親権を失いかねなかったのは、知らなかったから
子どもたちと離れて暮らして数ヶ月経ったころ、私が切に願うようになったのは〈円満な別居〉でした。
そう考えるようになったからです。
真剣に考えるようになったのは、息子の担任の先生(*)から、そうしたご夫婦がいらっしゃるとうかがったのがきっかけでした。
(*)我が家の事情をよくご存知で、私が家を出た夏休み中、息子の携帯に定期的に連絡して様子を確認するなど手厚いサポートをしてくださっていました。
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「〈円満な別居〉がしたいんです。どうしたら実現できますか?」
結婚から別居にいたるまでの経緯を詳細に記した年表を持参し、女性相談センターで弁護士相談の事前面談を受けたこともあります。
相談員さんをかなり困らせてしまったようで、
「〈円満な別居〉?
こちらにいらっしゃるのは、〈離婚したいのにできない〉という方ばかりで、〈離婚したくない〉なんて話は聞いたことがありません」
「そうしたケースがないので、弁護士さんに相談しても、ご希望に添えるかどうか……」
とのことで、弁護士さんにつないでいただけませんでした。
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そんなこんなで(?)夫婦関係に改善が見られず、離婚を考えるようになったころのこと。
家族でお世話になっていたカウンセラーさんが、私に言いました。
「親権でもめるだろうけれど、日本の法律はお母さんに甘いから大丈夫」
本当に??
どうにも信じられなかった私は、ネットで調べてみました。
確かに、「母性優先の原則」なるものがあるらしい。
会社勤めをしている私が、経済的な理由で不利になることはなさそう。
でも、子どもたちはもう中学生。
しかも、娘は「パパがかわいそうだから、離婚するならパパと住む」とカウンセラーさんに明言している。
「現状維持の原則」からすると、子どもたちと離れて暮らす私のほうが不利なのでは?
そう考えた私は、離婚に踏み切ることはしませんでした。
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実は当時、カウンセラーさんは夫に言っていたそうです。
「親権はお父さんが取れますよ。お母さんは家を出ているんですから」って。
知識がないって、恐ろしい……
もしも私が、言われたことを素直に信じて行動していたら……
背筋が凍りつく思いでした。
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「悪いのは夫」と考えていた私と、「原因をつくったのは妻」と考えていた夫がまとう、空気の重たさをきたら。
息ができなくなるほどでした。
そんななか、子どもたちは互いに助けあい、本当によくやってくれました。
二人の健気な姿が、私の想いを固めてくれました。
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上記の記事で、つむぎまどかさんが教えてくださった動画▼
離婚後もお子さんたちが父親に会う機会を大切にされている、Akikoさんの言葉▼
どんなに大変な状況にあっても、子どもの選択を心から尊重できるAkikoさんの強さと優しさに胸を打たれました。
「相手は加害者、自分は被害者」といった ”二元論の世界” を卒業されたからこそのステートだと感じます。
愛と感謝のステートにある母親(Akikoさん)と、まだそこには至っていらっしゃらないであろう父親。
お子さんたちは、両親それぞれの ”あり方” と ”愛” を身近に感じることで、〈生きる力〉や〈優しい心〉を育んでいらっしゃることでしょう。
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私が〈母親〉になれたのは、間違いなく、夫との出逢いがあったから。
いろいろなことがありましたが、夫婦となり、親となり、共に歩んでこられたことに、いまは感謝しかありません。
〈夫婦〉という関係がどう変わろうとも、〈父親〉と〈母親〉というそれぞれの役割は生涯続けていくつもりです。
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夫婦関係の終わりが親子という関係まで断ち切ってしまわないように、そして、「誰かのために」考えられたことが他の誰かの犠牲を生まないように、私たちには知っておくべきことがたくさんあります。
血のつながりに関係なく、未来の子どもたちのために、私たち大人が学び、考え、行動をし続けていきたいです。
「私が私である」ことの確信へ導く魔法使い
御影石 千夏
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