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ボトルネック

「ボトルネック」

「アレはどうなってんの?」

「いや、まだそれが…。」

「できてないの!?」

「スミマセン…。」

「スムーズに進んでいたんですが…。」

「どうもあの工程がボトルネックになってて…。」

とある会社のとある部署。

いつもの上司と部下の会話。

えっ?

こんな会話しぃひんよ!って?

まあそう言わずにお付き合い下さい。

会話の文脈から想定するに

どうやら業務がスムーズに進んでないみたいですね。

いや、スムーズに進んでいるのにとある工程が「ボトルネック」になってて、それが原因で業務が滞っているみたいですね。

ボトルネック…。

瓶の首が細くなっている部分、「ボトルネック」。

そこから派生し、ビジネス用語の「ボトルネック」は生まれた。

一連の仕事の中で、業務の停滞や生産性の低下を招いている工程・箇所のことをいう。

「あの工程はボトルネックになってるな…。」

ボトルネックという響きはオシャレな感じだが、あまり好ましい表現ではないみたいですね。

瓶の出口は細く、液体の入っているボディ部分は広くなっている。

瓶を傾けると、細くなったネックの部分から液体が遠慮がちに流れていく…。

その様子を見ていた誰かがビジネス用語にしたんでしょうね。

知りませんが。

ボトルネック…。

とある酒場での話。

「おいおい、俺の飲みかけのウイスキーボトルが割れているじゃねえか!」

「勘弁してくれよ~。一週間の唯一の楽しみだったのに…。」

どうやら自分のキープしていたウイスキーの瓶が割れたみたいですね。

可哀そうに。

割れた破片を掃除しないと…。

「そういえばこの瓶の口、bottleneck(ボトルネック)って何か微妙に指にすぽって入るんだよね。」

えっ?

会話はあくまでも想像で書いてます。

本当にこんな会話があったかは知りませんので…

悪しからず。

「本当だな。試しにそのボトルネックを小指か薬指に付けてギターを弾いてみなよ。」

そうして実際に面白半分でボトルネックを付けて、ギターを弾いてみるとあら不思議。

今まで聴いたことない不可思議な音色がギターから流れてくるではないか。

(このエピソードはあくまでも想像で書いているだけなので、悪しからず。)

酒瓶や薬瓶などをカットして使うことから始まったとされる「ボトルネック奏法」。

元はブルースギターの奏法として始まったそうだ。

「スライドギター」とも。

聴いていて凄く特徴的ですよね。

フレットを跨いでいき、一気に音が流れていくサウンドは普段のギター音とは違う魅力を放ちますよね。

「ブワ、ブワ~!…」
「ギュイン、ギュイン~」

っみたいな感じ?

表現が稚拙?

まあ良いじゃないですか。

スライド奏法…。

指にはめるスライドバー(金属製のものや、陶器、ガラス製のものなど)を、滑らせて鳴らす奏法。

憧れますよね。

いや、自分だけかもしれませんが。

たまにやってみたくなるんですよ。

じゃあやってみたら?

ごもっとも。

スライドバーはある。

ギターは昔々に買った一本目のアコギを使おう。

やべ、初代アコギの弦を全然変えてないや。

すげえ鈍い鉛を鳴らしているような音がする…。

すまなかった。

そこから弦を張り替えると、チープながらもくっきりとクリアな音が流れてくる。

普段使ってないからってたまにはメンテナンスをしないといけませんね。

さあ、スライドだ。

何を練習しよう。

やはり、ここはスライドギターのスタンダード…

エルモア・ジェイムズの「ダスト・マイ・ブルーム」か。

「ダスト・マイ・ブルーム」

色々なアーティストがカヴァーしている有名曲。

3連かき鳴らしでぐわんぐわんと攻め立てるようにして弾く、ブルースのスタンダード。

本来はエレキで。

空間を縦横無尽にぐわんぐわんとスライド音が飛び交っていく。

そこに迫力があり、また肝でもある。

「ダスト・マイ・ブルーム」

家を引き払う、その場を去る、という意味だと言われている。

ようするにどっかに出て行ってしまうんでしょうね。

一番惚れた女のもとを立ち去る…。

あいつとは朝起きたらおさらばさ。

いやいや、この全てを捨てて旅にでも出ようか。

まあ、何にせよ彼女とは終わりさ…。

男と女が別れる時、あのスライドギターが鳴り響く。

立ち去っていく様子と心情が、スライドギターの調べに籠っているわけなんですね。

切ないけど、迫力満点ですね。

勢いつけないと立ち去れないんですね。

それだけ好きだったんでしょうね。

まあ、それは良いとして件の曲は「オープンD」チューニングでよく弾かれる。

6弦D
5弦A
4弦D
3弦F♯
2弦A
1弦D
に調律。

するとあら不思議、開放弦で鳴らしてみるとそれはDコードの音色になってしまう…。

不思議ですね~。

このオープンDってやつ

個人的な感想なんですけど、凄くオリエンタルな感じの響きで好きなんですよね。

明るいんでしょうけど、どこか神秘的な感じがして…

みたいな。

いやはやギターってのは面白い楽器ですね。

ここまで準備万端。

んならレッツトライ。

楽譜を見て弾いてみる…。

うん。

いや、楽しいね~。

ギター弦の上を滑らせていき、つま弾く音の爽快さよ。

3フレット4フレット…滑らせ滑らせ12フレットに到着。

「ダスト…」の件のリフに行きつく。

アコギなので、エレキのパワーはないが…。

普段とは違う楽しさがある。

何よりも全弦同フレットがメジャーコードになる、オープンDはスライドバーを滑らせているだけで何となく楽しい気分になる。

これは…

俺にストレスが溜まっている証拠か?

んなことはないっす。

人差し指と中指でナット側の弦をミュート。
スライドバーは押さえるのではなく、触れるというニュアンスで。
音を出す位置を中心としてバーを左右に小さく振るようにして音を震わす…。

「ビブラート」

ブルースの肝の部分。

感情をビブラートに込める。

揺らぎは生き物…。

そんなことを偉大なブルースマンが言っていた。

いや、知らんけど。

さあ、このままエルモア・ジェイムズの「ダスト・マイ・ブルーム」を弾きこなそう!

「ブルーム調」の複音フレーズ。

ボトムリフ、バッキング。

コーラス…。

おっ、いけそうじゃん。

これで歌う感じを演奏にのせれば、弾き語りになりそうじゃないか。

このままいけば…

おっ


これは…

「ソロコーラスのアコースティックアレンジ」。


これは難しい…。

2~5弦とスライドプレイが流れていく点…。

手が滑り切らないww



いや、そんなに簡単には上手くいかないですね~。

甘くはないな。

まあ、でも何となくエルモア・ジェイムズに近づいたような気になれた。

何よりストレス発散…(^^)/

面白い。


「ボトルネック奏法」


発明した人に尊敬の意を。


「ダスト・マイ・ブルーム」



どうやら自分には、「ソロコーラスのアコースティックアレンジ」なる部分のボトルネック(奏法)自体が「ボトルネック」になってるみたいだ。



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