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【大学院】修士・博士の違いや進学にあたってやるべきこと!

  • 博士課程まで進むか、就活するかで迷っている…。

  • 修士号と博士号それぞれのメリット・デメリットは?

と不安な方や悩んでいる方に向けて、修士課程・博士課程を修了することのメリット・デメリットなど、それぞれの違いを把握し進路を決める際の参考になったら幸いです!


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修士号・博士号の違い


修士課程・博士課程

修士号

修士号とは大学院の修士課程を修了した人が得られる学位で、英語では”Master's degree”日本では「マスター」と呼ばれます。
修士号を取るためには、専門性のある研究をしたり一定の実績をあげて大学院を修了する必要があります。教職大学院や専門職大学院を修了した場合も同じく修士号が授与されます。
修士課程に進むためには、学士の段階で自分が学びたい研究テーマを決め、その分野を研究できる大学院を決定する必要があります。


博士号

博士号は、大学院の博士課程を修了した人が得られる学位です。博士課程に3年以上在籍し博士論文を提出して合格した人が得られる「課程博士」と、大学院の在籍に関わらず博士論文を提出して合格した人に授与される「論文博士」があります。
博士号は英語では”PhD”や”Doctor’s degree”日本では「ドクター」と呼ばれます。博士課程を修了した後、大学や研究機関等で任期付きの研究員として働く人のことを「ポストドクター(ポスドク)」と呼びます。

大学院での研究期間は修士課程と博士課程を合わせて、年数は5年間となっています(繰上卒業や、オーバードクターなどもあります)。医学部や獣医学部などの6年制の学部を卒業した人が大学院に進学する場合は博士課程に直接進むのが一般的です。


大学院進学の際にやるべきこと


修士課程・博士課程


✓目的別に候補となる大学院の情報を収集し比較・検討をする


専門職に就く
ことを目的としているのなら、専門職へ就職した卒業生がどのくらいいるのか調べる必要があります。
就活を有利にすることが目的の場合は、自分が働きたい企業や業界にどのくらいの就職実績があるのか調べましょう。
研究者になりたいと考えているのなら、自分が研究したいテーマを指導できる教員がいるのか、研究出来そうな環境が整っているかといった視点で大学院を探すことが重要です。


✓進学方法を決める


【内部進学】
条件を満たせば院試の一部が免除になることがあります。試験対策がしやすい傾向にあり、基本的に大学院の試験問題は教授が作成するため学部時代に受けた定期試験と実際の問題が似ている可能性もあります。よって外部進学よりも内部進学の方が有利であり、入学金も免除されるケースが多いです。


【外部進学】
学部時代の研究が自分のやりたかったことと違ったと感じる場合や、付属の大学院では自分のやりたい研究ができないと思う場合は、外部進学したほうが充実した研究生活を送れるでしょう。
今後のキャリアによっては最終学歴が重要になる場合もあるので、今の学歴では不十分だと感じているのであれば、外部進学をすることを検討すると良いでしょう。


修士・博士それぞれを比較



修士課程・博士課程

1.専門的な知識を身につけることができる 修士◯ 博士◎

研究内容を論文にまとめて発表したり、特定の分野について実践を交えて学びます。高度な研究スキルと専門知識を身につけることが出来ます。誰かに教えてもらうという受け身ではなく、自ら課題を設定し率先して学び、探究する姿勢が求められます。興味・関心が近い仲間と議論をしたり学び合うことで、自分以外の視点を吸収できるため視野を広げることもできます。
生活のほとんどを研究時間に費やし、専門分野における最先端の知識などを身に付けられることは大学院での研究の醍醐味です。


2.就職の際に幅が広がる 修士◯ 博士△


修士過程・博士課程

修士
研究内容やスキルなどもありますが、それ以外にも分析力やプレゼン力が評価されることが考えられます。
自分で仮説を立てて実験を行い、検証する上で必要な論理的思考能力が鍛えられていることは会社で研究をしていく上で重要なスキルです。
実験結果を人に伝えるプレゼンテーション能力も身に着いているので、これらの能力が評価されることが考えられます。

