不安の見える化。
仕事でも、プライベートでも、色んな不安があると思います。
私自身、フリーで独立するのに不安が全くなかったかと言われるとそんなことはありません。仕事がないんじゃないか、孤独感を感じるんじゃないか、一度独立してしまうと転職しづらくなるんじゃないか、などなど。急に先が見えなくなる不安に襲われます。
そんなときにいつもやるのが、「実際に紙に書き出してみる」ことです。
多くの場合、不安なことを頭の中だけで考えて続けているから、本質が見えず、どんどん不安になっていっていきます。そして、不安に不安を塗り重ね、不安の堂々巡りになっていく。
なので、課題や不安の「見える化」をすることが大切だと思っています。
今の自分の悩みや不安、不満は何か?
それを引き起こしている原因は何か?
それを解決する方法は考えられるのか?
これらについて思いつくことを全て書き出していく。そのとき、できるかどうかは大きな問題ではないです。「自分には無理そう」と感じても「では、どうすれば可能になるか?」を書き加えていけばOK。ちなみに書いて可視化するだけでも、自分の心をだいぶスッキリするはずです。
次は、それらの中から、すぐできること、時間はかかることに分けて、一つずつ実践していく。もし効果がなければ、方法を修正したり、他の打ち手に変更したりするだけです。
例えば、不安の代表選手「老後の不安」。
誰しもが感じる不安の一つだと思います。
ただ老後の不安といっても具体性がありません。老後の何が不安なのかをはっきりさせる必要があります。
そこで紙に、老後の不安を「お金の不安」「健康の不安」「孤独への不安」と書いてみます。さらにそれらの不安を、他人ではなく自分自身がどう動いて解決すればいいのかを深く掘り下げていきます。思い浮かばなければ、ググってみても良いと思います。
例えば「お金の不安」を払拭するためには、「お金を貯める」「お金を稼ぐ」という方法があります。
「お金を貯める」ならば、一体いくら必要なのかを把握すること。そして貯金だけでなく、個人年金や貯蓄型の生命保険、確定拠出年金なども併用する。
ただ自分が何歳まで生きるかわからないから、預金残高が減っていくという貯蓄を切り崩すだけの生活は怖くなるはず。なので同時に「お金を稼ぐ」方法を考えていく。高齢者でも雇用されるのは、どういう職種で、どういう能力を持った人なのか。ただ「雇ってもらう」のは他人依存なので、自分で事業を始めることを考えてみる。「自分には無理」と思考停止しそうな自分をグッとこらえて、模索していく。
あるいは生活コストそのものを下げて、貯蓄や収入が少なくても大丈夫な体制を作っておく。例えば、老後の住居費負担を減らすため、今のうちに家を買い、定年退職と同時に住宅ローンの返済が終わるようにしておく。他にも、太陽光発電設備を取り付けて電気代負担を減らす、家庭菜園で野菜を栽培し食費を浮かせる、といったのもありです。
こうした「漠然とした不安」を今日からできる具体的なToDoに落とし込む作業を、ほかの「健康不安」「孤独への不安」でも同じように考えていきます。逆に今日からできないことは具体化が足りないということなので、もっと細かく掘り下げていく必要があります。
ちなみに「心配事の92%は実際には起こらない」と言われています。
- 実際に起こり得ないことへの心配:40%
- 過去にすでに起こったこと:30%
- 不必要な健康に関する心配:12%
- 細々とした不必要な心配事:10%
つまり、9割以上の心配事(不安)は、不要な悩みということです。
ただ残り8%の「現実化する心配事」への備えの第一歩。それが不安を紙に書いて「見える化」することだと思います。