読書感想文「夜明けのすべて」瀬尾まいこさん *映画とくらべてみた
映画を観て、本とくらべてみたくなったので文庫本を購入。
映画を先に観てから、原作本を読むのははじめてだったかもしれない。
ちなみに映画の感想はこんな感じでした。
https://note.com/_ryu_boku_/n/n4810c2620d0b
読み終えて(読み進めて?)まず感じたのは、原作と映画で内容というか描かれ方が結構違うんだな、ということ。
ただ、それは不快に感じるものではなくて、限られた時間のなかで映像表現する映画ではあの描き方が良いと感じたし、原作もとても良いものだった。
原作本の方が良いと感じたところ
エンディングは、原作本の方が個人的には好きかもしれない。
うまく表現できないが、「その先の二人」を期待させてくれる気がして。
原作本でも映画でも、二人には何も起きなかった。
(正確には、男女としての何かは起きなかった。)
この先も何も起きないかもしれないけれど、何か起きるかもしれない。
原作本はそこに余白が残されていて、読後にちょっと笑顔になれた気がする。
あとは、パニック障害の症状について映画よりも詳細に描かれていて、共感できる部分が多かった。
特にこの2つ。
・予定をこなせるかという不安
今も、公私問わず予定を組んだ後にそれをやり切れるか不安になる。
楽しみであればあるほど、不安が強くなる。
今は少し落ち着いたが、コロナ禍のときは特に強かった。
・美容院のハードル
たしかに、動けないことに不安を感じる人がいるのだろうなと思った。
僕はシャンプーするときに視界を塞ぐあの布(タオル?)が苦手。
そして、不安を感じる様子が詳細に描かれているので、読んでいて共感しすぎて苦しくなる人もいるかもしれないと思った。
でも、苦しくなったら本を閉じればよいのが、読書のよいところ。
映画の方が良いと感じたところ
これは映像だからできることなのか、主人公二人の周りにいる人たちの「ほのぼの感」がとても心に残っている。
なかでも、エンディングの映像が何度も思い浮かぶ。
あの多幸感は、映像ならではなのだろうか。
本当に素敵だった。
あとは、映画の方が良いというわけではないが、映画を先に見たので登場人物の表情や声を思い浮かべながら読書が出来たこと。
よい体験ができた。
どちらが好きかと言われれば
どちらも良い作品なので優劣をつける必要はないのだけれど、強いて言えば原作本の方が好きかもしれない。
何はともあれ、まわりの人に優しくできる余裕をもって暮らせるようにしたいものだなぁ。
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