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神さまたちに会いに行く

 島根県に行ってみたいとずっと思っていた。興味を持ったのがいつだったか、もう思い出せない。

 きっかけのひとつは、妹尾河童さんの本である。「河童の手の内幕の内」という文庫本の中に「河童の『旅』」といういくつかの旅の記録が収められていて、そのうちのひとつが「神話の舞台『ザ・山陰』」。この方は旅に出る準備として二万五千分の一の地図を広げて、ルーペで拡大したりしながら地形を確認しておくと(写真付きで)書いてある。

 好きな本や映像を繰り返し読む(観る)持病があって、この本も例外ではない。何度も読んだ。行きたい。ここに書いてある場所をなぞりたいとずっと憧れていた。

  今年(2020年)の3月に、やっと機会に恵まれて行くことができた。妹尾河童さんの文章と、出雲に詳しい友人の意見を参考にして訪問する(したい)場所を決める。

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神魂神社:島根県松江市大庭町563

 最初にご挨拶に行くといいと言われていた神社。河童さんは本の中で「日本中で一番好きなんだ」と書いている。ここの急な石段を駆け登った、とも書いておられるが、ほんとうだろうか。すべって転びそうである。次の場所に向かおうとしていたら、宮司さんがみえて拝殿の扉を開けてくださったので、二度目のお詣りをすることができた。

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八重垣神社:島根県松江市佐草町227

 こちらでは、本殿にお詣りをして佐久佐女の森までゆっくり歩いた。すごく心地がいい。「鏡の池」越しに天鏡神社の稲田姫命にも手を合わせる。

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熊野大社:島根県松江市八雲町熊野2451

 こちらの祭神もスサノオとイナダヒメ。同じ神さまがあちらにもこちらにもお祀りされているから、みんなの氏神様という感じがする。いいなあ。

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須我神社:島根県雲南市大東町須賀260

 ヤマタノオロチを退治したスサノオノミコトが、イナダヒメと共に宮づくりをされた神社。奥宮に詣でたかったので、授与所の方に尋ねたら親切に教えてくださった。歩いて行くのだとおもっていたら、途中まで車で行けますよと言ってお札と地図をくれた。

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奥宮の夫婦岩。黙ってお札をおさめ、手を合わせた。特別な空間。

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美保神社:島根県松江市美保関町美保関608

 友人いちおしの神社。中海ごしに大山を見ながら車を走らせた。鳥取県にもゆっくり行きたい…。どんどん走って、美保神社に着いた。ここらへんでちょっと気が焦ってしまっていたのを後から悔やんだ。

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出雲大社:島根県出雲市大社町杵築東195

 緩やかな下り坂の参道を歩く。夕方だったので参拝客もまばらである。出雲大社はとにかく大きい。何もかも大きくて圧倒される。訪問は3月の終り、夕方になりまだちょっと冷たい風が吹いてきた。

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稲佐の浜:島根県出雲市大社町杵築北

 ここでちょうど日が暮れた。一羽の白鳥が浜で遊んでいて、かわいかった。どうしているかなと いまでも時々思い出す。

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 こんなに身近に神さまがいて、どんな暮らしだろう。その土地にご縁がないと行けないのだろうから、うれしい。着いてから帰るまでひたすらうれしがっていた旅だった。

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