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No.12 行動の毒薬「無気力の歴史」3

これまで「学習性無気力感」とは何か?そして「学習性無気力感」が発見された歴史・エピソードについて話をしてきました。

その中でも今回は人間を対象にして「学習性無気力」の研究が進む中である発見が見られるようになりました。それが「学習性無気力」に陥る人と陥りにくい人の間に個人差がみられることがわかってきたのです。

では、その個人差とは何か?どんな人は「自分は無理だ」という無気力に襲われやすいのかを研究しました。その鍵は実は普段の生活ではなかなか気づかない「○○帰属」ということだったのです。


その個人差とは「○○帰属」

一体、どんな人が無気力に襲われやすく、どんな人が無気力に陥りにくいのか?

それを解く鍵は「原因帰属」という考え方であったのです。「原因帰属」とは物事の原因を何かに帰属させることをいいます。

例えば、大学受験に落ちたときに何が理由で落ちたのか?ずっと好きだった人に振られて失恋したときにその原因をどのように考えるのかが鍵となるのです。

※帰属とは「プロセス」のこと。

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その原因をアメリカの心理学者のワイナー(Bernard Weiner)という人が「達成課題における成功と失敗の原因を何に帰属させるのかには人にはあるスタイルを持つ。」と考えを持ち体系化されできたのが2次元原因帰属(あーややこしい(笑))といい「統制」と「安定」の2軸で分けて考える理論が体系化されました。

「統制」とは原因が自分の内側にあるか?外側にあるか?「安定」とは状況が変わるか?ずっと続くのか?ってことです。

起こった結果に対しての「原因」の捉え方を体系化↓

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例えば、失恋(というかフラれた)理由をこの4つの原因帰属で説明すると

「内的-安定」→「フラれたのは自分には魅力がないだからだ。」

「内的-不安定」「フラれたのは自分の努力不足だからだ。」

「外的-安定」→「フラれたのは相手が自分に釣り合ってないからだ。」

「外的-不安定」→「フラれたのは運が悪いからだ。」

このようにそれぞれ起こったことに対して人間は原因の持っていき方が全然違うのです。

日本の調査で分かった事実

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日本の中学生の対象の調査でも原因を何にするかで結果が変わることが明らかになりました。

調査の結果、失敗の原因を内的-安定的だと今後改善の見込みはなくあきらめの感情が喚起され、結果、学業成績が低下し

一方で内的-変動的な原因帰属だと「もっと頑張ろう」という後悔が喚起され勉強が行動を促進し学業成績が向上したのです。

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きむ流の解決策

説明スタイルの改善のポイントは自分はダメだと思いやすい人は失敗を安定的な能力や適性のせいにする心の癖をもっていることがわかります。自分も完璧主義気質なところがあるのでこの発想になりがちです....

悔しさ

そのときのコツとしてはゆるゆる「PDCA」を意識してます笑

PDCAってのは「計画→実行→結果→改善」のサイクルのことを言ってますがそれをゆるくやってみる。

理由はこの考え方をすることで必然的には「内的-変動的」モデルに頭を切り替えてられるのです。

では、どうやって考えるか?それは「やってみたい→やってみた→こうしてみよう」モデルです(笑)。

【仮説】やってみたい

【結果】やってみた

【分析】こうしてみよう

で考えてます。例えば先ほどの失恋(というかフラれる)を題材にして話すと

【仮説】やってみたい→自分が好きな人に告白してみよう

【結果】やってみた→フラれてしまった。

【分析】こうしてみよう→あまり会話をしたことがなかったので今度は会話をしてみよう。

このようにちょっとずつ「ゆるくやってみる」そうすることで重いケツを持ち上げて自転車の車輪のようにまずは「回してみること」が大事だと思うのですね。

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なるべく「どうせ無理」の無気力ゲームにならないように「やってみよう→やってみた→こうしてみよう」モデルは強力な武器になるはず!

【参考文献】






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