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無理に微笑まなくていい -飯沼英樹 "Roulette / ルーレット"

 某日、天王洲アイル。

 飯沼英樹 "Roulette / ルーレット"(-6/22)@gallery UG Tennoz

一木造りで掘りおこした飯沼の彫刻は木肌が見えるほどのラフな外形を持ちながらも、 現代の消費社会のただ中に身を置く女性たちのリアルな「今」が感じられる。
また、飯沼はしばしば作品を、街中や自然など実際の社会を背景に撮影する。彫刻作品と背景の相乗効果が生む多彩な表情が新鮮な写真世界は、見るものの想像力を刺激し、彫刻の新たなスケールを見せる。

同上

微笑んでいない女性たち

 飯沼英樹作品との出逢いは、昨年の銀座蔦屋書店(@GsiX)。

 木に彫られた女性像の、力強さに圧倒された。そして彼女たちが、よくありがちな「慈悲深く微笑む」ようなようすををしていない、という点にも強く惹かれた理由だ。

 本展示にはかなりの点数がある。ギャラリーの方と言葉を交わしつつ、ゆっくり鑑賞することができ、無意味に微笑んでいない女神たちと再び出逢うことができた。

大型作品

 本展示の魅力のひとつは、大型作品の展示だ。

 奥の空間には、

 あたかも、古代の神が現代によみがえったかのような作品もあった。


現代女性たちが堂々と佇む

 ギャラリー中央には、

 現代の女性たちが、それぞれに佇む。


力を与えてくれそうな

 プライスリストも見せていただいた。作品の中心価格は30万円半ば~50万円代だ。

 もし自分が経営者であったなら、執務室に1作品飾っておくだろう。

 何かに迷ったさいに、弱腰となったさいに、強い目線でこちらを見て、わたしの中にある力を呼び起こしてくれる。木から生を受けた作品たちは、そんなパワーを纏っていた。





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