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オンライン全社会をテレビ番組風にしたら、組織運営のいろはを学べた話

こんにちは、たかくらです。
株式会社カミナシで、マーケティングに軸足をおきながら、いろいろとやっています。
11月になりましたね。急に寒くなってきて、体調に気をつけなければならない季節になりました。

今日は、カミナシで月2回、オンラインで行っている「全社会」を、タスクフォースを組んで大幅にアップデートしたお話をしようと思います。

💡このnoteはなに?💡
カミナシでは全社会をオンラインで月2回、オフラインで月1回行っていました。 このnoteでは、オンラインで月2回行っていた全社会をどんなふうにアップデートしたのかをお話します。

💡誰のためのnote?💡
会社でオンライン会議を運営している方、オンライン全社会を運営している方、 全社会に参加しているけれどももっとよくできそうだなぁと感じている方の参考になったら嬉しいです。



全社会の運営って難しい

いきなり結論みたいなことを書きますが、全社会の運営ってとっても難しいです。
答えがなくて、ゴールもなくて、非常に曖昧で抽象的。
「こうするとよさそう」というのも、主観的な意見であることが多く、「じゃぁこうしよう」の意思決定をする基準を決めることも難しい。 良し悪しを定量的に測ることも難しい。アンケートを実施してみて手応えを感じても、その手応えはすぐに手から砂がこぼれ落ちるかの如く、崩れ落ちていく。

そんなものなので、まず全社会を運営しているみなさんに一言。 全社会を運営してくださって、本当にありがとうございます。みなさんの努力を、知っている人は知っています。

「うまく行っていない気がする」「反応が薄くて手応えがない」と思っている方、みんなおんなじです。(多分)

そんな中で、「もっと良くしよう!」と試行錯誤しているだけで、思考停止していないだけで とてもすごいことだと思います。
だって、試行錯誤して、考えをまとめて、社内にたくさんいるステークホルダーと調整しているだけで 実はものすごい苦労、していますよね。 その頑張りを、見ている人は見ています。一緒によりよいものにしよう、と考えてくださる人を大切に。


そして、参加しながら「もっとよくできると思うんだけどな」と思っているみなさん。 全社会にご意見をくださって、本当にありがとうございます! 意見のあるなしによって、何をどうしたほうが良さそう、の考える軸ができます。 なので、みなさんの意見なしには、「もっとよく」ならないんです。 これからも温かい気持ちで参加してくださると、みんなとっても嬉しいと思います。

先輩から全社会運営のバトンを引き継ぐ

さて、カミナシでは全社会を2種類運営しています。

ひとつは、月1回のオフラインで行う全社会です。
こちらはコーポレートチームのみなさんが主体となって運営しており、ワークショップや全体研修、経営陣から戦略の共有などの場となっています。
役割としては「全社員で、カミナシに対する目線を合わせる、そのために直接的なコミュニケーションを推奨する場所」といった感じでしょうか。

もうひとつは、今回たかくらが話をする、月2回オンラインで行う全社会です。 自分が入社した2022年1月には、この会は「カミナシで運用しているOKRに関する発表を、チームごとにする」という内容になっており、「自チーム、そして他チームの役割と進捗の認識をする」という役割を担っていました。

オンライン全社会の内容はこんな感じ。

・会は最大2時間
・2名の司会が2時間の会の進行をする
・各チームが自チームのOKRやその進捗状況、チームのGoodトピック等、その時のお題を10分話す

カミナシは役割分業型のいわゆるSaaSモデルの組織構造になっており、当時組織図に現れるチームだけで8チームほどありました。
組織図に現れない、チームの中でさらに役割区分をしている場合もあり、そうなると「ここは役割が違うから別の発表で」となり、内容が盛りだくさんに。 チーム発表だけで1時間半ほどかかっており、終わる頃には「あれ、最初に発表してた◯◯チームのOKRってなんだっけ…??」となり、後から資料を見返して咀嚼する必要がある人もいました。

そんな大イベント、オンライン全社会の司会を ある日突然VPoCSの徹也さんから「お願いします!」と打診がきて 司会をしていた二人の先輩からバトンを受け取ることになりました。

(そう、全社会の司会はずっと固定ではなく、定期的にメンバーでバトンを渡していこうという方針があったのでした)

