん)

そしてやっぱり鯖寿司食べたくなってきたりして。

記事を最後まで読んで頂き誠にありがとうございます!


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