みどりいせきの感想だよ/RUB
クラブではたらいてたころは毎晩かれしとジョイントまわしてた。かれしていうのはそのクラブのオーナーでまあもうぜんぜん昔に別れたしクラブとか2年くらい? いってないけど当時はとっても楽しかったな。シラフの時間のほうが短くてとりあえず友だちと乾杯して、あ、べつにその場にいるやつだったら友だちじゃなくても一緒につめたいピニャコラーダとか飲んでThe Weekndかかったらとりあえずおしり振って、かれしに紹介された男の子ときれいな紫のバッズくだいて煙にして、そのころ鼻毛が伸びるの超はやかった。下品でごめんね! でもそれくらいしかあんま覚えてないんだよね。クローク抜けたらその男の子はもう私にくっついてて手握られたから顔見あげたらその子も鼻毛めっちゃ出ててうけた。
ステファニー歓人くんのこと知ったのはこのあいだまわってきたTikTokで、文学くんたちの授賞式でかしこそに背広できめたおじさんに挟まれてチャンピオンのフーディ被ってるのうけた。たまにはやるか~読書~と思ってすばる11月号ポチった。序盤からいきなりブラウニー食べててうけた。そいえば昔タイ旅行したとき変な白人に教えてもらったお店でピザ頼んだらクッシュ混ざってたの思い出したよ。お店出たあとコンビニよったら、強すぎなLED照明のなかで友だちの目がまっかっかに充血してておなか痛くなるまで笑った。私もフクロウみたいな目だったらしいけど。
テレグラムについてしゃべるね。テレグラムっていうのは、私と友だちとそれからたくさんの🅿️さんたちを繋げてくれてたアプリで、暗号化? っていう技術でおまわりさんにパクられても証拠が残んないすごいやつらしいよ。でも仲良かった友だちのおうちに、ある朝たくさんのパトがきて、それで友だち連れてかれちゃった。部屋にはなんもなかったみたいだけど、🅿️との取引の履歴をその場で復元されたみたい。みんな気をつけてね!
私たちの携帯は、夕方になるとビニールぱんぱんにつまったバッズの写真とメニュー表の通知でぶんぶん鳴りっぱで、アイフォンはポケットのなかでやけどするくらい熱くなった。私たちはその振動と熱だけで目尻をだらしなくたらして、よだれが奥歯のほうからしみてくるのを感じてた。
テレグラムのグループには、レビューチャンネルっていうのがあった。ておしが済んだあとぶっといジョイントつくって、商品の感想を🅿️さんに連絡すると、つぎのておしでちょっとサービスしてもらえたりするから、みんなこぞって味の感想を食べログみたいにアップしてた。
たとえばこんな感じ。きょうは気分じゃないな~、家でネトフリのつづきでもみよかなってとき、こんなレビューのスクショが来ちゃうとすぐに喉がからからになって、全身の毛穴がじゅんじゅん開いて、次には🅿️にシークレットモードでチャット送ってる。
まだじゅうぶんしめってそうなサティバ株の写真が何千通送られてこようと、雨の日セールでマスタークッシュがグラム5とかで売買されてても、もうすでにハイになってるストーナーたちが雲のうえから送信してくる、しりめつれつな言葉のパワーには到底およばなかった。ぜんぜん、勝てなかった。言葉を読んでいるとき、私はもうすでに酔っていた。言葉はテレグラムのなかで写真や動画よりゆうべんに物語っていた。どうして言葉だけでこんなに感じちゃうのかな?
みどりいせきを読みながら、私は、どうしてもたえがたい喉のかわきを感じた。それから、ほんとうに久々に、テレグラムひらいちゃった。
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