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私の映画備忘録#2「Dash&Lilly」

今日紹介するのは、Netflixのドラマ「ダッシュ&リリー」(2020年公開)。
クリスマスのニューヨークを舞台に、古本屋に置かれた一冊のノートで交換日記を始める10代男女のラブストーリーです。

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あらすじ
クリスマスが好きなリリーと嫌いなダッシュ。リリーがNYの本屋に置いたノートをダッシュが見つけ、お互い相手をしらずにノートを交換し続ける。クリスマスの奇跡が、正反対な二人の心をつないでゆく。
(Netflixより引用)

映画くらいの長さでサクっと見られて、見た後には心地よさが残ります。
続編も製作されるという噂なので、今のうちにチェックしてみては?

クリスマスではないけれど・・・

クリスマスシーズンではないですが、今「ダッシュ&リリー」を紹介したいのには理由があります。

近年、アジア人やアジアの文化に光を当てた作品が世界で増えてきました。本作もその一つで、アジア人が主人公のクリスマス作品というのでも十分大きな変化ではありますが、 主人公の女の子・リリーが日系アメリカ人なのが個人的にポイントです。

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また、コロナの流行以来、アメリカをはじめ欧米諸国ではアジア人差別が増加しています。NYでも日本人を含めたアジア人に対するヘイトクライムが何件も起きていて、度々ニュースになっていますね。私も今年の2月までNYに滞在していましたが、その間にも知り合いの日本人が暴行事件に巻き込まれました。

だから、本作のようなアジアの要素が入った映像作品を目にする機会が増えて、少しずつアジア人に対する認識が変わっていったらいいなと思います。

これは私ごとなのですが、
2019年の留学中に何度か「ダッシュ&リリー」の撮影現場に遭遇していました。作品にはちょうど留学時の(コロナになる前の)NYが写っていて懐かしく、思い入れがあります。


メインキャスト

Xmas嫌いのダッシュ(オースティン・エイブラムス)

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クリスマスが大嫌いなダッシュ。
頭脳明晰で、物事を少し斜めから見る皮肉屋さん。馬鹿騒ぎする同級生やクリスマスムードに浮かれる人々を冷めた目で見ていたりと、一匹狼なところがあります。
ストランド書店に置いてあった赤い本を見つけて、そこに書かれた謎解きに没頭していきます。

Xmas好きのリリー(ミドリ・フランシス)

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日系アメリカ人のリリー。
恋愛経験が皆無で、何よりもクリスマスと家族が大好き。ストランド書店に置いてあった”赤いノート”の持ち主です。
読書や歌うことを愛し、洋服を自作するアートな少女で、同世代には馴染めず年上とつるんでいます。今年のクリスマスは家族が出かけてしまうことを知り、赤いノート”で理想の相手を見つけることにします。

彼女の家族も実際の日系人でキャスティングされています。個人的にはリリーのお兄ちゃんの役柄がストーリーにいい味を出していると思います。

アナログなやりとり

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本作はスマホ世代の男女が主人公でありながら、交換日記を通して少しずつ二人の距離が近づいていくというアナログ感満載な設定。
もちろん物語はこの赤いノートを中心に展開していきます。このノートが赤いので、まるで二人の赤い糸を手繰り寄せているようです。実際に会うことはなく、ノート上の会話で進展していく関係はロマンティックですね笑

NYのクリスマス

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クリスマスのNYは実際もキラキラしているのに、さらにキラキラに撮られていて、終始テーマパークのようなワクワクする空気が漂っています。
作中にはワシントン・スクエア公園やグランド・セントラル駅をはじめ、所々で開催されるクリスマスマーケット、「ホーム・アローン2」でもお馴染みのロックフェラーセンターのクリスマスツリーとスケートリンクが登場します。

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ブルックリンの「ダイカーハイツ」という、豪華な民家のクリスマスイルミネーションで有名な地域も出てきます。気軽に海外旅行ができるようになったら、ロケ地巡りして欲しいですね。観光も一緒にできちゃうくらいNYの名所で撮ってます。

ちょっとおかしな日本文化

リリーは日系人なので所々に日本ネタが出てきます。でもそのネタがエキゾチックすぎるというか、日本人からするとツッコミを入れたくなるものばかりです。制作陣に日系人は見当たらないですし、「欧米からはこう見えてるのかな」といういい勉強になるかもしれません笑

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ある日、リリーとの交換日記に「言葉が通じないとはどんなことか体験してみて」と書いてありました。
ダッシュが指示通りに「餅作り教室」に参加すると、そこには英語を話さないらしい日本人のおばあちゃんたちが集まっています。(英語が通じないというか、おばあちゃんたちはお互いにも一言もしゃべりません。)リリーからのアドバイスには、「Listen to mochi.(餅の声を聴け。)」とあります。この描写は、アメリカで大人気のこんまりさんの影響なのでしょうか?

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物語の終盤に当たる年末年始のシーンも不思議にあふれています。
年越しそばの前に盃を回してお酒を飲んでいたり(これは一般的とは言えないのでは?)、大仏がいる教会みたいな空間で祖父がお年玉を渡していたり...ちょっと変です。


日本の描写についてはツッコミどころも満載ですが、心があったかくなる作品に変わりはないので是非見てみてください〜!




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