同じくバトンを受け取ったのは、セールスのしんたろうさん。 2人で「どうしましょ!」と頭を突き合わせることからはじめました。


会の名前を決める

さて、しんたろうさんとごにょごにょ話した内容はこちら。

・せっかくみんなが集まる場だから、カミナシのカルチャーを醸成する場にしたいよね
・新しい人がどんどん入ってくるので、モメンタムが薄れていくんじゃないか?
・新しいメンバーを迎え入れる場所としても使いたい。メンバー紹介は必ずやりたいよね
・チームからの話と同じくらい経営の話も重要。経営からの話を含められないか?
・なにかキャッチーな名前をつけたい(しんたろうさんの強い希望)
・音楽を流したい(しんたろうさんの強い希望)

お互い、前職で全社会を経験しており、それぞれのよかったところを話しました。 その結果、カミナシの文化醸成によさそうな内容をカミナシらしい形で含めていきながら、楽しく集える会に進化させよう、自分たちらしい全社会にしていこう!ということで合意。
オンライン全社会のオーナーである徹也さんと相談し、経営陣にも共有してもらい、全社会のアップデートをすることにしました。

大事なのが会の名前。 会のコンセプトとなるものなので、二人の思いつきベースで社内でアンケートを実施し、「カミナシステーション」で決定をしました
(コンセプトや名前を探していると、テレビ番組やラジオ番組の名前に行き当たりました。名前をつけるってすごい難しいので、日々名前とコンテンツを試行錯誤しているテレビ局・ラジオ局へのリスペクトがものすごいことになりました)


役割分担をする

さて、会の名前、つまりはコンセプトが決まりました。
コンセプトが決まると、その後にやりたいことがどんどん出てきます。
(コンセプトって最強だね)

次にコンセプトに対する肉付けと、コンセプトの実行となります。
コンセプト上、テレビ番組のようにやる流れになりました。色々やりたいことが増えてきたのでそれを絞る必要があること、そして「三人寄れば文殊の知恵」という先人の教えもあり、もうひとり一緒にやってくれる人がほしいね、と
カミナシの全社会でワークショップ職人として名を馳せていた人事のれいちぇるさんをお呼びして、3人ですすめることにしました。

会の運営に関しては、以下のように役割分担をしました。

しんたろうさん:司会進行、経営陣の巻込み、毎回の資料準備
れいちぇるさん:当日の会の運営(スライドの投影や音楽を流す人)、コメンテーター
たかくら:構成作家、司会進行、毎回の資料準備、新入社員の方へのアナウンス・資料作成依頼

そして毎回ゲストコメンテーターを2名呼び、計5名は必ず当日運営に関わる、という構成にしました。

毎回、会のあとに反省会をしたり、次回のコンテンツの話し合いをして準備をしたりと、いいリズムを作れたのは3人だったからだなぁと思います。

クリエイティブを作る

コンセプトが決まり、会の資料を作っていると、何やら欲望が出てきました。
「かっこいいクリエイティブが、ほしい!」
そんなことを自分のチャンネルに垂れ流したら、拾ってくださる職人さんが現れる。それがカミナシのすごいところです…!!!

たかくらのチャンネルでのつぶやきに、すぐに反応をくださるプロダクトデザイナーのluさん

時間が限られている中、プロダクトデザイナーのluさん、コミュニケーションデザイナーのななみちさんに全面協力をいただき、とってもステキなタイトルスライドと司会者用のzoom背景(動画!!)を作っていただきました。

司会者用Zoom背景動画の一部

いざ本番!みんなの反応は…?

バトンの引き継ぎから本番まで、約1ヶ月。
構成を書き、資料を準備、タイトル音楽の選定も終わり、リハーサルも実施。
いざ本番です。
本番初日はZoomのURLを間違える、というやってはいけないやりがちなミスがあったものの、参加してくださるみなさんの温かいツッコミを受けながら無事に進行。

会の内容は以下です。

1. オープニング(3分)
2. YOUは何しにカミナシへ? (新入社員紹介、15分)
3. 全社へのお知らせ (5分)
4. カミナシの今 (各チームOKR発表、60分(間に休憩5分))
5. Thank God It’s Start day (経営陣からの話、5分)
6. 次回予告(2分)

意識したことは、コンテンツを飽きない長さにすること、切り替わりでメリハリをつけること、
そして合間にゲストスピーカーからコメントを入れてもらうことによって、会に関わっている人を増やして、「全社会は全員で作る」というカミナシらしい文化を作り上げていくことです。

