デミ

ASIOS著『増補版 陰謀論はどこまで真実か』を批判するノートです。

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ASIOS著『増補版 陰謀論はどこまで真実か』を批判するノートです。

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  • 月の石の記事

  • 911の記事

  • 日航機墜落事故の記事

  • 総論

  • 明治天皇すり替え説の記事

最近の記事

月の石の研究は反映されたか

 ASIOS著『増補版 陰謀論はどこまで真実か』を批判する。今回は月の石の記事について。 大槻教授の自己矛盾? 『増補版』でのこの記事の最大のポイントは、ここだろう。  今回の石の地球起源説は、これまでの月の石の研究がもとになっている。「月で作られた可能性はきわめて低い」というためには、月の環境を知ることが不可欠だ。そこで月の石の研究が大いに役立っているのである。  しかし月の石の陰謀論では、本来、研究成果というものを認めない。成果を認めれば月の石を否定する根拠を失い、陰

    • 911を待ち望んだ人たち

       ASIOS著『増補版 陰謀論はどこまで真実か』を批判する。今回は911の記事について。 「アメリカ新世紀プロジェクト」の、911を予言した有名な一文を取り上げる。 『増補版』でどう書かれているか。P330から引用する。  2000年9月、ネオコン(新保守主義)の一派である「アメリカ新世紀プロジェクト」が作成した建白書『アメリカの国防再建』と題した論文が注目を集めた。そこにはビル・クリントン政権の軍縮が批判され、空軍の規模縮小を嘆く一節もあった。  書かれていない。  

      • 満場一致のパラドックス

         ASIOS著『増補版 陰謀論はどこまで真実か』を批判する。今回は「満場一致のパラドックス」について書く。 満場一致のパラドックス 下記のサイトがよくまとまっているので引用する。  相違や不一致があるはずのことに対して「満場一致」が起こった時は、結果を出すに至ったシステムの方に問題がある可能性があります。 満場一致は必ずしも間違っているわけではありません。明確で間違う可能性が少ないことについては満場一致も起こります。 ただし、実社会の多くの場面において満場一致は起こらな

        • 国や事故調の方針は、事件の真相をもみ消すことであった

          『増補版 陰謀論はどこまで真実か』を批判する。今回は日航機墜落事故の記事について。国や事故調を信じるべきなのか、そうでないのか。この記事はそこに致命的な矛盾がある。 陰謀論 その部分、まず「陰謀論」から引用しよう。  墜落原因が調査委員会の発表通りならば、機体後部の圧力隔壁と垂直尾翼に顕著な損傷が見られるはずだ。空中で飛散した垂直尾翼の破片の多くは相模湾に落ちている。しかし、運輸省航空事故調査委員会が相模湾の海底残骸捜索を始めたのは1985年11月1日になってからで、それ

        月の石の研究は反映されたか

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        • 月の石の記事
          4本
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        記事

          無かったことにされた記事

          『増補版 陰謀論はどこまで真実か』を批判する。今回は月の石について。  以前「長くなるので引用はしない」とした部分、東大物性研の月の石の研究について、タイプしたものが見つかった。昔頑張ってPCに打ち込んだものの、「10年も前の本を批判しても仕方ない」と放置されたものだ。『増補版』が出たので批判しよう。  この10年間で、『増補版』で紹介されているように、月面にはある程度地球の石が存在することが分かった。それを踏まえて記事を見返すと興味深い。 引用 前著のP259からの引

          無かったことにされた記事

          「昭憲皇太后」に言及しない

          『増補版 陰謀論はどこまで真実か』を批判する。今回は明治天皇すり替え説について。  この説、僕が興味を持ったのは10年前。もうほとんど忘れてしまったが、印象に残っている根拠が二つある。  一つは明治天皇の妻の追号が「皇太后」とされていること。もう一つは、北朝系の血統である明治天皇が南朝を正統としたこと。ここでは「皇太后」の方を取り上げる。 イージーミスはあり得ない  明治天皇の妻の追号が「昭憲皇太后」とされている。正しくは当然「昭憲皇后」だ。  これは誰もが確認可能な明治

