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哲学

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2021年11月の記事一覧

贈与論で金銭が絡む恋愛について考える

マルセル・モース 贈与論スカンディナヴィア文明やその他多くの文明において、交換と契約は贈り物の形で行われる。
これは理屈では任意だが、実際には義務として与えられ、それに対して返礼される。

なぜ恋愛でお金をもらうことが一般的に良しとされないのか?
それは金銭を"労働による賃金"つまり対価ではなく"贈与"の形でとるからではないか。

時間の経過とともに贈与に対する返礼が伴わなくなる日がくる。
美しさ

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[闇の話]合理と非合理の境目

関東の、おおよそ治安の悪い地区の公立の中学校で、さして勉強が好きではないような集団の中の私は、真面目なハーマイオニーだった。
その気質は小学生時代から受け継がれていたので、だから体育と美術を除いた成績がオール5であったし、当時のわたしはそれがとても気に食わなかったのを覚えている。
体育は諦めがついたけれど、美術だけは納得がいかない。

中学生の頃の美術の成績の判断基準がわからなかった。

美術は主

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呪いの消化とお金と時間

呪いの消化とお金と時間

ヒトは生命を脅かされるようなつらい経験をすると、脳に刻み込まれる生き物だ。

例えば、お金。
お金とは、現代日本において最も生命と直結するように"みえる"物質である。
実際には生活が保障されており、食べ物が(手段を選ばなければ)手に入る社会である。
しかし、お金に関するいざこざがあるとヒトは変わってしまうことがあるのかもしれない。
それは本能的な何かがそうさせるのかわからないけれど、牙を剥かれた側

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