博士
研究職への就職を考えていたものの、思うように実現しなかった際に途中で進路変更となると、年齢的に就職が遅くなることは避けられません。学部から修士課程、博士課程後期へとストレートに進んだとしても、修了時点での年齢は30歳手前ということが一般的です。一般企業への就職を希望した場合、30歳手前で就業経験がないことは、就職活動において不利になる場合があります。
一方、大学教員を目指すのであれば、一般的に博士号の取得が必要です。将来その分野の専門家として生計を立てて行こうという意欲のある場合は、博士課程で学ぶメリットは大きいですが、大学教員の募集人員は“若干名”に止まるなど、採用枠が少ないのが現状です。


3.就職後の初任給が高くなる 修士◯ 博士◯


修士過程・博士課程

令和3年の「賃金構造基本統計調査」によると大卒は22万5400円、大学院卒は25万3500円となっています。
大卒と大学院卒の初任給に違いが見られるのは、学部卒より高度な研究をしているからです。特に理系の場合では在学中に企業との共同研究を経験している学生もいるため、既に業務経験がある状態であり仕事をどのように進めていくのか理解している点は即戦力となり評価に繋がります。

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4.学費などのお金がかかる 修士◯ 博士◯


修士課程・博士課程

大学や研究科にもよりますが、修士課程を修了するのに150万~200万円以上かかるのが一般的です。博士課程を修了する場合は、最低でも200万円以上かかります。進学を希望する大学院が決まっている場合は学費を見比べてみましょう。
私立の大学院は国公立に比べて学費が割高となってます。年間にかかる費用を踏まえ奨学金の利用を検討することも視野に入れると良いでしょう。経済的な事情で授業料納付が困難な学生に対し、授業料を免除あるいは減額する制度を設けている大学院もあります。


5.勉強や研究がハード 修士◯ 博士◯


修士課程・博士課程

取得しなければいけない単位数・講義が決められており、修士課程・博士課程を修了するためには論文を学内で発表し審査を通過する必要があります。それに向けて研究室での進捗発表が定期的にあるので常に研究を進めていかなければなりません。

修士課程修了後、一般企業への就職を考える大学院生は、研究と就職活動を並行して行う必要があります。修士課程1年生の4〜5月頃から夏のインターン応募が始まるので研究のコアタイムと被らないように参加するなど配慮も必要になってきます。その他にも、TAや授業の手伝い、研究室の雑務なども発生し大学院生活は多忙である可能性が高いでしょう。

修士課程が研究の練習だとすれば、博士課程は研究の本番であり、あくまで指導教員は博士課程学生の伴走者のような立場になります。そのため自分の意志で研究の道筋を決めていかなければなりません。
博士課程の場合は、前述の博士論文の発表だけでなく、学術雑誌への論文の掲載数など、各大学によって審査を受ける前提条件が設けられていることが多いです。
その前提条件をクリアした上で作成、提出、審査される博士論文は、出版物として一般公開されることになるため、それ相応のクオリティも求められます(未発表データなどの実験結果の公表を防ぐため、一定期間の公開猶予が可能となることが多いです)。
そのため、より専門的な研究者としてスキルアップが必要です。


大学院進学に向いている人


修士課程・博士課程


大学院では誰かに強制されることなく一人でコツコツと研究を進める必要があるため、自ら学ぶ姿勢を持っているか・自分から動き出せるかどうかで研究の成果が決まります。
そのため、研究が好きでより専門性の深い勉強をしたい人や、研究したいテーマが明確で研究対象に夢中になれる人には進学をおすすめします。

また研究の過程においては、自ら疑問を持って仮説を立て、実験・情報収集を経て分析と検証を繰り返すことになります。このような研究活動において知的好奇心を常に持てるかや、モチベーションを維持出来るかが重要です。

上記に加え、マルチタスクで多忙な中、主体性や粘り強さを併せ持ちながら論理的思考力を鍛えつつ、時間管理能力や基礎体力も必要になります。

・・・


大学院進学についてや、修士課程・博士課程をそれぞれ比較して解説してきました。
これから大学院への進学を考えているのであれば情報収集や比較を行うだけでなく、研究の心構えが出来ていると入学後の生活を充実したものに出来ると思います。
今回のnoteがそのきっかけになったら幸いです!

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