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カビの生えない手前味噌の作り方
発酵食品にハマってからもう10年以上経つ。
そして、今年仕込んだ味噌がいい感じに出来たのが嬉しいから、今日はカビが生えない手作り味噌の作り方をnoteに書こうか
本来のお味噌の作り方がもはやカビ育成のための作業だから自家製味噌でカビが生えないことは超すごいんだ。
だがその前にカビとは何か?について伝えたい。
カビ
カビは土壌、チリやホコリ、植物、食品原料などを基に、外気の中に1㎥あたり100~1000個飛んでいるんだ。
それが室内に空気と一緒に入ってきて、定着する。
エアコンにもよくいる。
部屋中に身体に悪い菌が散布されるから、エアコンがカビ無限製造機にならないように気をつけたほうがいい。
そしてお味噌作りに欠かせない麹だが、これもカビの一種だ。
ヒトにとって有益な菌が繁殖すると発酵
有害な菌が繁殖すると腐敗となる。
麹菌の力で有害な菌が繁殖しないようにして作られるのが味噌なのである。
味噌作りの手順
水でふやかした大豆を蒸して、滑らかになるまで潰すところから作業ははじまる。
肉を挽くミルを使ったり、ハンドミキサーを使ってもいい。
とりあえず好みの滑らかさになるまで大豆を潰すんだ。
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もちろん手指、器具のアルコール消毒は欠かせない。
その後、麹と塩を混ぜ合わせて、大豆の茹で汁で固さを調節する。
ハンバーグを作るみたいに、空気を手で抜きながら団子状の味噌玉をつくるんだ。
味噌玉を容器のなかで重ねるように積み上げて半年発酵させれば完成である。
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カビが生える
そして、待つこと数ヶ月。
初めて作った味噌はカビた。
手前味噌はカビるものという前提で、カビた部分は取りましょうとの説明をされる。
なぜなら材料が大豆、塩、麹のみなのに、家庭で作り、常温放置をすること数ヶ月だからだ。
表面を削れば大丈夫との教えもあるが、食べる気持ちが削がれる。
実際にあんなに頑張って作った味噌がカビるのはとてもショックなのである。
なぜ、悪い菌が増えたのだろうか?
カビさせないで作れないだろうか?
空気にふれさせない
空気は敵だ。
だからほんの少しの隙間でも許してはいけない。
ラップのシワを極力減らすことが成功へのカギとなる。
そのためには、土台が均一に平らでなければならない。
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失敗した時は、手の甲で味噌の表面を平らにしていた。
それをやめてヘラにする。
もちろん消毒もかかせない。
味噌作りとは、見えない菌との戦いなのだ。
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最後にアルコールを味噌の上からシュッとひと吹きして、ラップをかける。
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最後に、芸術的なまでに綺麗にラップをしよう。
ヘラを使うのがいい。
ラップと味噌が完全密着するように、ヘラで空気を抜くんだ。
4ヶ月後
味噌を6月に仕込んで、4ヶ月経った。
それがこちらだ。
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これがどれほどすごいか伝わるだろうか?
わたしは大興奮した。
家庭で、完璧なまでに麹菌以外を排除できた達成感が伝わってほしい。
通常半年〜8ヶ月くらいで完成と言われるお味噌だが、4ヶ月という若さで少し食べてみようと思う。
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メイラード反応(褐変)
一般的に味噌の色の変化は時間の経過と共にメイラード反応が起こったことによる。
糖とアミノ酸が反応してメラノイジンを生成したんだ。
麹菌やその酵素の力によって炭水化物が糖へ、タンパク質が分解されてアミノ酸へ変化した後、糖とアミノ酸が自然に反応すると起こる。
その際に生成されるメラノイジンが抗酸化作用が高いらしい。
老化の原因は細胞脂質が酸化して過酸化脂質が発生する事だが、このメラノイジンが老化物質である過酸化脂質の生成を抑える結果が研究から明らかになってる。
メラノイジン生成の際に発がん性うんぬんの話も目についたが、味噌なら一度に大量摂取しないので健康へはプラスに働く方が大きいだろう。
また、表面の方が濃い茶色なのは酸化も関係しているだろう。
酸素と結びついて風味が落ちているはずだが、害ではないので混ぜ込んで大丈夫だ。
野菜に直でつけて食べたら、出汁も何も入ってないが、旨味があって美味しい。
なぜだろう?
麹菌の活動のおかげで旨味成分のアミノ酸(グルタミン酸)が適度に増えたため美味しく感じられるのだ。
ついでに上部と下部を入れ替える天地返しを実験的に半分だけ行ってみた。
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2回も張り替えながら行ったので、達成感のあまり写真を撮り忘れた。
発酵のスピードは天地返しした場合と変わるのだろうか?
今回は4ヶ月目で1回目の試食として300gほど取り出した。
次は6ヶ月目でまた状態を確認する予定だ。
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味が変わってるか楽しみだなぁ。
比較するために50gほど冷凍しておこう。
ここまで読んでくれてありがとう
参考
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