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オルセー美術館でマネとドガの絆を観た夜 (パリ旅3日目・夜編)【きまま日記17】

こんにちは、にしうらです。
お久しぶりの2023年6月のフランス・パリ旅行で巡った美術館&博物館レポ続きです。今回はパリ観光の最終日となる3日目の夜〜帰国編。




3日目夜

オルセー美術館

Musée d'Orsay

ユーゴー記念館からノートルダム大聖堂を通過しててくてく歩いて、今回の旅の最後の目的地、オルセー美術館に着いたのは18時50分。

今回のパリ旅の目的の一つ、企画展「マネ/ドガ」展(2023/3/28〜7/23)

オルセー美術館は通常18時閉館なのですが、木曜日だけは夜間開館日で21時45分まで営業しています。ちなみに木曜の18時以降入場だと通常16€の入館料が11€になります。お得!

というわけで事前にネット予約して、プリントしてきたチケットを見せて入館。(今年はコロナが落ち着いて観光客の数が増加しているため、ルーヴル美術館やオルセー美術館などパリの有名所の入場予約は数日前には埋まっていることもあります。なので、予定が決まっているのであれば一週間前にはネットであらかじめ時間指定のチケットを購入しておくことをおすすめします)

4年ぶりのオルセーに高まる気持ちを抑えつつ「マネ/ドガ」展の展示室へ。そういえば4年前の2019年にもここにドガ展観にきたな…ドガめちゃめちゃ好きな人みたいじゃん…自分…(好きですけど)

「マネ/ドガ」展の展示室入り口

『マネ/ドガ』展は19世紀フランスの巨匠二人、エドゥアール・マネエドガー・ドガの生涯と作品に焦点を当てた企画展です。

印象派の活動において重要な役割を果たしたマネとドガ。2歳差でブルジョワ家庭に生まれた彼らの絵にはカフェのシーン、売春、浴槽でのヌード、競馬の描写など共通するモチーフがいくつもあり、二人の絵は一見するととても似て見えます。しかしその一方でそれぞれの個性とモチーフに対するアプローチは明確に異なっており、比較するとその違いが浮かび上がってきます。

そんな二人の作品(油絵、版画、素描など)を写真、手紙などの資料も交えつつ展示することで、友人であり、ライバルでもあった二人の関係と絆を浮き彫りにするという…印象派ファンにはたまらない展示でした。

以下、比較展示の一部。

左はドガの《浴槽》(1886)、右はマネの《浴女》(1878)

モチーフは同じだが、ドガの描く女性は画面の外の観客を意識していない自然な動作の1シーンで、マネの描く女性は意識的にポーズをとり、こちらへ視線を向けている。

左はマネの《プラム》(1877)、右はドガの《アブサン》(1876)
ちなみにどちらの絵も女優のエレン・アンドレがモデルを務めている。

こちらも、ドガの絵はカフェの1シーンを切り取ったものに対して、マネの方は女性が絵の主役で、こちらも意識的にポーズをとっている。

左はドガの《間違ったスタート》(1870)、右はマネの《ブローニュの森の競馬》(1872)
展示室内の様子

ここは奥の方なのでそこまでではなかったですが、入り口近くはかなり混み合っていて観るのが大変でした。マネもドガも人気の画家なので納得。

ちなみにこの企画展、オルセーでの展示終了後はニューヨークのメトロポリタンミュージアムで今年9月から2024年1月まで展示されるそうです。


ここからは個人的にお気に入りの作品。

エドゥアール・マネ《ナナ》(1877)
エドゥアール・マネ《Berthe Morisot au chapeau de deuil》(1874)

マネの絵の不愛想モリゾが大好きです。
個人蔵であまり見れない絵なので見れてよかった。

エドゥアール・マネ《La Femme au chat》(1880)

なんかこのマネの絵、タッチがすごいモリゾっぽいなと思った。
もしくはドガのパステル画。

エドガー・ドガ《帽子屋にて》(1882)

この構図の切り取り方かっこよい…!

