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ワーママ転職3つのハードルから考えるキャリア選択のポイント

法人向けヘルスケアサービスを展開するiCAREで広報をしております、お みりです。転職はこれまで2回経験し、その2回目が現在の会社で、ママとしての初めての転職でした。それまでの5年間私自身に起きたことは、結婚、駐在(帯同)、出産×2(育休)、引っ越し×3、保活、職場復帰。大部分は想定外のタイミングで起きたようなものですが、それらの経験があったからこそ自分のキャリア選択の軸が整理されて、今に至っていると思います。入社半年が経過したタイミングでちょっと振り返ってみたいと思います。


1回目の転職

1回目の転職は25歳の時。風通しがよく創業者のDNAが細部に行き渡るメガベンチャーの広告会社から名もなきレガシー産業の会社へ。部署だけで30名以上の規模感から全従業員30名未満の規模感へ。東京ビックサイトで開かれる全社mtgが雑居ビルに入るオフィスの一画の会議室にて開催へ、というとそれはそれもうご想像いただけるでしょうか・・・。それ相応のギャップ・苦労がありました。

ただ、当時は20代半ばで独身。何かを守る必要もなく、動物的感覚で好奇心の赴くまま行動ができるハートの強さをもっていたので、当たって砕けろ(砕けてはないですが)精神で実行に移したわけです。

転職の際に、業務で扱う商材・ターゲットの優先順位は人それぞれだと思いますが、私の場合は重要でした。一応最初の会社はフリーペーパーを扱う会社、2社目は女性向けの健康情報誌の企画・編集プロダクション。どちらもメディアを扱っており、「誰に何を発信するのか」それによって「読者/ユーザーの何に影響するのか」というポイントは入社動機の一つになっていました。キャリアアップより、キャリアチェンジを選べるのも今だからこそ。仕事内容も身につけたいスキルもここから具体的に変わっていきました。

2回目の転職

そして2021年の春、2回目の転職でiCAREへ。結婚して2児のママとしての転職でした。それもミャンマーに駐在&2児の育児休業3年間を経て日本に帰国したのが1年半前、復帰してからほぼ1年後の転職です。それはそれは・・・相当な想いがあった、と思っています。

■育休から復帰後1年で転職した背景

そもそも育休を3年もとるなんて、全く想像もしていない人生でした。たまたま結婚しようと思った相手に海外駐在の辞令が出たため、急速に色んなことを決めていかなくてはならなかった。職場の進退を即座に決められなかったのが本音です。夫との将来は考えていきたいし、いつかは母親になりたいという気持ちもありましたが、「何歳で、キャリアがどんな状態にあるときに出産し、その後のキャリアをどうしていくのがベストか」なんて考えられる人いないんじゃないかな・・・考えてその通りに行く人なんて少数なのでは?と思います。

復帰後1年で転職したという経過した時間は特に意味はなく、自分の大事にしたいこと、今後のキャリアについて少しずつ見えてきたのが1年経過した頃だった、というのが答えかなと思います。

ただ、今の仕事・状況ではまずいな、と気付かされたのは何より職場復帰したこととコロナによる働き方の変化、2つがキッカケです。

■職場復帰+コロナで気づく2つのこと

保活のことも一切知らず、日本のお母さんの保育環境や雇用環境についても(興味もなかった)前情報なく、突然の帰国辞令とともに始まったのが、2児同時の入園プラン。子育てにおいてこだわりもそこそこあったので、20件くらい保育園・幼稚園を見学し、いろんなパターンを検討しましたが、まずは2児を別々の園に入れてなんとか復帰。(兄弟ポイントの加点で次男を長男の園に転園させる計画で、保育園の近くに一軒家を購入するというエピソードはまた今度)

何よりも感じたこと、1つ目は「時間がない」。

「時間がない」って言い訳。「時間はつくるものだ」と教わり、教えてきた私ですが、この表現以外思いつかない程に時間がありませんでした。仕事の時間が確保できないので、時短勤務は2週間で解消し、フルタイム勤務に変更。幸い、当時の会社がフルタイムフレックスを導入していたので。

