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「アーリーステージ」を卒業するためにバリューを改定した話

カミナシでは、2022年7月に新しいバリューを2つ追加し、5つのバリューを「KAMINASHI 5 VALUES」としてリニューアルして公開しました。

新しく追加されたバリューは「自分リノベーション」「外向きベクトル」の2つです。

KAMINASHI 5 VALUES

今回は、バリュー追加の背景や、新バリューの内容について書きたいと思います。

バリューの位置付け

はじめに、そもそもカミナシにとっての「バリュー」の位置付けを書きたいと思います。
カミナシにとっての「MVV」の定義は以下図の通りです。

それぞれの定義を言語化するとこうなります。

つまり、カミナシにとってのバリューは「ビジョンを実現するための有用な手段」という位置付けになっています。そのため、バリュー自体を目的化してはいません。

バリューの歩み

現在のバリューは2020年10月にミッションとともに策定した「現場ドリブン」「全開オープン」「β版マインド」という3つのバリューが原型となっています。当時の社員数は10名程でした。
その後、バリュー策定から約1年後に説明文のマイナーアップデートを経て、以下のような形になりました。

このバリューは社内でもうまく浸透が進み、ここまでの会社の成長を支えてくれました。まさに「ビジョンを実現するための有用な手段」として、効果的に運用できていたといえます。

これまでカミナシが成長を続けてこれたのは
・素晴らしいプロダクトを作れたこと
・優秀な仲間が集まってくれたこと
など様々な理由がありますが、今振り返って最も重要なターニングポイントだったのは、2020年10月に強いミッションとバリューを発明できたことだと思っています。

そして、バリュー策定から2年弱がたち、正社員で60名を超え、業務委託や副業の方など入れると100名規模の組織になったいま、新バリューを2つ追加するという大きなアップデートをかける決断をしました。

なお、バリュー改定と併せて、新しくビジョンも策定しています。ビジョンについてはこちらの記事でCEO諸岡が紹介していますので、よろしければご覧ください。

なぜいま変える必要があったのか

組織規模が拡大すると、10名だったころには想像もしなかった組織課題が出てきます。カミナシが「アーリーステージ」を卒業し、次のステージの挑戦者として戦っていくためには既存の3つのバリューだけでは不十分でした。

具体的には、このような組織課題を感じ始めました。
1. 「内向きな矢印」が増えた
2. 変化に適応し続ける大変さ

「内向きな矢印」が増えた

プロダクトのリリース直後で社員数10名規模だった頃は、とにかくプロダクトマーケットフィットを目指してユーザーに向き合うことに全員のマインドシェアを使っていました。社内コミュニケーションも朝会で話せば大体解決するので、非常にシンプルです。

しかし、社員数が増えれば、そんなシンプルにはいきません。
チームが増え、ルールや制度ができ、多様なバックグラウンドを持つ社員が増えてきます。また、当然ながら事業自体の複雑性も増してきます。

その結果、どうなるか。徐々にマインドシェアが社内や自分など「内向き」になる場面が増えてきます。
これまでは目の前のユーザーに向き合っていればよかったのに、知らず知らずのうちに周りが気になったり遠慮してしまい、もやもやした気持ちを抱えてしまう割合が少しずつ増えてきました。

また、カミナシのメンバーは比較的平和主義で優しいタイプの人が多く、率直なコミュニケーションが苦手な人が多いという特徴があり、時に直接話せばすぐに解決する問題がうやむやになったままになってしまうこともありました。

このように1つ目の課題は、社員数が増えても全員がユーザーや社会に意識を向けていけるように、オープンなコミュニケーションスタイルと外向きな文化を作っていくことでした。

変化に適応し続ける大変さ

CEOの諸岡とよく話しているのですが、経営陣は毎四半期ごとに職種転換をするのと同じくらい大きな変化を強制されます。会社の成長に置いていかれないように必死に自分自身をアップデートし続けている感覚です。

こういった変化は経営陣だけではなく、他メンバーにも同様に訪れます。チームの人数が倍になれば、個々人に求められる役割・期待値は、短期間で予想もしなかった形に大きく変わっていきます。スタートアップではそのような変化が年中続きます。

また、会社を知ってもらえる機会が増えてくると、様々な企業で活躍してきた経験豊富なメンバーがどんどん増えてきます。新しく入ってきたメンバーは、これまでの方法や考え方を変えることを恐れずにアンラーンして学ぶ必要があります。一方で、以前からいるメンバーは、新メンバーの異能や異才を取り入れ、進化していかなければなりません。

