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女性のホルモンの知識を深めよう!①〜ゴナドトロピン放出ホルモン編〜

女性は、排卵・妊娠・分娩などの生殖機能をもちます。そんな女性を理解するには、ホルモンの知識を深めることが大事だと思います!


今回はゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)についてです🧚‍♂️


ちなみに、「ゴナドトロピン」という名前が恐竜みたいなのでトップの画像を恐竜のイラストにしてみました(笑)

このイラストは「パキケファロサウルス」といって、硬い頭を使って頭突きで戦っていたのではないかと言われている白亜紀の恐竜だそうです🐰


簡単な月経周期について知りたい方はこちらをどうぞ💁‍♀️




1.どこでつくられるの?


ゴナドトロピン放出ホルモン(以下GnRH)は、脳の視床下部(の内側基底部、視索前野)に分布するGnRHニューロンで生産されます。

ニューロン:脳を構成する神経細胞

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2.GnRHの働き


GnRHは30〜120分周期でパルス状に脳下垂体の門脈へと放出されます。

そして、下垂体における黄体化ホルモン(LH)卵胞刺激ホルモン(FSH)の産生と放出を調整しています。

※パルス状:ホルモンの放出量が波打つように変化し繰り返す、こんなイメージ↓

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パルス状に分泌することで、下垂体の脱感作を防いでいるそうです。

ずっと持続的に分泌し続けると、脱感作を起こして反応しなくなってしまうから🧚🏻



3.エストロゲンのフィードバック機構



正常な生理周期では、エストロゲンが視床下部のGnRHの分泌を制御しています。

しかし、GnRHを産生しているGnRHニューロンには、エストロゲンの受容体がありません。



実は、キスペプチンというニューロンが介在し、エストロゲンによるフィードバックが行われています。


別記事でキスペプチンについても投稿しますね🧚🏻


つまり、
エストロゲンのフィードバック機構(抑制)により、キスペプチンニューロンを介してGnRHが産生され、それによってLHや FSHが適切な量放出されています。


このようなGnRHとエストロゲンの働きで月経のリズムがつくられているんですね🧚🏻


余談ですが、GnRHの役割は他にもありそうで、GnRHとその受容体は、子宮内膜や脳・膵臓・眼そして、乳がん・卵巣がん・子宮内膜がんなどにも見つかっているそうです。

上記以外にも何か働きがあるのではないかと言われているそうです。 



4.更年期でのホルモン産生


3のエストロゲンの作用を踏まえて、更年期ではどのような変化ぎおきるのでしょうか。


更年期では、卵巣機能の低下に伴い、エストロゲンの規則正しい分泌が出来なくなります。


元々エストロゲンによって上手く制御され、下垂体から分泌していたFSHとLHの産生が、エストロゲンの低下により増大します。


更年期障害はこのように過剰に分泌されたFSHとLHが自律神経中枢に影響を及ぼすために発生すると考えられています。



5.ゴナドトロピン放出抑制ホルモン


おまけのような話です🧚‍♂️


実はGnRHとは反対の、ゴナドトロピン放出抑制ホルモン(GnIH)というホルモンもあります。

GnIHを産生する細胞は、傍室核(視床下部を構成する神経核の一つ)にあり、GnRHニューロンに影響を与えています。


このGnIHのニューロンは、脳の性行動を抑制する領域に多く分布していて、ストレスによりGnIHの産生が増大する性質を持つようです。

よってこれは、「うつ病などのストレス下において食欲や性欲が低下する」という症状に関連しているのではないかと言われています🧚🏻


面白いですよね🧚🏻


私は仕事上、更年期やうつで悩んでいる方にもお会いする機会があるのですが、これからの研究によって疾患原因と適切な治療法が分かり、女性が(もちろん男性も)より明るく楽しく前向きに人生を送れる世の中にならばいいなと本当に思います。

私ももっともっと勉強をして、少しでもそんな方々の助けになればいいなと思います!


ありがとうございました🧚🏻







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