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ステートメント_アルコール依存のケース🥃/川島 航

🥃成人男性の適正飲酒量は、純アルコール量で一日20グラムと言われている。 🥃健康診断の際に、イラスト入りの表を見せられた者も多いだろうが、これはビールならロング缶一本(500ml)、ウィスキーならダブル一杯(60ml)、日本酒なら一合(180ml)だ。 🥃加えて、週2日以上の休肝日を設けることが望ましい。 🥃「適度な運動」が多くのデスクワーカーにとって困難であるように、あらゆる健康目標は、それを日常的に達成している者にとっては簡単過ぎるものかもしれないが、そうでない者に

    • 【厳選】洒落怖の好きな回【マジで怖い】

      洒落怖とは 私のニンテンドーDSiにWi-Fiが接続されたのは,2006年ごろだったかと記憶している。それから心もとない挙動のブラウザーで2chに辿り着き,「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」という一連のスレッドを見つけるまで,さほど時間は掛からなかった。小学校から帰ってくると,とりあえず洒落怖を読み漁っていた。  うそだと思われるだろうが,私は洒落怖まとめ(現在,元のまとめサイトは閉鎖されている)に掲載されていた作品はすべて読んだ。有名どころでいえば,八尺様とか

      • ステートメント_寝ろ、セロトニン、生き延びろ📦/ササキリユウイチ

        📦とはいえまだ、走らなくてもいい。 📦厚生労働省の「身体活動・運動」のページで、最初の句点が打たれるまでに、メンタルヘルスという語が登場している。 📦『健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023』が去年、2023年の末に更新されたときの、いわゆる世間の反応は、半ば自動的に生成されたものだ。 📦「1日60分(1日約8,000歩)以上の歩行」・「週2~3回の筋トレ」を国が推奨したという事実から、税金や保険料の負担の多さ、まして時間の足りなさを嘆かなくていい。嘆いてもい

        • 井の頭通信 06

           1 美味しいけど,ノリが合わないラーメン屋がある。家からも会社からも遠く,それでもわざわざ暇をみつけて食べに行くくらい気に入っているが,美味しいこと以外はまったく好きではない。まず店名からして全然好きではないので,ここには明記しない。こういう屋号のラーメン屋に通い詰めていることを知られたくないので,友だちにも一切話題に出したことはない。一応お店の名誉のために断っておくと,下品とかではない。ただただ本当にノリが合わない。  入口の,げた箱のうえに飾られている店主の似顔絵が好き

        ステートメント_アルコール依存のケース🥃/川島 航

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        • Statements.
          3本

        記事

          ステートメント_SNSとアディクション🧟/zonbipo

          Ⅰ ステートメント 🧟『スーパーパチンコ』というパチンコ屋が地元にあった。ある晩,「パ」のネオンが切れて『スーパーチンコ』という神施設が誕生し,中学生だったわたしと友だちはあまりの完璧な出来事にぶち上がって,自転車でスーパーチンコのまわりを何周も走った。補修されたネオンをみてしまった我々の落胆は言い表せない。 🧟生魚が年々苦手になっていることに対して,絶対に認めたくないという気持ちと,諦めの気持ちが競り合っている。ガキのころはすべての食べ物のなかでお刺身がいちばん好きで,

          ステートメント_SNSとアディクション🧟/zonbipo

          みどりいせきの感想だよ/RUB

           クラブではたらいてたころは毎晩かれしとジョイントまわしてた。かれしていうのはそのクラブのオーナーでまあもうぜんぜん昔に別れたしクラブとか2年くらい? いってないけど当時はとっても楽しかったな。シラフの時間のほうが短くてとりあえず友だちと乾杯して、あ、べつにその場にいるやつだったら友だちじゃなくても一緒につめたいピニャコラーダとか飲んでThe Weekndかかったらとりあえずおしり振って、かれしに紹介された男の子ときれいな紫のバッズくだいて煙にして、そのころ鼻毛が伸びるの超は

          みどりいせきの感想だよ/RUB

          『みどりいせき』書評/川島航

           代謝がなければ肉体の節々が壊死していくように、あるいは長期政権や一党独裁の類が必ず腐敗するように、新しい細胞・組織の製造が、人間個人・そしてそれら総体である集団全体が存続するための絶対条件であることは間違いないが、それは当然「小説」という営みにおいても同じであり、「新人」の発掘がその活動の本質と言えるだろう。  今回、「第47回すばる文学賞」を受賞した大田ステファニー歓人による「みどりいせき」も、現代文学に新しい風を(空気を・酸素を)提供し、その息を伸ばした重要な作品であ

          『みどりいせき』書評/川島航

          ZPSS®︎0000

           1 今年の夏は恐山に行った。八戸を朝早くに出発して,着いたのは太陽が傾きはじめた時刻だった。もっともその日は悪天候で,太陽は見えなかった。実際の恐山は異界とかではなくて,もっとリアルな場所だった。吹き付ける冷たい風が赤い風車を揺らして,持ってきたビニール傘を壊した。ばらばらな方向に折れた傘の骨が風の抵抗をもろに受けて歩きづらかった。雨と風にひるんで下を向くと,たくさんの丸い石に子どもの名前が書かれていた。太いマッキーの筆跡かもしれない。私には産まれてこなかった兄がいる。池に

