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発声障害~その3~

昨年の夏に仕事で首や肩を痛めてしまい、その影響もあってか首や背中がすごく硬くなりました。ついでに言うと脚全体も硬さを感じているので、ストレスなどで体を固め続けていたのは大きな事だったのかなと思います。

発声に与える影響として緊張という厄介な物があります。
胸や背中を固めると呼吸は浅くなる。首や喉を硬くすると声にダイレクトに影響が出る。人前で話す時に声が裏返ったりするのも緊張からですよね。

オーディションを受けた時に声の状態が最低な事になった経験があります。受かりたい気持ちなどで緊張していたんでしょうね。カスカスの声になるもんだからさらに力む悪循環でどうにもならない状態でした。これまで舞台などに出演する時は声が出にくくなる感じはほぼありませんでした。もちろん発声に難があるので基本的な声が良くないのですが、ダメなりに調子のいい悪いというのはあります。

オーディションがダメで舞台本番が良いというのは、準備の差もあるかもしれませんが、自信の差も大きいと考えています。オーディションは基本的には数日前に台本を渡されるか当日に渡されるかで、準備期間が短い物です。舞台は稽古期間があって1ヶ月から2か月ほどの時間があり、その間で毎日役と向き合い理解を深めていきます。本番は緊張もありますが、楽しい気持ちの方が断然大きくなりますし、積み上げてきた自信もあるので、過度な緊張というのが無いのだと思います。

あと考えられるのは、オーディションは自分を見られますが、舞台は役で見られるのもかなり大きいです。舞台で演じている時は自分ではなく役でいるので、精神の状態がそもそも違うんですよね。オーディションでは役よりも素の自分でいる割合の方が大きいので、緊張が出やすいのだと思います。

音声外来で診察してもらった時に、こちらとしては良くない状態を見てもらいたいのに、結構いい状態になってしまう事がありました。これは、良い声を出したいという気持ちが無い、ダメな声が出たらどうしよう。っていう不安が無かったからだと思います。リラックス状態で話せたという事ですね。それがわかっていても、会話する時や人前で話す時にカスカスのダメな声でいいやとは思えないですし、思おうとしても体は狙い通りにはなりません。難しい所です。

地声を強化するトレーニングでエッジボイスといのがあります。ボイトレ経験のある方はご存知だと思いますが、「あ”あ”あ”あ”」っていう呪怨ボイスです。これをやった時にも息漏れをするんですよ。エッジボイスの音と息漏れの音が聞こえてて、声帯2個あるんじゃないかと思いました。息を止めた状態から声を出そうとしても先に息漏れしますし、やはり発声をするという行為の神経伝達がうまく出来ていないのを感じます。身体が覚えている発声そのものが間違っているという事ですね。この間違って覚えた物を徐々に正しい物に誘導する事が出来て、それを当たり前にする事が出来た時に、発声障害とサヨナラ出来るんだと思います。

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