          「昭憲皇太后」に言及しない

          「真実度0%」の根拠は

          『増補版 陰謀論はどこまで真実か』を批判する。今回は月の石の記事について、『増補版』でなく前著の記事を中心に見てみよう。  前著の記事『アポロ計画で持ち帰った「月の石」は、地球の石だった』では、その真実度を0%とし、大槻教授の『東大物性研に持ち込まれた「月の石」は地球の石だ』という主張を否定している。  その一方で、今回の『増補版』では、アポロ14号の持ち帰った「月の石」に地球の石が含まれていたという研究結果を認め、月面のレゴリスの0.05~0.5%を地球の石としている。

          「真実度0%」の根拠は

          なぜケネディ暗殺の記事がないのか

          『増補版 陰謀論はどこまで真実か』を批判する。今回は、なぜこの本に「ケネディ暗殺事件」の記事がないのかについて。  陰謀論といえばケネディ暗殺だ。現在では911かも知れないが、一昔前まではそうだった。まあ現在でもそうだろう。なのに、なぜ記事がないのか。  書ける人間がいないのではない。著者の一人奥菜秀次は、ケネディ暗殺事件の本を書き、ブログもやっている。実に174の記事がある。 https://ameblo.jp/jfktruth/  なぜか。理由は明白だ。それが本当に

          なぜケネディ暗殺の記事がないのか

          ロッキードじゃない、ボーイング

           ASIOS著『増補版 陰謀論はどこまで真実か』を批判する。今回は日航機墜落事故の記事にある、信じられないような間違いを取り上げる。  P216に中タイトルとして「日航やロ社が隠蔽に協力する理由はない」とあり、続く本文は次のような感じだ。  ここで重要なのは、米軍もしくは自衛隊の撃墜説が正しいとすれば、日航および整備に携わったロッキード社は被害者であって、隠蔽に協力する筋合いはないといことである。むしろ、撃墜が証明されれば(中略)責任は回避できる。つまり、日航としては撃墜

          ロッキードじゃない、ボーイング

          WTC7の自由落下

           ASIOS著『増補版 陰謀論はどこまで真実か』を批判する。今回は911の記事から、WTC7の自由落下を取り上げよう。WTC7の自由落下は記事にある通り、米政府公式見解である。  まず「陰謀論」として次のようにある。  火災崩壊の場合、各支柱はランダムに崩れるが、階層が一気に落下するフリー・フォールは支柱が同時に切断されない限りあり得ないと。それは人為による切断現象であり、爆破を示す証拠なのだ、とリチャード・ゲイジはいう。(P313)  これについて、著者の奥菜秀次の説

          WTC7の自由落下

          日航機墜落事故の記事

           ASIOS著『増補版 陰謀論はどこまで真実か』を批判する。今回は日航機墜落事故の記事について。  この記事、前著の記事があまりにも酷かった。僕はかつて、それについての批判をASIOSの公式ブログのコメント欄に書き込んだ。今回はそれを紹介する。『増補版』にはその返答がある。記事を読む際、比較して読んでも面白いだろう。 ブログへの書き込み  以下はリンクにある書き込みのコピペです。詳細の検討は後日やります。 https://asios.org/revision3 ① >垂

          日航機墜落事故の記事

          「月の石」の記事

          ASIOS著『増補版 陰謀論はどこまで真実か』を批判する。第一回目の記事は、ASIOS会長本城達也による記事『アポロ計画で持ち帰った「月の石」は地球の石だった』を取り上げる。 本城会長の自己矛盾  大槻教授は、東大物性研に研究用に持ち込まれた「月の石」は地球の石だったと考えている。一方、2019年にNASAは「アポロ14号が持ち帰った月の石が地球の石が含まれていた」というニュースを発表した。この記事はそれを否定していなく、以下のような記述がある。 「月に隕石として運ばれた

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