#宿命の泡沫紋章 第Ⅵ章第60節
さて、今節で閉ざされた村と種族をめぐる一連の出来事が少しは落ち着いたでしょうか?
思わぬ縁を以て、とりあえず解決の糸口は見えてきたようですね。
(余談ですが、今節のお話は次節のお話と合わせて、著者が結構気に入っているものです(笑))
ここでようやく、ヴァルキューレ村と夢魔エインヘリヤル族の名前の由来が分かります。
(レモンバームにとってこの話をするのは不本意なようでしたが、それでもミロスに有効そうな交渉術を考えて出した手段がこれでした。
ただ現状を解決するのに確実なものとは言えなかった為、ある意味イチかバチかと言ったところでしょう。
あとゼラフィーとモニカが塔から出てきた時、レモンバームがゼラフィーのマントを頭から被っていたのはこの話の所為です;)
グリフィンが五百年前の気風属性の継承者であるアルフェラッツの記憶を持っているのは、グリフィンという守護獣の存在自体が気風属性の継承者の魂の欠片である翠の石の持つ力の一つであるからですね。
なので初代の気風属性の継承者からの記憶を全部持ってはいるはずなのですが、今の継承者自身が必要を感じない限りは守護獣も余計な干渉はしない為、特に進んで話すような事はありません(今回は例外)。
ただしアルフェラッツが継承者だった時には、グリフィンが人間形態になる場合、アルフェラッツ以前の継承者の姿を借りていたものと思われます。
ここまできて初めて書く事が出来るのですが、ゼラフィーが羞明(明るい場所で物が見えづらく、暗い場所で物が見えやすい現象)なのも、真剣な話の途中でも突然寝てしまう事があるのも、ものすごく長く寝る事が出来るのも夢魔族の血の影響です。
夢魔族は主に夜活動するので暗闇の方が目が利き、自身の精神的許容量を越える(頭は良いのでデータ的な容量が足りないという事ではなく)と無意識に意識の電源を切る為に寝てしまい、食事を摂るよりも睡眠を取る方が夢魔族にとっては生存本能的には上位らしく、つまり身の危険を感じると全ての生命活動を必要最低限にする超省エネモードみたいな機能が働きちょっとやそっとでは起きなくなるとの事。
ただその超省エネモードから目覚めた後は、しばらく寝ぼけているのと、物凄い空腹感と渇水感を感じるらしいです。
(夢魔エインヘリヤル族のこの辺りの詳しい話は、その歴史と共にまた外伝として投稿する予定です。)
今回も、ご愛読いただき誠にありがとうございます \(^o^)/