見出し画像

機械と身体 -[未来のかけら: 科学とデザインの実験室]02

 「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」@21_21 DESIGN SIGHT




比較形態学

 本物の骨と、骨格模型を取り混ぜた展示品たち。

 「関節」は、産業ロボットの腕でいえば「軸」にあたる、重要な部分。「関節する」という違和感のある書き方も、たしかに「関節」+「する」のだ、という納得感がある。


 自分も一つ持ち、使っていながらも、日ごろ「頭蓋骨」を意識することは、ほぼないけれど、

 例えば、こちらの頭蓋骨は本物で

 こちらはフェイク。

 自由に触れることができ、しかも、組み立てることができる。

 自分の頭を組み立てるような、シュールな感覚。

 ロボットを語る上で身体をふまえることは当然で、さらには触れることでより身近になっていく。そんなアプローチを経て、次の展示へ。

「トレジャー・ハンティング」

 広い広い、空間の展示。

 何が「宝探し」なのかといえば、


陸上競技用義足

 例えば、この美しい義足。

 もし実用という観点だけで造られたなら、最新のデバイスを彷彿とさせるような、そそる完成品にはならなかったろうと推測する。


デジタルサイボーグと「自在肢」

 そして、「自在肢」なるプロダクト。

稲見自在化身体プロジェクト+遠藤麻衣子
自在化身体研究をテーマに制作された遠藤麻衣子監督による短編映画『自在』の世界観を展示します。この映画には、研究者が設計・製作した実機が数多く登場します。それらがもたらす未知なる体験をもとに、独自の映像世界がつくられました。

同上

 まずは、短編映画『自在』の画面写真から。

 この、人物とロボットアームがともに(指先まで)優雅に動き、ゆるやかに舞うダンスのようなシーンは、観ていてうっとりした。

 「自在肢」。

 ロボット的な冷たさはなく、無駄がないのにほどよくやわらかそうで、触れても触れられてもいいかな、と警戒感を取り去ってくれる。これが、機械と人の心の間を埋める、デザインの力ということなのだろう。




この記事が参加している募集

#散歩日記

10,046件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?