美味しく食べることでできることもある。

朝9時。
インターフォンの音で起こされた。
勘弁してくれ、昨日なんやかんやと夜更かししてしまったからまだ眠い。
いや、自業自得なんだけども。

心の中でひとりごちる。
そして、急激に意識は浮上する。

「肉！！！」

覚醒の時。
そうだった、そうだった。
クロネコさんからも午前中のお届けだと連絡がきていたではないか。

かけていたのか、丸めていたのか、用途の分からなくなっているブランケットをはねのけて、インターフォンの通話ボタンを押す。
画面に映し出されたのは、やはりクロネコさんだ。

ジャジャーンッ！！！
届きました。ミヤチクさんのお肉です。
新型コロナウイルスの影響を受け、和牛の消費量が減少してしまっている中、畜産農家さんを応援しようと実施された、ミヤチクさんの「宮崎牛応援キャンペーン」。
微力ながら、私も協力させていただいた。

果たして協力と言って良いのか、普通にお得に美味しいお肉を手に入れさせてもらって、こちらこそありがとう御座います、って感じのキャンペーンだ。
でも、私が「美味しいーーーっ！」って舌鼓をうつことで、日本の畜産農家さんの力になれるなら、そんな素敵なことはない。

味付けは簡単に、ニンニクと塩胡椒。塩は岩塩を使ってみた。
焼き加減はミディアムレア。
冷凍→冷蔵→常温と解凍の仕方には少々気をつけてみたが、たったそれだけ。
たったそれだけなのに、

「なんということでしょう〜」

というナレーションが頭を巡る。
一昔前の少女漫画なら、私は大輪の薔薇を背負いながら、白目を剥き、小指を立てていることだろう。

柔らかいし、甘いし、とろける。
肉の旨味があるから、シンプルな味付けで大正解だ。
歯を治療中な私には、本当にありがたい柔らかさである。

ニュースを見れば、第二波到来なのではないかとコメンテーター達が会話を交わす。
ドラゴンボールを探せるほどの探検家でも、青い魔神を呼び出せるランプの持ち主でも、ビビデバビデブーの一言で魔法が使える魔法使いでもない私ができること。

日常の一部である食べるということ。

食材に感謝し、無駄にすることなく、美味しさを素直に受け止めて食べるということ。

多分、それだけで良いんだと思う。
一人一人が背伸びせず、できることをやれば良いんだと思う。
だから私は、今日も明日も
「いただきます」と「ごちそうさま」を繰り返す。
そこに「ありがとうございます」というエールを込めて。

#日記 #エッセイ #毎日更新 #毎日投稿 #毎日note #いま私にできること #買ってよかったもの #肉 #応援 #食 #畜産業