階下 見下ろして流れた涙
強がりが剥がれ落ちて 大怪我をした
回らない観覧車は 夜の時計台
電飾と歓声が消えた夕景
補正できない 視界は雲隠れ
シャッターを切るたびに 君は赤い瞳
熱風に吹き飛ぶ カリカチュアは
忘れられた怒りの風刺か
過労のキリギリスが 自販前でバーンアウト
エメラルドの蜂鳥は 水煙管に集う
地下への入り口は すっかり閉じてしまって
君も僕も 細く長く 生きるだけ
ぬるい炭酸 飲み干し
空いた右手で探す 居場所
街灯と戯れる蝉を見て
太陽じゃないよと 薄ら笑った
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