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#11 C'mon C'mon
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今回はひとりの男が9歳の甥っ子の面倒を数日間見なければいけないことになり、その交流がただただ描かれる…とてもミニマムなドラマです。
大事件も起きず、他愛もない時間が続く、そんな日常の延長がそのまま映画になったような感じが続きます。
あらすじ
NYでラジオジャーナリストとして1人で暮らすジョニー。
LAに住む妹から頼まれて、9歳の甥・ジェシーの面倒を数日間みることになる。
突然始まった共同生活は戸惑いの連続。
好奇心旺盛なジェシーは、ジョニーのぎこちない兄妹関係やいまだ独身でいる理由、自分の父親の病気に関する疑問をストレートに投げかけ、ジョニーを困らせる。一方で、ジョニーの仕事や録音機材に興味を示し、二人は次第に距離を縮めていく。
仕事のためNYに戻ることになったジョニーは、ジェシーを連れて行くことを決めるが…
登場人物と自分のこれまでを重ねて
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私はこの映画を見ている最中、自分の子供時代を振り返りながら観ていました。だからなのか、普段は映画観賞後に深く考えることはあまりしないのですが、珍しくiPhoneのメモアプリに感じたことをバーッと書き残していました。
今日はそれをもとに書いていこうと思います。
インタビューシーン
作品と所々で、主人公・ジョニーが子供たちにインタビューをしているシーンが挟まれます。ドキュメンタリー的な作りも組み合わさっているのが本作の特徴です。
ジョニーは子どもたちを「子ども扱い」せず対等に扱い、無理に答えを引き出そうとはせず、それでいて自由な発言を良しとする。答える中に正解はなく、思ったことを言えばいいのです。
そんな空間で自分の考えを述べていく子供達。質問をスキップする子もいますが、答えるときは心や頭にあることを淀みなく答えていきます。
素直な感想として、子供の想いや感情を言語化する能力の高さに脱帽です。
私が普段感想や感じたことを聞かれた時、「なんも感じないな〜、困ったな〜」としか思わないことが恥ずかしくなるほどに。
他の子供とは何かが違うジェシー
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なんで私は伝えることができないんだろう。
もしかしたら、湧いてきた考えや感情を無視することが多かったのか、意図的に隠してきたのでは?
主人公の甥っ子・ジェシーを見てそう思いました。
ジェシーは複雑な家族環境の中にいて、父と母を前にすると自分の感情を押し殺してしまう子でした。
ジェシーは問題を抱える両親に必要以上に踏み込むことは決してありません。その代わり、自分の中の「もう一人の自己」を演出することで平静を保っていました。
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そんなジェシーも、主人公・ジョニーと過ごす中で少しずつ自分の感情を素直に出せるようになっていきます。ジョニーは子どもを対等に扱い、尊重してしっかり向き合っているから、ジェシーも信頼して心を開ける「大人」だと思えたのかもしれません。
ストーリー終盤
少年ジェシーは時折大人びたところを私たちに見せてきます。
それは父親の病気のことも、母親の苦労のことも知っているから。彼はストーリ中ずっと「大丈夫」と強がってみせるのです。
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しかし、2人の生活も後少しになった時、彼の感情を開放させたいというジョニーの思いもあって、ジェシーは「I’m not fine」と内に秘めていた負の感情を爆発させることに成功します。怒り、悲しみ、喜びを全てを共有して。
その時の私はめちゃくちゃ泣きました。
小さい時の私も、あんな風にちゃんと無理、大丈夫じゃないって言いたかった。今でもこのシーンを思うと涙が出ます。
それを言い出せる存在、尊重してくれる存在を持てたジェシー。
彼がそういった関係性を持てたことを素晴らしく、同時に羨ましくもあります笑
子供に対してはもちろん、全ての人に対して・・・
一つひとつのコミュニケーションを大切に、考えていることに耳を傾けて相互理解していくことの重要性を感じさせてくれる作品でした。
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