「アンサング・シンデレラ」で学ぶ検索の作法と設定の不自然さ

「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋 」フジテレビ

8月6日放送の第四話のメインは、葵みどり(石原さとみ)が
羽倉龍之介(井之脇海)の父・龍一の認知症様症状が実は多剤投与による副作用が原因ではないのか?と疑い龍之介と徹夜で文献を探し当てるというハナシ。

やっと見つけた論文
そのタイトルが
「benzodiazepine use and risk of dementia meta analysis」

とりあえず検索してみる(笑)

https://scholar.google.co.jp/scholar?hl=ja&as_sdt=0%2C5&as_vis=1&q=benzodiazepine+use+and+risk+of+dementia+meta+analysis&btnG=

GoogleにはGoogle Scholarという論文にしぼった検索がある。
ちなみにScholaの語源はギリシャ哲学のスコラ派に由来し、暇人という意味。

そのものズバリなタイトルのものがなかったというのは
学術使用以外だと引用元をクレジットしても
金払わないといけなくなるからってことなんだろうか?

ま、それはそれとして

ここで主人公になり切って
自分ならどう検索するかやってみた
とりあえず検索語は

polypharmacy Benzodiazepines Memory disorder side effect

するとまあまあヒットするが
もともと認知症な人に処方する際の問題点みたいのも多数まじる
とはいうものの、
検索結果の中にも検索精度をあげるヒントはある

検索結果の中に
Literature Review of Polypharmacy and Older Drivers:
Identifying Strategies to Collect Drug Usage and Driving Functioning Among Older Drivers

とか

concurrent prescription of benzodiazepines are associated with an increased risk of automobile collisions and other accidents.

みたいなのがあった。
ドラマのクルマで事故ったってのにピッタリだ

なら
検索語を

automobile accidents older elder Benzodiazepines

にしてみる。
もはや「polypharmacy」も不要だ。
だって薬に関する論文なんて「食い合わせ」みたいな禁忌問題はフツーに標準品だから。

さて、このドラマ
ネットでは誇張しすぎというツッコミが多数あったそうだが
「新・週刊フジテレビ批評」に寄せられた薬剤師さんからのメールではリアルだという賞賛の声だった。

ま、ドラマ全体の評判についてはおいとくとして
今回、気づいてしまったことがある
徹夜なんてしなくっても検索すりゃいいぢゃん
ってこと

ましてや
病院なんかは
医療関係者御用達の
有料のデータベースとかも入れてるはず
ドラマでは論文にあたる前の時点で
「ベンゾジアゼピン」とまで容疑者のあたりをつけていた

だったら昼休みでおわる

っていうか
逆にこのペーパーレスの時代に
よく印刷された大量の資料が病院内にあったな

ってのかリアルぢゃなくね?

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