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【シネマでおジャマ】 HOKUSAI (2020)

娘ちゃんがふと立ち止まり、
「ママン、この映画。」
と言われて見たポスター。
「HOKUSAI...北斎! 」
あ〜、よく気がついたね、娘ちゃん!
あら、こりゃ一緒に見に行かなくちゃ。

ちょうど今は春休み。先週行ったアートスクールの春休み講習がなかなかのグッドプログラムだったらしく、ご満悦だった娘ちゃん。
遠近法、骨格と筋肉、ヌードデッサン、植物園スケッチ、美術館訪問と盛り沢山だったらしく、基本のキが習得できた様子。
姐さんもこれでちと安心😊

そんな中で、やはり姐さん担当はジャパニーズアートでござんすね。
ちょうど良い機会。去年の夏の東博もなかなか楽しかったようですし。


いやっ! 実は記事書いたつもりが、途中で止まってて書けてなかった?
今度の夏までには書いときまヒョ。

やはりジャパニーズアートと言えば浮世絵かっ。
ペリーさんが来て開国して以来、色んなモノが日本には入ってきましたね。
その代わり出てったモノも。
それが貿易じゃ、それが国際経済じゃ、それが利益じゃ、ってことを文明開化で学んで以来、日本でもスキヤキ食べたりポートワイン飲んだり出来るようになったんですけどね、ダメですよ。
浅草辺りの露店で、こんなんもう古っ!
なんて言いながら『よりどり一銭』とかで売っちゃあ。
一銭って言ったらその頃、かけそば一杯でお釣りが来る値段だ。
有田とか伊万里とかのキレイなお皿なんかもガイジンさんに売って一儲けってんで、荷造りする時に浮世絵で包んだりしちゃあ。だからボストンだ、大英だとかで簡単に浮世絵展覧会ができちゃうじゃないですか。
そうすると、まだ公務員の初任給が70円ぐらいの時、それを一枚数百円で取引したり、それをまた、いやそりゃあウチのモンなんで戻していただかないと、なんつったってこれだけ値段がつり上がっちゃったんじゃ、タダで返すわけにはいかんでしょ、とばかりに高額要求されて国際問題になっちゃうようなご時世じゃないですか。

ま、ややこしい話は置いといて。



四大浮世絵師
と言えばこの面子。

・歌麿 1753  〜 1806

・北斎 1760 〜 1849

・写楽 1763 〜 1820 (生没年不詳の為推定)

・広重 1797 〜 1858

そして彼らの作品を出版していた版元と言えばこの人。

・蔦屋重三郎 1750 〜 1797

ただし、今回映画の中では、蔦屋重三郎も重要人物であるため、彼の没年生まれである広重は顔を出さない。
と言うことは、歌麿、北斎、写楽の絡み。

北斎は昔、緒形拳サンのやった新藤兼人監督(乙羽信子さんの旦那さん)の『北斎漫画』(1981)という映画があり、一度見たことがあったが、さすがに姐さんお若くていらっしゃった。
これはっ!と思った音楽も武満徹の遺作でぎょぎょぎょであったが、ココで北斎晩年の『蛸と海女』(ちょうど拳サンのバックにちら見え) 実写版を見て再度ぎょぎょぎょ🐙
姐さん、アマかったー! 海女だけに。
タコ好き姐さんこりゃトラウマ。忘れられませんよ、もうこの絵。




またその海女役は若き日の樋口可南子さんですからね、オジサマ方もあはん♥ですよね。

そして父親そっくりの娘ちゃん、お栄にこれもまた若き日の田中裕子さん。
『天城越え』ほど色気ダダ漏れではないですが、なかなかのイキりっぷり。


実際、お栄さんもあれだけのオヤジ様のそばにいたもんで、血は争えない。
詳細はこちらの映画『百日紅(さるすべり』(2015)に。原作はお江戸専門家の杉浦日向子さんの筆で。


お栄さんだってね、描いてましたよ。
葛飾応為って名で。何でも北斎にいつでも「おーいっ!」って呼ばれてたんでこの名にしといたっていう人ですから。


葛飾応為『吉原格子先之図』

いや、それにしてもこりゃスゴい!
何たる才能!
しかし女であることが災いした。
しかも嫁いだ先が悪かった。もちろん旦那は絵師。しかもほぼ無名。そして彼女の性格だ。
旦那の仕事を鼻で笑っちまった。
そりゃアウトです。速、おヒマ頂戴の出戻りに。
いやぁでも今とは違うご時世。
当時は幾ら巧くったって名前なんかは残せません。

彼女は幸か不幸か、それ程の美人でもなかったお陰で(?)、美人画はオヤジ様も認めるお点前。
見てくださいよ、この『三曲合奏図』。
忙しいオヤジ様の代わりになって筆を取った、という説さえ存在いたします。

で、そのオヤジ様、なかなか難しい方だったようですが、庶民へのお手本草子として出したのが『北斎漫画』でございました。
庶民である姐さんの蔵書の中にもございます。

そしてその中、第2巻にはタコの手本もございます。
既にどこぞの方が巻かれております。当時タコとはコワイイキモノだったのでしょうか。


そして、歌麿の場合は、巨匠溝口健二監督の『歌麿をめぐる五人の女』(1946)がありました。
ポスターは「君は天然色」ですが、本編はモノクローム。

浮世絵師って背中にまで絵描くんでしたっけ?
コレって入墨師…?
右側が歌麿さん、
真中は難波屋おきた役の田中絹代さん
wikipediaより

出ました! お得意三大〇〇。
歌麿作の有名な浮世絵『寛政三美人』で、この右側がお茶屋難波屋のおきたさん。
一応ついでにご紹介しておくと、真ん中が芸者の豊雛さん、左側がお煎餅屋の看板娘で高島屋のおひささん。
みなさん、なかなか色っぽいっすね!
後世にまで美人で名が残ってスゴいっす。
今のオジサマ方がかつて、
♪今のキミはピカピカに光って〜
とか歌いながらジーンスを脱いでくれた女優さんに癒やされていたように(姐さん、古っ😑)、寛政時代のオジサマ達もこの三美人に癒やされてたんでしょうねぇ。



もっと癒やされたい方は、フル映画本編をどうぞ。


そしてもう一人ご紹介しておきたいのは、なんだかんだでしゃらくせいっ! の『写楽』(1995)。こちらは篠田正浩監督(岩下志麻さんの旦那さん)でした。

ココでは姐さんご贔屓の真田広之さんが写楽役。
謎の多いこの画家の研究家、フランキー堺さんも版元蔦屋重三郎役で出ております。



写楽の活動期間はたった10ヶ月。
そのうち役者絵を145点。
本名、生没年、出生地、家族、師匠等すべて謎。

ただ現在の研究では、江戸八丁堀在の阿波候のお抱え能役者、俗称「斎藤十郎兵衛」ということに。

ただしご存知かとは思いますが、聚楽とは別物です。
あしからず。




何はともあれ、この光景はやはりニッポン人の心に、そして世界の人々の心にしっかり焼き付いておりますねぇ🌊

「神奈川沖波裏」1831


そして、その「富嶽三十六景」は、新パスポートのページにも登場。



更にその有名な絵は、2024年に発行予定のシン・千円札にも登場するようですね😊


日本を代表する「HOKUSAI」に改めて感動した姐さんでした。

いやん♥







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