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歯 in 歯

衝撃のあまり日中あまりやったことのない「つぶやき」たるものをしてしまった。
そう、とうとう歯を抜いてしまったのである。
人生初の抜歯!

いやね、夏の始まる頃、私の唯一の親知らずを抜こうかっていう話を通っている歯医者さんから言われてはいた。けれど、まさか今日とは・・・。
そんな話をしてから季節が変わるほどに時間が空いてしまっていたので、もはや忘れていたよね。忘却の彼方だよね。

前回治療したところの経過を確認されたあと、前触れもなく
「じゃあ、今日は右上の唯一の親知らずを抜こうか」
と爽やかに言われた。そんな発言を受けて
「・・・え?抜く?歯?今日、抜く?歯」
と、言葉を覚えたての生命体のようになってしまった私をみて
「今日じゃなくても良いよ。今日は、こっちの歯の治療をすることにして、それが終わってからでも良いよ。どうする?」
と、戸惑う私に選択肢を与えてくれた優しい先生。半年近く通院して今更知ったのだが、私の治療を担当してくれていた優しき先生は、院長先生だった。若いのにすごい。

選択肢を与えられたものの、今日歯を抜くことへの恐怖と先延ばししたとていつか訪れる恐怖の狭間で悩む私。悩んだ挙句出した答えは

「年末年始に心置きなくお餅を、お餅などを食べられる方で!!!」

「じゃあ、今日抜いちゃいましょーう」

ヒイィぃぃいイィぃ、と引きつる私の傍で笑いを堪える歯科助手さん。先生は人の良さそうな笑顔を浮かべながら麻酔の用意をしている。
やっぱり怖い!と駄々をこねる暇もなく、プスっと麻酔が注入された。

親知らずを抜いた友人の話を何回か聞いたことがある。
歯茎を切っただとか、ドリルのような凄い音ともに引っこ抜くだとか、頬が恐ろしいほど腫れただとか、しばらく食事をするのが辛くなってしまっただとか・・・嫌だ。怖い。痛いの嫌い。
そんな思考に陥っている間に麻酔が効いたらしく、いざ本番!

諦めとともに目を瞑り、お腹の上で手を組んで、もはや召される勢いで抜歯に挑んだのだけれど、ゴリっと一瞬音がして終了。
お、おぉ〜、拍子抜け。嬉しい期待外れ。
ありがとう神様、ありがとう先生、ありがとう私の唯一の親知らず。

帰り際に記念にと抜いた歯をいただいた。可愛い歯のケースに入れられて。
これ、どうしたら良いんだろ?上の歯だから縁の下にでも投げ入れるべき?
縁の下、ないな・・・。
おばあちゃん家持って行くか?

にしても、普段通りに過ごして大丈夫と言われても、やっぱり気にしてしまう。
だって穴が空いているんだよ?歯茎に。
そりゃご飯食べるとき左に傾いちゃうよね。穴にお米がコロコロコロリンの恐れがあるもの。歯茎の再生どのくらいかかるんだろう?

兎にも角にも、年末年始にお餅を堪能できそうなのは喜ばしい。

▼私の歯の治療の話

▼親知らずに想いを馳せた話

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