無かったことにされた記事

『増補版 陰謀論はどこまで真実か』を批判する。今回は月の石について。

 以前「長くなるので引用はしない」とした部分、東大物性研の月の石の研究について、タイプしたものが見つかった。昔頑張ってPCに打ち込んだものの、「10年も前の本を批判しても仕方ない」と放置されたものだ。『増補版』が出たので批判しよう。

 この10年間で、『増補版』で紹介されているように、月面にはある程度地球の石が存在することが分かった。それを踏まえて記事を見返すと興味深い。

引用

 前著のP259からの引用。記事の1/3を占めるものだ。

 真相を知るためには当事者に取材をすることも大事である。そこで筆者(本城)は当時の資料を調べ、物性研究所で研究をされていた研究者の方を探し出した。現在、サイエンス ソリューションズ株式会社の代表取締役CEOを務めておられる西川正名氏である。西川氏は当時、物性研究所の研究者で、東京大学の大学院生だった方である。月の石は、同じ物性研究所の秋本俊一助教授(当時)をリーダーとする研究グループで研究されていた。この、まさに当事者といえる西川氏に取材を行った。内容は次の通りである。
 まず大槻教授の主張では、当時、物性研究所の若い研究者に知り合いがいたことになっている。しかし西川氏にうかがったところ、「当時を思い出してみても、大槻さんという方は存じ上げません」とのことだった。西川氏は当時まだ学生ながらも、研究グループの中では秋本氏のもとで中心的な役割を果たしていた方である。その西川氏がご存じないとなれば、大槻教授と研究者とのかかわりは、それほど深いものではなかったことがうかがえる。
 次に「研究者は当初、意気揚々としていたが、月の石の研究を始めると成果が出ずに意気消沈してしまった」という主張。この件についても「研究の成果がでなかったとか、意気消沈していたという事実はまったくありません」ときっぱり否定されている。確かに当時の新聞を調べると、早くも1969年の11月時点で研究の成果は出ており、一部は発表されていたことがわかる。
 また西川氏によれば、もともと学位は月の石の研究で取るつもりはなく、他の研究で取られたのだという。もちろん、月の石の研究に携わったことで将来に重大な障害が生じた事実もない。これは西川氏が卒業後に三菱原子力興行(現・三菱重工業)へ入社、様々な研究、開発に携わったのち、現在はサイエンス ソリューションズ株式会社で代表取締役CEOを務めておられることからもよくわかるだろう。
 なお、学会で発表がなかったという主張も事実無根である。アポロ11号の月の石の研究成果は、1970年の日本火山学会・春季大会において発表されている。

批判

「西川氏が大槻を知らない」というのは笑っちゃう。
 意気消沈なんてのは主観。新聞報道は論外。
 西川氏は別の研究で学位を取った。
 参考文献で唯一紹介されている東大物性研の論文がこれ。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kazanc/15/1/15_KJ00003449761/_article/-char/ja/

 こんなものだ。『増補版』では西川氏の名前すら出ない。ここにあるのは、根拠が無いのに雰囲気だけを作り、何とかして項を埋めようとする姿勢だけだ。
 これで「真実度0%」を導いた。これがASIOS会長本城達也だ。

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