また、iCAREの事業ミッションに惹かれたキッカケにもなる発見も。女性の健康をサポートする情報誌を発行していたのですが、健康行動以前の情報収集においても個人の生活や心境が関係する、ということ。以前まで関心があっても、その優先順位が下がる、私がまさにそうでした。逆も然りですが。有益なコンテンツであっても、受け手に届いて初めて影響する。ということ。身をもって実感したんです。

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もしかしたら子どもの年代にもよると思いますが、母親は自分以上に家族の健康を守り、優先し、自分の健康を守る行動をとることが物理的に困難なんですよね。たぶん気合いで乗り切ってるのかな。笑

時間がないことによって余裕がない、そして子供にイライラしたり、夫との喧嘩も増える、そんな自分を隠して仕事ではポーカーフェイス。ただでさえ3年も休んでいて、色々と世の中のキャッチアップが追いついていない状況なので、仕事での甘え・弱音は許したくなかったのです。

そんな感じで年度替わりへ。コロナ感染拡大の3月、事業転換を見据えて広報の立ち上げを提案し、広報に任命されました。その間に引っ越しを控え、兄弟同園になる可能性が高かったので、勉強と業務時間創出が叶う予定が立っていたはずでした…その後まさかの4月から緊急事態宣言で2ヶ月間の保育園休業とは知る由もなく。

どうやって乗り切ったのか覚えてないくらい大変だった気がしますが、そこはもう必死の一言に尽きます。

コロナによって育児時間と業務時間のバランスが取りづらい状況が続く中、広報の研修やセミナーなどで勉強を続けつつ、いくつかの業務を兼任し、秋頃にようやく事業転換がまとまったことで、広報かつプロジェクトリーダーとして、一大企画をスタートさせました。少しだけひと息ついた頃、ふと気づいたんです。自分の身近な、大切な人を大切にできていないことを。これが2つ目の気づきです。コロナで命の尊さ、健康であることの重要性を改めて突きつけられはずなのに、有限の人生で自分のこの生き方で良いのかと。

プライベートで心と時間の余裕を完全になくしてしまうくらい、事業の転換期にある当時の仕事にエネルギーを費やしていたのですが、かといって前進している実感も自身の成長実感もなく、ただすり減っている状況でした。体制や部署が変わり、直属の上司や責任が変わったこと。事業の成長ベクトルとスピードが自分の描くそれとズレていたこと。これらによるストレス、エネルギーの浪費があった、のだと思います。あぁ、仕事ってこんなにストレスを受けるもので、プライベートへの影響がこんなにも出るもんなんだな、と思いました。

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子どもへのイライラはまぁ定期的にありますが、幸いにもコロナによる働き方改革のおかげで夫との育児の共同時間と会話時間が増えたことで、関係性は良くなっていき、私の盾と鎧を少しずつ取り除いていく助けになってくれました。これからのキャリアについて頻繁に相談、議論したりも。

そんなこんなで転職を決意し、サイトに登録してゆるやかに転職活動を開始しようとする頃、iCAREを紹介してくれたizulの續さんから、

「あなたの転職活動、それでいいんですか」

ってメッセージもらったのがキッカケで、さらに転職動機がシャープになり、色んなことを進めていくことに。


ワーママにとって3つのハードル

ストレスフルな状況を打開すべく決意した転職でしたが、續さんのおかげで、キャリアはもとより、自分の人生のこれからについて言語化が進みました。(最後の最後まで求人紹介の気配がなく、本当に仕事なるんかな?って思ってしまうくらい、私の思考整理にお付き合いいただいて、本当に感謝です。これまで出会った転職エージェントや、担当者で満足できなかった方、さらに30代前後でライフステージの転換を経験している方にぜひお勧めします笑)