2つ目の課題は、こういった非連続な変化に適応し、変化を恐れて現状維持するのではなく、変化を成長につなげていける組織を作っていくことでした。

これらの課題感に対して作ったバリューが次の2つです。

新バリュー 『外向きベクトル』

「外向きベクトル」
すべての矢印は、外に向かっているか。 
内向き思考にハマり、遠回りしていないか。 
未来のため、社会のため、相手のため、 正直に伝える勇気を持とう。 
互いに背中を預け合い、まっすぐコトに向かおう。

カミナシでは、元々「こと」に向かうという言葉が社内でもよく使われています。元々DeNAさんがバリューとして使われているもので、自身も好きな言葉です。

数千、数万名規模の会社になっても、自分都合・社内都合ではなく、ユーザーや社会など常にベクトルを外に向けて、まっすぐ「こと」に向かえる組織であり続けたいという意味を込めて、作られたバリューです。

新バリュー 『自分リノベーション』

「自分リノベーション」
変化できる組織と個が、一番強い。 
激しく環境が変わっていく中で、 これまでのやり方を変えていこう。
新しい価値観や才能を取り込もう。
変化し続けることで、さらなる成長を手に入れよう

スタートアップで働いていると避けては通れない「変化」に向き合い痛みを伴いながら、会社の変化以上のスピードで自分を変えているメンバーをみると強い尊敬の念を感じます。
スタートアップは、とにかく変化できる組織や個人が一番強い。

こういった価値観を全員で共有し、全員が定期的に自分をアップデートしていける組織を作っていく必要があると感じ、作られたバリューです。

KAMINASHI 「5 VALUES」

今回は、これら2つの新バリューを加えた5つのバリューを「5 VALUES」として策定しました。

社員数が増える中で、解釈にぶれが出ないようにこれまでより説明文をあえて長めに、具体的に定義しています。(※他3つのバリューも文末で紹介しておきます)

また、バリューの意味を視覚的・直感的に理解しやすいようにイラストもセットで作成しました。

KAMINASHI 5 VALUES

バリューの強度にはレベルがあると感じています。
レベル1:皆が知っていて、好きでいる状態
レベル2:意思決定、評価、採用の基準として使われている状態
レベル3:全員が日常業務の中で自然に体現できている状態

新バリューを発表したオフサイトミーティングのアンケートでも社内からは軒並みポジティブな反応をもらっており、レベル1にはすぐ到達できそうな感覚です。
直近は、レベル2の状態を目指して新バリューを採用や評価など各プロセスへの落とし込みを進めています。

カルチャーブック。カミナシの新MVVがまとまっています
オフサイトミーティングでは、新バリューが描かれたうちわが配られました


また、バリューを策定すれば、勝手に会社のカルチャーができあがる訳ではありません。

「全員が日常業務の中で自然に体現できている状態」であるレベル3を実現できて、はじめてバリューが会社のカルチャーとして昇華されると考えており、バリューの強度を高めるために取り組んでいきます。

おわりに

今回は、カミナシの新バリューの内容や、バリュー策定の背景について書きました。

こんなバリューに共感してくださった方!カミナシでは、ほぼ全ポジションで積極的に採用中です!

「ちょっとだけ話を聞いてみたい」という方は、30分でカミナシのことをご説明します。こちらのMeetyからご連絡ください。

求人一覧はこちらです!

付録:「5 VALUES」の全文紹介

2022年8月9日時点の全バリューの内容をまとめておきます。

「現場ドリブン」
顧客が求めるものは、常に現場にある。
社内・社外それぞれの現場で、望みや痛みを自分ごと化する。
すべてはそこから始まる。
自分にとっての顧客に泥臭く向き合い続けよう。

「全開オープン」
オープンさは戦術だ。
プライドを捨てて、弱みを見せる強さを持とう。
情報を共有し、全員で問題に取り組もう。
互いを知り、前提が揃えばどんな難問も解ける。
全開で、全力で、勝率を上げていこう。

β版マインド
限られた時間や情報の中で、最大限考え尽くしたなら、
すぐに一歩を踏み出そう。
100%の確信を待っている時間はもったいない。
成功も失敗も前倒しして、そこから学べばいい。
その繰り返しが、前例のない大きな成果につながっていく。

「外向きベクトル」
すべての矢印は、外に向かっているか。 
内向き思考にハマり、遠回りしていないか。 
未来のため、社会のため、相手のため、 正直に伝える勇気を持とう。 
互いに背中を預け合い、まっすぐコトに向かおう。

「自分リノベーション」
変化できる組織と個が、一番強い。 
激しく環境が変わっていく中で、 これまでのやり方を変えていこう。
新しい価値観や才能を取り込もう。
変化し続けることで、さらなる成長を手に入れよう

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