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Pop×静寂 -矢入幸一[KoichiYairi 24,♯1]@SAI(Miyashita Park)

 Koichi Yairi 24,♯1@SAI(Miyashita Park)、2/18まで。
 渋谷、宮下公園。

 いかにも渋谷、な喧騒を離れ、会場へ。


 ショップも併設。


会場そのものが1つの作品

矢入幸一はペイントと印刷技法を駆使する「技法のコラージュ」を用いた制作技法と多様な形にシェイプドされたキャンバスを用いて、一見ポップでありながらどこか静寂と繊細さを備えた表現で知られています。 また、展示空間全体をひとつのオリジナルストーリーで紡ぎ、まるで絵本を読み進めるかのように構築される展示方法もユニークで、これまで国内外のアートシーンおよびカルチャーシーンで注目を集めてきました。(後略)

矢入 幸一 Koichi Yairi 24,♯1 2024 1.27 — 2.18 より


 展示会場の全貌はこちら。赤い導線の通りに巡ってみよう。

 建物の吹き抜けをはさんで向かい合う一対のスペースでは、「史上最強のヒーロー・ジャスティス」の物語が紡がれる。

 向かい側からはこんなふうに見えて、この様子そのものも作品のようだ。

 矢印に誘導されて、反対側へ。

 ちなみにこの通路も、建物の通路からはこんな様子だ。

 2つ目の展示室では、物語の続きが綴られて、ヒーローの話が終わる。

 ヒーロー譚なのだけど、モノトーンに寄せた色調とどこか思わせぶりな表情が、もしかして何か秘密のサイドストーリーがあるのか?などと気になってしまう、魅力的なヒーローだ。

 なるほど、これで展示は終わりかと思いきや、小さな矢印があって、

 その先に、自然光にあふれた明るい空間が見えた。


小さな矢印の先には

 大型作品の展示スペースだ。


大型作品をじっくりと観れば

 奥に展示室があることに気づかない人もいるのか、わたしが入ったときには、数人の人が出入りし、そしてだれもいなくなった。陽光が射し込んで、コートを着ていると暑いくらいだ。

 窓の外はJRの線路。列車の行き来する音を聞きつつ、じっと作品を観れば、ああ、と、なんだか腑に落ちてくる。

 作品は、見た通り、とてもポップだ。だから、描かれたキャラクター?に目を奪われていると、見えてきづらいのかもしれないけれど、

 背景や世界といったところに目を向けてみると、そこには静かな、なにかが同居している。

 対になった展示室のほうのヒーロー・ジャスティスは、漫画を愉しむごとく、さっと歩いたけれど、

 こちらの大型作品の部屋では、少し時間をかけて、作品と対話した。


渋谷の空気感

 建物の外に出てみれば、

 展覧会の余韻と渋谷らしい街と喧騒が、いい感じに溶け合った。

 気持ちのいい、休日のひととき。


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