当時を振り返りつつ、今もなおワーキングマザーとしてハードルと感じることは3つあります。

1.長期的なキャリアプランを描くこと

それは、家族をもったことで優先順位が変わったこと、母業に限らず、妻業でもいつ何が起こるかわからない体験をしてきたことが理由です。

大学卒業時から数年間くらいまでは「何歳の時にどういう状況で、どういうスキルをつけておきたい」「こういうことを実現したい」など、多少はキャリアプランをもっていました。同期からも結婚は遅そう、もっというと高校の卒業文集でもクラスで結婚が一番遅そうな人ランキング1位という名誉な称号(笑)をいただいていたくらいです。

ところが、何が起こるかわかりませんね。20半ばで今の旦那と結婚した時くらいから狂っていきました(笑)一人で帰国して復帰することも検討したくらい、凄く悩みましたが、目の前の小さな命を見ると優先順位の答えなんか考える余地もないんですよね。

特に、乳幼児期ってギャグなの?ってくらい頻繁に発熱するし、“子育て” というより“世話”なので、手をかけることが多い。2人の育児を経験しながら予測がつくことも増えてきましたが、これから先も状況によって突然決定しなくてはならない、自分が大事にしたいことを実行できない状況はあると思います。

「落ち着いたら考えよう」「何年後にチャレンジしよう」というのは不確実=いつまで経ってもできる見通しは立たない。だからこそ、今チャレンジしたい、今身につけたい、と思えば実行する。希望により早く到達できる環境を選びたいと考えました。

2.労働時間のリミット

仕事終わってないな、となってもある時間になると別の試合が始まるため、準備を開始せねばなりません。私の場合、基本的には毎日17時にはお迎えのため退勤です。お迎えがなくても、夕食・入浴・寝かしつけまでの時間はアイドルタイムではなく、試合の真っ最中です。(笑)

独身時代はもとより、結婚しても別々に暮らしていたので自分のことだけ考え、同居しても夫は基本帰りが遅いので気にすることもなく・・・という時期もあったのですが。

リミットはありますが、「あぁ終わらなかった、また明日やろう」というわけにも行かない。仕事にも時間の流れはあります。1であげたように、急に発熱したり、予定が変わってしまうこともあるため不確実です。限られた時間でパフォーマンスを上げる工夫は必然で、限られた時間だからこそ、1日24時間の濃度を高くしたいと考えました。

3.自己投資やスキルアップの時間の確保

週末やればいい、仕事以外の時間でスキルアップすればいい、は難しいです。週末は学校がないので朝からエネルギー有り余る子供たちがそこに居るわけです。可能な時は夫と交代で自分時間を作るようにはしていますが、その2~3hではヘアサロン行ったり、買い物したり(それも食品とか子供のもの買ったりね)してあっという間に過ぎてしまいます。連休や長期休暇があれば、遠方の家族・親戚を訪問したり、アウトドアやレジャーも計画します。その中で読みたかった本を読んだりできれば、それはそれは幸福感に満ち溢れますが、その時間創出は不確実です。

従って、仕事の時間こそスキルアップの時間、成長実感のもてる時間にしたい働く仲間、働く環境から得られる刺激を自己投資に変えたい、と考えました。

ワーママにとって魅力的な企業は

「ママ」に限らず、今結婚を悩んでいる人や結婚して子どもを考えている人、もしくは家族の何らかの事情で優先順位が変わりつつある人などにも共通することがあるかもしれません。少なくとも、私の場合1~3のハードルを経験したことにより、下記の3つのポイントを大事にしたいと考え、転職先を検討しました。

・今したいことを選択する、それができる環境
・働く時間の濃度
・働く仲間、働く環境からの刺激=自己投資

転職活動するにも時間の創出が難しいのが実際でしたが、コロナのおかげもあって基本的にはほぼオンラインだったことは幸運です。また、カジュアル面接の機会をうまく活用し、エントリーする企業を最小限にしました。

スタートアップの選択肢は?

