みんな他人に興味津々だ
2019年8月、僕は現在京都の家具工房で働いている。毎日うだるような暑さで汗が噴き出してくる。もう日本にいる限りこの蒸し暑さからは逃れられないんじゃないか?そんなことを考えながら今日も黙々と作業をする。
京都に引っ越しここで働き始めてあっという間に半年が経った。本当にあっという間だ。これほど一カ月が過ぎるのが早いと感じるのは、初めての感覚だ。このペースだと本当に気付いたら2〜3年経っていそうだ。これが良いことなのか悪いことなのか、それとも年齢的なものなのかは分からない。だが、心地良い感じだ。
工房は代表(ボス)と僕の二人。他にスタッフはいない。この状況に耐えられない人もいると思うが、中途半端に合わない先輩がいるよりよっぽどましだ。前職での慣れもあるが、今のところボスとはうまくやれていると思う。
ボスと二人と言っても完全に二人っきりという訳ではない。作業場を複数人でシェアしているため、少なくとも他に三人の大工さんが工房を出入りしている。店舗什器を納めるのは大抵この大工さんの現場だ。
勤務時間は9:00〜19:00(休憩2時間)。休日は毎週日曜日と祝日。給料は伏せるがフルでアルバイトするよりも少し少ないくらいだ。もちろん残業代、ボーナスはない。この現状について不満はないと言ったら嘘になるが、まだ1年目だからということでなんとか自分を納得させている。
それでもたまに夜遅くまで一人で作業しているとある疑念がじわじわと湧いてくる。
自分は安い給料でいいように使われているんじゃないか?文句の言わない都合のいい駒だと思われているんじゃないか?そんな負の感情が溢れてくる。
人は本当に欲深い生き物で、高山にいた頃は木工で少なくてもいいから生活が成り立つ程度の給料がもらえればそれでいいと思っていた。
だが、負の感情が溢れてくるともっと良い環境があるんじゃないかと考えてしまう。
僕はこういった思考に陥ると、いつからか自然に自問自答の時間が始まるようになっている。
では、ここでいう良い環境とはどのような環境なのか。
自分のペースで仕事ができて、給料が良くて、土日休みで、残業なくて、工房も自由に使えて、学べることも多くて、、、
無ぇわそんなとこ!ふざけんな!
そんなこと考える余裕あんならさっさと仕事できるようになって、とっとと独立でもしちまえ!
はい。。
こういった具合にいつも脳内の自分に言い負かされる。
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SNSを開けば他人の暮らしぶりが嫌でも見えてくる。みんな他人に興味津々だ。
隣の芝生は青く見えるもので、自らを不幸にしているとも気付かず、無意識のうちに自分と比較してしまう。
ただ羨ましく思うその人にも苦労があるはずだ。
この情報の暴風域のような時代を生き抜くためには自分という存在を強く繋ぎ止めておく必要があると思う。それさえ飛ばされないようにしておけば、自ずと向かうべきところへたどり着くと信じたい。
そして、今日も僕の休憩時間はTwitterのアプリを開くことから始まる。
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工房準備中 @craftsmans_harbor
制作アカウント @object_wood
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