          ZPSS®︎0000

          宮崎県のある方言について

          1 親父の実家は宮崎県の南端で,志布志湾の小さな港町にある。わたしは毎年の年末年始に,数日間だけいる。齢80を超えた両親を気にかけてか,親父はこの頃,頻繁に宮崎へ帰るようになった。いまわたしは山陽新幹線の2号車にいて,夜更けに広島駅で降りて,真っ赤な在来線に乗り継いで山口県岩国市に帰る。親父は宮崎にいるそうだ。まぁ,会いたい訳でもない。  思えば今年,東京から離れるのは,正月の帰省ぶりになる。わたしは,旅行することをやめてしまった。  宮崎の祖父母は薩摩訛りがかなりきつくて,

          宮崎県のある方言について

          井の頭通信 05

          1 職場近辺の建物が次々に取り壊され,まっさらになっていく。井の頭線の沿線のなかで,ことさらに高齢化が進んでいる地区なので,それが関係しているのかもしれない。  それからこの地区は,とある,同じ苗字にやたら出会う。というのは江戸時代,鳶職で財を成した一族の拠点がこの辺りにあったとのことで,「◯◯建設」,「◯◯医院」,たくさんの豪奢な一軒家にかかった「◯◯」の表札といった共通の姓に,末裔たちの繁栄の名残が認められる。これらはA美さん(井の頭通信02に登場)から,日本型のメリトク

          井の頭通信 05

          井の頭通信 04

          1  休日だが,出勤であった。任せられたもろもろの雑務を済ませ,接待のための会場へ向かう。吉祥寺は冷えたつ春の雨に濡れていた。タクシーは井の頭公園通りで完全にスタックして,それで,やまけんから「今日暇ですか?」とラインが来た。「そっか,きみの卒業式,今日か」と返信しながら,今夜はさっさと終わるといいな~と思っていた。  着いた先は卒業式を終えた学生らで溢れていて,接待は隣部屋のバカ騒ぎに押されて早めのお開きとなった。個室を出るさい,学生たちにその調子だぜ,😉とアイコンタクト

          井の頭通信 04

          井の頭通信 03

          1 間が一年空いたとはいえ,井の頭線沿線を生活拠点に定めてから,今年で7年目になる。大学も,職場も,自宅も全部,この短い路線の中から選んできた。そんな私はいま,過去最高に井の頭線エリアへの愛着と関心が高まっている。「井の頭通信」とか題してる,この一連のテキストは,書いてて今まででいちばん楽しいからだ。自分の心の中を反芻させてきた言葉は,とても素直にアウトプットされる。  反復が好きで,同じことをとにかく何度も繰り返すのが好き。朝昼晩ぜんぶカレーでもモーマンタイ。そういうレベ

          井の頭通信 03

          井の頭通信 02

          1 私は最近,恋愛をしている。  この数年,そういう気持ちとまったくご無沙汰して生きてきたから,どうすればいいのかよく分からない。ウチの話聞いてくれん?   さして興味がないひとには,取り繕わずに,カッコつけとはまた違う,私の気取り屋さんな部分を自然に明け渡せて,それで気に入ってくれるひとだけが勝手に周りに残ってそれでオーケーだったのに,いざ相手を目の前にすると身体がどうしてもこわばるんよね。会うたびに緊張する。  でも,さしあたり,いまは十分に楽しい。好きなひとができて

          井の頭通信 02

          井の頭通信 01

          1 シャツを着る前にアイロンでしわを伸ばす。そのために,毎朝その時間分早くベッドから抜け出す。シャツ自体はなんだってよく,セールで買ったユニクロのボタンダウンでもなんでも着る。ニットやパーカーを着ればその分手間が省けるし,何分か余計に寝ていられるのに,今年の冬はパーカーなんかは一回も袖を通していない。  ニットはシャツの上から着る。ニットそれ単体では選ばれない。パーカーに関しては,まったく似合わない。  ある日,気まぐれで入った吉祥寺のバーで老練なマスターに,着ていたシャツの

          井の頭通信 01

          2022年 良かった小説

          1 大胯びらき 2 島とクジラと女をめぐる断片 3 左ききの女 『大胯びらき』 大胯びらき([原題]Le Grand Écart)は,作家ジャン・コクトーが1923年に著した生涯で二冊目の小説で,日本では澁澤龍彦の翻訳によって1954年に初版が発行された。福武文庫版(絶版。Amazonにて中古の在庫在り)の巻末解説は出口裕弘による。白水社から出ている愛蔵版では,澁澤龍彦本人があとがきに寄せている。  私は2021年の暮れに福武文庫版をはじめて読んでから,いまに至るまでこの本

          2022年 良かった小説

          Zonbipo Private Selection Senryu (ZPSS®︎) 03

          PTSD海という冗談 PTSDまずネコを挽きます PTSD下手に口説いたので PTSD汗染みのようには 痛いほどわかると言って剥いた梨 背鰭を視てしまいPTSD 安全にナイルパーチを獲るために PTSD墨汁のユーモア PTSDのまま裸になる PTSDとある試し書き紙 PTSDまだ口が堅いね PTSD痙攣が艶やか 焼菓子は薔薇と因果を共にして とりのまね歩いて帰るはずだった コーヒーの前でいつもはほつれてる PTSD絵描きたちの嘘 さながらPTS

          Zonbipo Private Selection Senryu (ZPSS®︎) 03