私はiCAREという法人向けヘルスケアサービスを展開するスタートアップ企業を選択しました。ベンチャーといってもナレッジ豊富でマニュアルもある程度揃っている新卒で入った会社、出版業界の掟に守られた、目標達成や成果よりもクオリティ・バランス重視の保守的な2社目、そして山手線の乗り換え方法や日本語の読み書きを忘れるくらい時差ボケをくらったミャンマーでの育休3年間。そこからのiCARE入社は抵抗がなかったと言えば嘘になります。ただ、自分の興味関心、やりたいこと、ビジョン・ミッションへの共感、全てにマッチしていて、覚悟して臨むしかないという思いでした。最終面接の結果は1日で返事しろ、と言わんばかりの圧も感じましたし、悩んでいる暇はなかったです(笑)でも、入社して半年が経過した今、後悔はありません。少なくとも、「こんな自分は嫌いだ」「こんな人生良くない」と思っていた半年前の自分はいません。

スピード・クオリティについていくのはもちろん、期待を超える成果に結びつけることは容易ではないですし、弱音だって吐きたくなる時もありますが、自分への投資になると信じて選んだことなので後戻りはできません。

ここまで散々「ママ」の転職について書いてきましたが、ママであろうと無かろうと「何時に終わるか」「休みはどうなのか」「制度はどうか」みたいな条件面最重視の方がいるとすると、スタートアップの選択肢はないのかもしれません。

iCAREとマーケティングチームの実際

入社してわかったことですが、同じマーケティングチームの女性陣が私含めて4名全員ママです。上司に聞くとたまたまそうなっただけ、らしいですが。

雇用形態は違いますが、条件に当てはめて入社を希望した人は一人もいなさそうです。もちろん、重視したことは人それぞれ違いますが、ママだからと言って何かを言い訳にせず、また「仕事」を諦めずに「今できる最大限」を大事にしているのは共通している気がします。

iCAREの場合、ヘルスケアの会社なので、働き方に制限が発生しやすい「ママ」であっても働きやすい制度があります。いわゆるスタートアップと異なる点はあるのかもしれません。また、健康経営を掲げながら事業も人員も急拡大しているスタートアップなので新しい施策や人事制度をどんどん取り入れている面はあります。

事例がなくても相談できる環境はスタートアップの方があるように思うので、「自分が何を実現したいのか」という想いが仕事をする上で重要な人+そのための意見交換・コミュニケーションを躊躇しない人は向いていると個人的には思っています。

iCAREは新年度開始が8月です。先日、全体合宿という名のキックオフがあり、なんとなんと下期のチーム賞にマーケティングチームが選ばれました。ひとり広報なので、チームの一員として選出してもらえたことが嬉しいですし、皆が頑張っていたのがわかっていたので余計に込み上げるものがありました。導いてくれたマネージャー陣、多様性を尊重してくれるメンバー、同じ乳幼児抱えながらスタートアップのスピード・クオリティにキャッチアップできるよう、お互いを鼓舞し合いながら乗り切ってきたママメンバーたちに感謝です。その心強さたるや。(個人の成果についてはまだまだこれからなので、こっから頑張れよと言われているのだと理解してます笑)

※現在広報はチームとなり、人事総務部に所属しているため状況は異なります。

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「ママ」として働くことは特別ではなく、現代社会においてもはや珍しくもなんともなく、特に都市部では一般的な選択になっています。私自身も特別だとは思っておらず、むしろ誰もが選択できる訳でない現実がある中でこの境遇には感謝しています。

一度や二度ではなく、何度もキャリアを諦めかけ、「女性」であることを憂いたりもしました。自分で自分を疑うくらいストレスからなのか(?)別人格の自分にも出会いました。それでも今の選択ができていることを考えると、乗り越えてきてよかったな、と思っており、この学びを仕事や誰かのために役立てたいと考えています。この記事もそんな誰かの気づきになれば幸いです。







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