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パリさんぽ! #41 〜 赤を愛して、なが〜く愛して


10月もささっと時が過ぎ、あちこち行き詰まっておりますともう冬時時間もすぐ目の前。
ラグビーワールドカップの決着も今夜決まるというところ。

カンの良い、感度のヨイ姐さんのフォロワーさんならそろそろですよなっ! てなもんや三度笠。



前回のポップでカラフルな夏の上半期。
こちらからざっと半年。
ハイ、恒例の現代アートのお時間です。

今回は、はてそろそろ。
と姐さんの方から友に探りを入れますと、最近フリーでおひとり立ちされて以来大忙しの彼女。
「姐さん、こちとら首が回らずアップアップでやんすから、どーぞおひとり様で楽しんで来んなまし。」

ありゃ、そりゃイカないわけにいかんぜよ。
今回からは招待状もモダンなデジタル。
サラッと転送のちょちょんがちょんと来たもんだ!


ってなわけで、仕事帰りにぷらりとおジャマじゃ。
見慣れた幻想への扉、さて今回の下半期は、


「 マーク・ロスコ 」



前回カラフルでその前はシックにブルー。



で、今日は何色で!?



そう来たら、もちろん今回は、予想的中の赤!
あはん♥
姐さんのフェチカラー、赤を愛して。ちら見えでアドレナリンどきゅん♥

そして今回頭をよぎった音楽はこちら。
赤の似合うオトコと言えば。



ん〜〜♥♥♥
ショスタコーヴィチ(1906-1975)。
ロスコとほぼ同年代。
しかしこちらはガチ旧ロシアのプロバガンダか。

バッハへのオマージュを込めた、『24のプレリュードとフーガ』(1951) であはん♥


では勝手知ったり早速中へ。


パーチーはすでに中盤。
いつもよりちと少ないか?
赤いお花があはん♥
姐さんの赤い爪もお揃い、いやん♥
引っ掛け3杯、徘徊し。
ちと夜風にあたりまひょ。
そういや、ココは『ジョン・ウィック 4』でも
登場したな。悪役の基地とかいう設定で。
それではそろそろイキまひょか。


1903年に旧ロシア、現ラトビアのドビンスク生。
ロシア系ユダヤ人の一家は1913年にアメリカへ亡命。
1925年に美術大学へ入学。
1933年には初個展。
初期の重要な影響はパウル・クレーから。
パステル調の色目からもわかります。
そしてジョルジュ・ルオーから新宗教的なエスプリを。
また美術集団The Ten にも加入。
保守的な価値に抗議。


姐さんも高校生のとき初鑑賞。
パウル・クレー
「この人、光のプリズムが見えた人なんだ。」
ジョルジュ・ルオー
「宗教画でそこまでの厚塗り!
泥にまみれた浮浪者にしか見えん!」
=聖人冒涜?=宗教画リアリズモ=現代的アプローチ



1938年『地下鉄の入り口』
この頃、ユダヤ人に対する恐怖から米国籍を取得。
名前をマルクス・ロトコヴィッチから
マーク・ロスコへ変更。
フロイトの『夢判断』に没頭。
1940年頃から独自のスタイルに開眼。
1946年 『海のファンタジー』
ダリやミロなどのシュールレアリスムに影響されて。

シュールレアリスムとは、1920~40年代にフランスで現れたムーヴメント。

「夢と現実の混ざった状態こそが、本当の現実」
だとされた。


お二人共スペイン人なのよね。
ダリの超絶テクニック、
ミロのぶっとびお子ちゃま感に
よじれますん♥


1948年頃 抽象表現主義へ。


抽象表現主義
とは、1940年代後半にアメリカで現れたムーヴメント。

・巨大なキャンバス
・均一な平面
・創作過程を重視

アクション・ペインティングとも呼ばれ、
キャンバスは闘技場」とまで言われた。
(ジャクソン・ポロックや、ウィレム・クレニングなど)


その中でも、ロスコの技法は、カラーフィールド・ペインティングと呼ばれている。

油絵の具を水彩のように薄く溶き、まるで口の中で祈祷を繰り返す信者の如く、何層も何層も塗り重ねて描く。するとそこには深い透明感と、どこか遠い世界へ連れて行かれてしまうそうな浮遊感をもたらす。


『マルチフォーム』シリーズ。
本格的な抽象へ。
それが段々と縦長&横長の融合へ向かう。


1949年、『No.1』
最早タイトルはなく、順番のみ。
大きさは縦2m、横1m。
わー、奇遇。
この色目、この秋新調した娘ちゃん達への
シーツの色とおんなぢー。
🤩姐さん、よじれるん。
1957年、『薄い雲、濃い雲』
169,6×158,8
人間の基本的な感情の表現を捉える色使い。
そして雲に吸い込まれそう。

それでは、人間の基本的な感情の表現とは?

ロスコが挙げた7つの感情

①官能性
②緊張
③アイロニー
④はかなさと偶然性
⑤機知と遊び心
⑥死に対する明瞭な関心
⑦希望


①官能性
②緊張
③アイロニー
④はかなさと偶然性
⑤機知と遊び心
⑥死に対する明瞭な関心
⑦希望




巨大なキャンバス、均一な平面、何層にも重なる顔料。
これぞまさしく抽象表現主義。
人々はこの色の混じり合いと感情の混じり合いを
感性で受け止めるのだろう。
なぜか自然に惹き込まれ、身動きができなくなる。
多大な感情の揺るぎを感じる。
多くの人が彼の作品を前に静かに涙を流す、
というのもわかる程の強烈さ。
最初はよくわからなかった。
何故こんなシンプルな絵にあれだけの値段がつくのか。今はそんな邪心なく、いつまでも眺めていたい。
色は微妙なブレンドで混ざり合い、
顔料の様々な層が現れる。
下層は上層ゾーンから独立、
顔料の蓄積と全体の流動性の対立が、
埋もれた記憶の深さと回想を現している。


やはり忘れ難い「赤」だ。
全作品を一つの空間で展示することに
こだわったアーティスト。
思い悩み、彼は1970年に66歳で自ら命を断つ。
ねぇ、お兄さん。
美しいわぁ。
コレはまさしくアイロニー。
本当の考えや意図とは違う考え、でしょ?
だってアナタは赤がスキ♥
いやん♥官能だわ。
赤を愛して、なが〜く愛して
こんな毛布でくるんであっためてん!



今回は、作品展示に関するアーティストの希望を
最大限に尊重できた展覧会だろう。


珍しくモノクロームなロトコと
シンプルなジャコメッティのコラボ。
あはん♥

しかもこのモノトーンの作品、どうやら元ネタがあるよう。


ウィリアム・ターナー
『雨、蒸気、速度  ― グレート・ウェスタン鉄道』
1844年


そーかー...
コレをロスコ風に描かせると、あーなる。
シンプリシティ。
いずれにせよ、姐さんよじれる。



秋の夜長に、いつまでも見ていたいロスコ。
パリ、フォンダシオン・ルイ・ヴィトンでの回顧展は、2024年4月2日まで。
ぜひこの官能性をご一緒に。



現在、ロスコの作品を見られるのは世界でもこの3ヶ所。

1) イギリス、ロンドン、テート・ブリテン
2)アメリカ、ワシントン、フィリップス・コレクション
3)日本、千葉県佐倉市、DIC川村記念美術館


日本でも見られますっ!
次回はぜひイキたいん♥



そして、こんな絵を見ながら呑みたいのはこちらら。
ニッポンのウィスキー、『レッド』♥



少し愛して、なが〜く愛して。

あはん♥




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