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成功体験で暗示をかける

前回は、子どもの長所を自己肯定感に変えるための資源発掘のスキルについてお伝えしました。
本人が気が付かないことも、コーチ(親)は見逃しません。少しの変化にも気づき、伝え、子ども自身が自分で考え実感する。その工程がコーチングなのです。

さて、それに加えて今回は、「暗示のスキル」について触れていきます。子どもたちが半ば諦めのように、

そこまでしたくない。
今のままでいい。

などといったように、自分にブレーキをかけてしまい、自ら成長を止めてしまっている様子を見ることがあります。

なんかもう、すごくもったいない!

教育の現場でなら、もう一段高いステップを踏み出せるよう、成長を促してあげたいものです。現状で満足してしまっている子どもに対して、自発性や意欲を高めるために良い暗示をかけてあげてはいかがでしょうか?

子どものためになる暗示をかけよう

親であるあなたが、
もう少し頑張ろう、
もう一歩先に進んでみよう、
と思うときはどんな時ですか?

例えば、
あと少しで契約につながりそうな案件、一本電話を入れてみようかな?メールしてみようかな?
お迎えまであと少し、いつも通りの道が混んでいなければ絶対間に合う!
昇級試験、時間が無い中頑張ってきたんだし、きっと大丈夫!
今の仕事に少しでもプラスにしたいから英会話を始めてみようかな?

毎日がもう少し頑張ろう!の積み重ねなのかもしれませんね。
私もそうです。

夜は塾の授業があるので、日によっては朝のうちに昼ごはんも晩御飯も作ります。日曜日は検定試験や保護者会、塾内テストがあったりしますので、時間を分単位でだいたい分けて、どのタスクを何分くらいで終わらせるかを日々考えて一つずつクリアしていきます。空いた時間で次に何をするべきか整理して、新しい企画を考えています。(そして休むときはしっかり休む!)

もう少し、あと少し!
大丈夫やれる!
間に合う!
がんばれそう!

そういう気持ちが行動を後押ししていることに気づきませんか?

子どもに向けての声掛けもその意欲を引き出す一言であってほしいのです。もう少し頑張ってみようと思うときには、たいてい自分自身を説得し、納得できるよう自己暗示をかけますよね。
時に確信が持てない言葉でも、その子の背中を押すために必要な言葉であるなら、伝えるべきだと私は思います。

なぜなら、
「あなたならきっとできる!」
「これだけやったんだもの、きっと緊張なんか吹き飛んでいくよ!」
「今回はあなたのようなタイプの人が有利だよ!」
このような声掛けで、子どもたちが「自分ならできる!」と自己暗示にかかり、その気になってくれて、行動を起こすための意欲が高まってくれることが多々あるからです。

こんな言葉に注意

逆に気を付けなければいけないのは、マイナスの暗示をかけてしまうことです。脅しとも取れる言葉を放ってしまう人も少なくありません。

だからお前はダメなんだ!
今のままじゃ高校に行けないよ?
このままでいいと思ってるの?

子どもたちの前進を阻害してしまうので、このような言葉は慎みましょう。

過去の成功体験は暗示をかけやすい

他人の成功体験より、自分の成功体験の方がプラスの暗示がかけやすいということも覚えておきましょう。

例えば
大谷翔平がホームラン王になったんだから、あなただってできる。
日本人は28人もノーベル賞を取ってるんだから、あなただってできる。
近所の○○ちゃんが出来たんだから、あなただってできる。
お兄ちゃんが出来たんだから、あなただってできる。

極端な例ですが、他人が出来たことは目の前の子どもとは一切関係ないのにもかかわらず、あなたならできると言われても説得力がありません。それは兄弟姉妹であってもです。
一人ひとり違う人間なのですから、その子の成功体験を見つけ、あの時こんなことができたあなたなら乗り越えられる!できる!と伝えてあげた方がよっぽど子どもの意欲を後押ししてくれます。

また、その子が出来た過去の成功体験を、日常会話の中で触れておくことも日頃から自己肯定感を高められるポイントかなと思います。

私も娘によく思い出話のように話しています。

5歳の時利き腕を骨折していたのに、聞き手と反対の手で食事も勉強も何でもできたよね。
初めてスイミングの進級テストで合格した時嬉しかったよね。
相手を傷つけずに注意する言い方を考えていて偉いね。
いつもテスト前に学習計画を立てて机の前に貼っているの、続けててすごいね。

過去のことも、今のことも、その子が出来ていることを言っているだけで、それだけで子どもは「自分のそういうところは良いところなんだ」と気づき、良いことは続けてみよう、もっとできることがあるかもしれない、と考えて自ら行動するようになります。

また、失敗したことも、笑い話にしていくうちに「次は失敗しないようにしよう」と自分で考えるようになれます。

うちの娘はスイミングのことを「水ミング」だと思っていた時期があり、未だに笑い話です。そこから漢字は間違えないようにしよう、漢検を受けよう、というのが今でも継続されています。

まとめ

他人の成功体験は本人の意欲向上にはつながりません。
物事をプラスに捉える「前提」を埋め込んで問いかけしてみることが大切です。
子ども自身の過去の成功体験はそのまま伝える。
過去の失敗体験はそこから学んだことに意味がある、良い学びをしていると伝える。
マイナスの言葉を使わないように心がけ、子どもに良い暗示をかけ続けてみましょう。


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チャイルドコーチングアドバイザー
ないとうみちよ

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