エドガー・ドガ《スタンド前の競走馬》(1866-1868)

ドガ、素描で素敵な絵がいくつもあったのですが、ガラスが反射してうまく写真が撮れず…😭目に焼き付けてきました。


マネとドガの絆

展示のラストに飾られていたのがマネの《皇帝マクシミリアンの処刑》。

ドガとマネは2歳差とほぼ同世代ではありましたが、マネは51歳でドガよりも30年程早く亡くなります。ドガは多数のマネの作品を自分が亡くなるまで大切に所有しており、この作品もマネの死後に遺族によって切られ別々に売られたものを、ドガが買い集めて保管していたものです。(一枚のキャンバスに統合したのは1970 年代後半、ナショナルギャラリーに収蔵されてからだそうです)

エドゥアール・マネ《皇帝マクシミリアンの処刑》(1867-68)

ドガがマネの作品に敬意を払っていた事や、亡くなった後もマネはドガの中で大切な存在だったんだろうな…と感じさせるエピソードですね。


企画展を観終わって展示室を出るともう21時近く。
夏至で陽の長い時期なので外がまだ明るくて不思議な気分でした。

ここにもあったブールデルの《弓をひくヘラクレス》


もう一つの企画展『Pastels : From Millet to Redon』の展示企画の一環で、
アーティストたちがパステル画を製作しているところを見れるコーナーがあって面白かったです。

パステル画の製作風景


常設展の部分を30分ほど眺めてから外へ。

21時半とは思えない青空

…ということで、パリ旅3日目は行きたいところを詰め込んだ結果、郵便博物館ブールデル美術館パリ市立近代美術館ヴィクトル・ユーゴー記念館オルセー美術館と1日で5館回りました。よく行ったな。
体力は瀕死でしたが観たかったものを観れて心は大満足。メトロでホテルに帰ったのが22時頃。

次の日は帰国の飛行機に乗るので、荷物整理やらをすまして爆睡しました。


帰国

昼の12時発の飛行機なので、朝8時頃にホテルをチェックアウト。オペラ座までメトロで移動し、そこからロワシーバスに乗って空港へ。


パリ=シャルル・ド・ゴール空港

Aéroport de Paris-Charles-de-Gaulle

ドーナツ状のターミナル1の真ん中部分

キャセイパシフィック航空の自動チェックイン機でチェックインを済ませ、荷物を預けて搭乗口へ。

保安検査場を抜けた先、免税店などが並ぶフロア。華やか〜。
搭乗ゲートにはPS5が遊べるコーナーもあったり。

ここから飛行機に12時間ほど乗って香港まで移動。


香港国際空港

Hong Kong International Airport

朝7時に無事到着。荷物検査を終えてから3時間半くらい搭乗口周辺で旅日記を書いたりして出発を待ちます。

香港国際空港の搭乗口
アリクイぬいぐるみと飛行機

海外への飛行機はいつも席を離れるのが楽な通路側の席を指定していましたが、香港→成田の飛行機は三時間半ほどだったので窓際を指定。

飛行機の窓からの風景

横二つとも空席だったのでゆったり快適に過ごせました。


成田国際空港

Narita International Airport

16時頃に成田に到着。

帰宅にはYCAT(横浜シティ・エア・ターミナル)行きの急行バスを使用しました。料金はちょっとお高い(片道3,700円)ですが、一本で横浜までいけるのでとっても便利でした!帰り道で疲れてる時はまた使いたいな。

バスの中
成田空港から一時間半ほどで横浜到着!


これにて4年ぶりのフランス旅行、終了です。
詳細は旅行記漫画の方で書くつもりなので、ここではもっとさっくり簡潔にまとめる予定だったのですが、あまりこういう形の旅行記を書くのに慣れていないため、書いているうちに内容が膨らんでしまい、気づけば6回にも渡って書いてしまいました。
ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございます。

来週の更新内容はまだ未定ですが、またのぞいていただけたら嬉しいです。
それでは、また来週。

2023.08.30


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2023年6月パリ旅行記・まとめリンク

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パリ3日目(午前)👇

パリ3日目(午後)👇

パリ3日目(夜)〜帰国👇
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