ノウハウ本では教えてくれない、法人営業として生きて行くために最低限必要なこと(5)
営業の基礎第五弾(最終回)です。
前回の記事はこちら。
前回、ようやく基本の5項目が終わりました。
今回は、5項目まで頑張ったけどそれでもどうしてもNGという答えに至ってしまった場合の対応を考えていきたいと思います。
②無いなら創る
さて、前回の通り「できない」という結論に至った時に営業はどうすべきでしょうか?『今は、できない』は受け入れるしかないです。
しかしそれを放置しておくわけにはいかないですね。
同様のパターンで負け続ければ事業が立ち行かなくなるからです。
無いなら創るしかない。
BtoB営業の面白さは新製品、新サービス作りに深く関与することができる点です。営業が顧客ニーズを吸い上げて開発チームなり関係者と作り上げていくことが醍醐味なのです。
自分が考えた製品でお客様に喜んでいただけた瞬間は何にも代えがたい達成感があるはずです。無いなら私が創ってみせる、位の気持ちでやってみるのがいいです。
具体的にどうしたら良いか?を話していきたいと思います。
企画書の書き方
最初に必要なのは企画書です。
必要な中身は以下の通り。
・テーマ
テーマはそのまんまでどんな企画かを表すもの。
・背景
背景とは、今回の要望に至った経緯です。開発者や工場関係者は時系列の資料を意外な程好む。人間の生々しいやりとりに飢えているのかもしれないです。
地味に面倒ではあるが今回のテーマが必要となった経緯を時間軸で追っていきます。それと先の予定も記載すると良いです。
実際にいつまでに実現しないといけないのか、あるいは市場で起こる大きなイベントや変化の時期等を入れます。
ベストは縦軸が時系列、横軸は前回の「ニーズに応える5項目」に沿って行けば、なぜその企画が必要なのかも併せて理解できる内容になるのでオススメです。
・市場性
実現した時にどんな効果が出るかを記載します。
例えば実現すれば年間1億円売上アップが見込める、など定量的な効果を記載することが望ましいです。
※企画に必要な市場性調査のノウハウについてはまた別のところで書きたいと思ってましう。
・競合情報
他社は今回のテーマをすでに実現しているのかについて。実現している場合はどのような内容をいくらで提供しているかを記載します。
実現していない場合、なぜ実現出来ていないのか(あるいは敢えてやっていないのか?)推測できる範囲で記載します。
競合情報は次に説明する「具体策」を考える上でのベースとなります。
・具体案
具体的にどんな製品やサービスに落とし込むかを記載する。案なので候補が複数個できる場合もあるでしょう。
費用やリソース、スケジュールの記載が必要です。
大体は、
価格優先案(自前で作る)、
リソース優先案(外部委託案、金なはかかる)、
スケジュール優先案(最小機能リリース→作込みの2段階)
といった具合に候補が生まれてくるものです。
企画の発表とプロジェクト管理
以上の資料ができたら然るべき機会をもらって発表することになる。どのような相手にいつ伝えるべきかは上司と相談するのが良いと思います。
もちろん関係者に事前に根回ししておける方がベストだが当日の発表になったからと言って、NGなわけではない。ポイントはあなたか或いはあなたの横に座っている人が影響力をきちんと持ってさえいれば問題ないです。
了承を取れたらプロジェクトの進捗を管理します。
※「営業のプロジェクト管理」は別途どこかで記載したいと思います。
最後に
言うは易しな部分もあったかもしれませんが、BtoBの営業が日々の活動を営々と回していく上での基本ポイントをお伝えしたつもりです。
どんなに営業としての強みと呼ばれるものがなくても、真面目にこのサイクルを回せるだけでお客様はかなり喜んでくれるはずです。
お客様はニーズを満足してくれる可能性を感じてくれれば、情報提供には前向きです。不明点を何回かコミュニケーションし明らかにしていく過程自体でさえも、場合によっては喜んでくれます。
必然的に数字も良い変化が出ていくだろうと思います。
ここまでできている人は実際はどれだけいることか・・・。
なお、この連載記事の最初にも書きましたが、今回の内容は、お客様のご要望をそのまま形にしていく=ニーズを捉えること、という前提にしました。
実は、この前提を疑ったり深掘りすることで見えてくるものもあります。不満を満足に単純に変えるところから、お客様が感動し劇的な変化を伴わせるという更に高次元なものとなります。
こうした応用編は、別機会にお伝えしたいと思います。
ということで、営業の基礎編はここまでとなります。
お付き合いくださりありがとうございました。
それでは、また。
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