当日はとても緊張し、リモートで冷房の聞いた涼しいお部屋で話しているにも関わらず汗びっちょりになりましたが
終わったあとに以下のようなコメントをいただいたり、全社会の運営を通してチームに刺激が加わったり、なにより「カミナシステーション」という新しいことばが定着し、それを中心にしてカルチャーができそうな雰囲気を感じて「挑戦してみてよかった」と思いました。
また、挑戦を応援してくれるメンバーが支えているカミナシっていいなと思いました。

諸岡社長の日報に取り上げられてほっと安心
オンライン全社会オーナーてつやさんからも「次回も楽しみ」との安心のお言葉が
インサイドセールスメンバーの日報にも取り組み姿勢を取り上げてもらいました
エンジニアメンバーがすぐに絵文字を準備してくれます


全社会を運営するポイント5つ

全社会は文字通り全社に影響する取り組みなので、考えるポイントはたくさんありますが、今回は5つあげてみようと思います。


1.全社会の意図を定義し、共通認識化する
2.コンセプトを作る
3.適切な人を巻き込む
4.コンテンツの意図、役割を明確にする
5.「みんなで全社会を作り上げる」仕組みを用意する


1. 全社会の意図を定義し、共通認識化する

会社によって、組織によって、全社会の役割や目的は異なると思います。 中途採用の方が多い組織の場合、前職でどのような全社会を経験していたかによって、「全社会」に対するイメージが異なると思います。
自分の組織、そして今のフェーズではどのような全社会がよいのかを言語化し、共通認識とすることで 次項にあげる「コンセプトを作る」助けとなるかと思います。

2. コンセプトを作る

なにより重要だと感じたのが「コンセプトメイキング」です。
コンセプトは、わかりやすく、イメージを生みやすいものであることが重要です。
今回は某有名番組のフレーズから拝借した言葉が入っていますが、これだけで「この会はテレビ番組っぽくやるんだな」、「なんだか重要な会社の方針とかが話されるんだな」とか「コンテンツがいくつかあるんだな」とかを想起させることができます。

そして口に出しやすいものであることによって、組織に定着します。
「カミナシステーションで話した〇〇だけど、、」
「来週のカミナシステーションでOKRの発表をするから、今週中にOKRの文言をチームで固めておこうね」なんて話がでるようになってくると、もうそれはコンセプトが定着し、ひとり歩きしている状態だと言えるでしょう。

3. 適切な人を巻き込む

いわずもがなですが、なにかの施策をやるためには一人ではできません。
大きい施策になればなるほど、巻き込むべき人や話を通しておく人は増えてくるでしょう。
目的はコンセプトの実現なので、「こんなコンセプトでやりたいんだけれども、自分たちだけではできないので、助けてほしい!」と助けを求める勇気を持ち、コンセプトを一緒に体現してくれる協力者をみつけましょう

4. コンテンツの意図、役割を明確にする

全社会の運営で人々を悩ませるのが「どのようなコンテンツにすべきだろうか」「どんなコンテンツだったらみんなを飽きさせないで最後までできるだろうか」ということかと思います。
コンセプトが明確であれば、自ずとコンテンツが明確になることもあると思いますが、その組織の状態、フェーズなどによって必要なコンテンツは変わってくると思うので、必要なタイミングでチューニングをするのがよいでしょう。

5.「みんなで全社会を作り上げる」仕組みを用意する

これはカミナシの場合に限った話かもしれないですが、カミナシではこの全社会を人事やコーポレートだけでなく、自分やしんたろうさんのような事業サイドの人を巻き込んで運営をしていることからもわかるように、「組織全体で全社施策を実行する」という文化があります。
その文化を会の中でも体現していきたい、ということと カミナシは当時新しいバリューを制定したところであったので、その浸透のためにも 一人ひとりにインタビューをする、ゲストとして会に呼ぶというような仕組みを盛り込んでいきました。

全社会は会社を体現するまさにそのもの、でもあると思うので 「どんな仕組みが自分のチームらしいか」を考えて、盛り込んでいきましょう。

そして、今日も組織は生きている

カミナシはリモート主体の人、リモートと出社をする人、出社する人と働き方がさまざまな組織です。
かつ、ありがたいことに毎月新しい仲間を迎えられているフェーズで、組織の人数や体制も日々変わっているステージです。
そのため、全社会の運営も日々変わっていく必要があり、来月にはまたカミナシステーションは新しいカタチに進化をしているでしょう。



日々環境が変わっていく中で全社取り組みを運営しているみなさんに感謝しつつ、 このnoteが面白かった、ためになったな、という方はスキ♡をポチっとしてくれるととても嬉しいです。
みなさま、よろしくお願いいたします。


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